番号表示にパスワードが必要!ロック機能付きクレジットカードってなに?
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今年も世界最大級の家電見本市と言われる『CES2018』が1月9日から12日アメリカ・ラスベガスで行われました。
もともと「コンシューマーエレクトロニクスショー(家電見本市)」と呼ばれて、1967年のニューヨークでの開催からもう51年の歴史を誇るイベントになり、内容にも変化があって、ここ数年は、もはやTVや冷蔵庫、オーディオなどの家電製品の見本市というよりも、これからの生活に欠かせなくなるであろう最先端技術、すなわちIoT(モノのインターネット)やAR(拡張現実)、VR(仮想現実)、自動運転やAI人工知能に関わる製品が目白押しです。
そんな中、今年は昨年にも増して大手メーカーをしのぐほどのアイデアで勝負のベンチャー企業が多数参加。こうしたベンチャー企業では、大衆をターゲットにしたコモディティ(汎用品)化された商品から、個人個人の細かい要望に対応して一人ひとりが価値を感じてもらえる商品(コトづくり商品)の出品が注目されています。
ここ数年ユニークな製品を提供し続ける日本の家電ベンチャー「Cerevo(セレボ)」も今回は、民泊などで活用できそうな超小型の自動販売機「Qvie(キュービー)」を発表。スマートフォンをかざすだけで中に入ったワインボトル等が取り出せる、少人数用の自販機がこれからのトレンドになりそうです。
トヨタは東京オリンピックに向けて店舗にも物流にも使える自動運転EV「e-Palette」を発表しましたが、それをもっとコンパクト化して個人の屋台販売を未来化してくれるのがこの「robomart」。スマートフォンをタップしてもっとも近いロボマートをリクエストすると、全自動で欲しいものを載せて来てくれる無人屋台という発想。
ベンチャー企業ではありませんが、三井住友カードと米Dynamicsは、世界で初めての「ロック機能付きクレジットカード」を発表。このカードにはパスワードの入力ボタンが付いていて、ロック解除しないかぎりクレジット番号が表示されない仕組みになっているそうです。
またDynamics社は、複数のクレジットカードを1枚にまとめられるて「Wallet Card™」も発表。カードそのものにクレジットカード情報をダウンロードする機能を搭載。これでDynamics社は、米国技術協会(CTA)から「セキュリティー技術に関するイノベーション最優秀賞」を授与されました。
IoTやAIといった技術に注目しがちですが、最近「ものづくり」から「コトづくり」とよくいわれるように、個々の要望に応えられる商品、それからセキュリティの強化をさらに進めた製品にも注目です。
ちなみに今年は2日目の10日に数時間にわたって会場の一部が停電するというトラブルも発生して、一番の目玉は大停電だというジョークにもなっているそうです。
[文・構成 土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。