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2018年11月8日、アメリカ・カリフォルニア州北部のビュート郡で大規模な山火事が発生しました。
『キャンプ・ファイア』と呼ばれるこの火災は、発生から18日後の25日に鎮火しました。カリフォルニア州消防局の発表では、少なくとも85人が亡くなり、約1万4千棟の住宅が焼失。カリフォルニア州史上最悪の犠牲者を出した火災となりました。
ビュート郡に住むミシェルさんは、火事の知らせを受けるとすぐに2人の娘たちを迎えに行ったといいます。それから急いで自宅に戻り、愛犬のマックスを連れて逃げようとしますが、姿が見当たりません。
海外メディア『The Dodo』によると、その時すでに空から灰が降っており、彼女の家にも火の手が迫っていたのだそう。一刻を争う状況の中、家の周りを必死に探してもマックスが見つからず、彼女は仕方なく娘たちを連れて逃げることに。
そして2日後、ミシェルさんの自宅が焼失したことが確認されたということです。
愛犬はきっと生きている…探し続けた家族
家を失い悲しみに暮れるミシェルさん一家にとって、もう1つ心配なことがありました。それはマックスが見つかっていないということです。
火災による被害が大きくなるにつれ、家族の不安は募っていきます。しかし、ミシェルさんたちは決して諦めるつもりはなかったそうです。
家族はマックスの写真をSNSに公開し、情報提供を呼びかけました。
それからずっとSNSのフィードを確認し続けていたミシェルさんの夫が、「火災の現場でマックスという名前の犬が保護された」というニュース動画を目にします。
しかし、その動画に映っていたのは全身の毛が黄色く、目の輝きもなく、生気を失っているような犬。エネルギーに満ちあふれたミシェルさんの愛犬とは似ても似つかない外見でした。
ただ、その犬が見つかった場所がミシェルさんの自宅からとても近くだったため、彼女は動画の連絡先に電話をし、「なぜその犬の名前がマックスだということが分かったんですか?」と尋ねます。
すると相手は「犬の首輪にマックスと書いてあります」と答えたといいます。
さらに首輪の特徴を聞いた彼女は確信しました。その犬は間違いなく、ミシェルさんの愛犬だったのです。
それから家族はマックスが治療を受けている病院へ。マックスは美しかった毛が焼けて抜け落ちている状態で、全身にやけどを負っていました。
マックスの姿は火事が起きる数日前と比べるとあまりにも変わり果てて、実際に目の前にしてもやはり同じ犬だと信じられなかったのだとか。
しかしマックスはミシェルさんたちに会った瞬間、大喜びしたのだそう。その姿を見て家族は「ああ、この子は私たちのマックスだ」と分かったということです。
マックスは動物病院で治療を受けながら、少しずつ回復しているといいます。
マックスはマイクロチップを装着していませんでしたが、幸い首輪に『マックス』というドッグタグが付いていたことが手がかりとなりました。
今回の山火事ではたくさんの動物たちも犠牲になったと思われます。
そんな中で、大けがをしながらも生き延びて、家族と再会できたマックスはとても幸運な犬だったのでしょう。
ミシェルさんたちは、マックスにたっぷりと愛情を注いで世話をしているそうです。マックスが1日も早く快復して、また元気に走り回れるようになることを願います。
[文・構成/grape編集部]