脳がとろける『音フェチ動画』　ASMRの世界を覗いてみた！

By - 土屋夏彦　公開：2019-01-17 　更新：2019-06-05

ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。

中高生に大人気！脳がとろける“音フェチ動画”知ってる？

いま中高生を中心に話題を集めている『ASMR』というものをご存知でしょうか？　

女子高生向けの２０１８年度のトレンドワードにも取り上げられている『ASMR』とは、『オートノモス・センサリー・メリディアン・レスポンス（Autonomous Sensory Meridian Response）』の略で、直訳すると『自律感覚絶頂反応』。つまり人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い感覚、ゾクゾク反応のこと。

こうした感覚を味わえる一連の動画のことを『ASMR動画』といって今世界的なブームになっています。

ASMR動画の情報などを発信している『メシウマ（Messi UMA）』さんのサイトによれば、「ASMRという概念が生まれたのは約１０年前、SteadyHealth.comというサイトでとある人物が『Weird Sensation Feels Good（奇妙な感覚が気持ちいい）』というスレッドをたてた」のが始まりだそうです。

ちなみにASMRの読み方としては一般的には『エーエスエムアール』ですが、海外では『アスマー』や『アズマー』と呼ばれることもあるようで、YouTubeなどでASMR動画を投稿するクリエイターは『ASMRist（アスマーリスト）』と呼ばれているそうです。

YouTubeで『ASMR』と検索してみると数々の動画が出てくるのですが、その中でも大人気なのが『耳かき動画』。ASMR界の巨匠『はとむぎさん』の耳かき動画は、４３０万回も再生されています。これを１０分も聞いているとどんどんリラックスして徐々に眠気が襲ってくるそうです。

［ASMR］耳掃除耳かきの音（はとむぎさん）

ほかにも炭酸水をグラスに注ぐ『シュワシュワ』とした音動画や、今やASMR界でも大人気の自称ものまね声優『桜稲垣早希さん』の『アロエベラを食べる音』なんかもおすすめです。早希さんがアロエベラを食べる「シャキシャキ」という音は、イヤフォンで聞くと「あ、あ〜ん」と思わず唸ってしまいます。

［ASMR］炭酸水をしゅわしゅわ、ぶくぶく（はとむぎさん）

【ASMR】巨大アロエベラを食べる音（桜稲垣早希さん）

そう言えば、以前私がラジオでご一緒させてもらっていた乃木坂46の衛藤美彩さんも『ASMR』好きだといっていました。衛藤さんは『咀嚼音フェチ』だそうです。少なからずこうした音フェチ感覚はみなさんの心の中に眠っています。

ちなみに、桜稲垣早希さんの３DIOマイクによる綾波レイのものまねもゾクゾクします。

ほかにも海外などで人気なのは『固形石鹸を彫刻刀で掘る音』、これはASMR Surgeさんの動画が最高！なんと１６７０万回も再生されています。

最近ではASMRを作成するための専用のバイノーラルマイク（耳の形をしているマイク）なども気軽に購入できるようになっているため、今後さらに注目が集まりそうです。

[文・構成／土屋夏彦]

土屋夏彦

上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク（現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社）に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送「ソネットチャンネル749」（現アジアドラマチックTV★So-net）で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。