100ℓの水で100人にシャワーを!災害時に実力を発揮したAIを使ったろ過装置
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ニッポン放送で『タモリのオールナイトニッポン』などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。
台風15号のときも実力発揮!!災害用シャワー・ウォーターボックス
災害時には停電による電話などの通信被害も困りますが、断水などでお風呂に入れなくなるのも困りますよね。
そんな中、水を循環させることで少ない水でシャワーが浴びれる『WOTA BOX(ウオータボックス)』というものが開発されて話題になっています。
開発したのは水循環を用いた次世代の分散型水インフラの研究開発・事業展開を手がけるWOTA株式会社。WOTA社は『誰でもどこでも水の自由を』をミッションに、東京大学大学院の学生らが2014年に設立したスタートアップ企業。
『WOTA BOX』は、なんと『人工知能(AI)』に水をモニタリングさせることで、流れる水の純度を4種類のフィルターを使って、もっとも効率的なろ過方法を自動選択し、一般的に1人10分のシャワーで50ℓの水が必要とされるところ、ウオータボックスでは、100ℓの水で最大100人のシャワー利用が可能となっています。
つまり、通常の50分の1にまで使用する水の利用量を減らすことに成功したそうです。
例えば、100ℓの水さえあれば、100人の人が代わる代わるシャワーを浴びて、シャンプーや石けんで体を洗っても、AIが自動でフィルターを効率よく使ってろ過してくれるので、自動的に再びきれいな水になって循環してくれるというわけです。この自動ろ過された水の水質は通常の水道水以上の純度だそうです。
WOTA社の発表資料によれば、日本赤十字社が被災者を対象に行なったアンケート調査によると、災害時に必要とした支援として、1位:入浴、2位:睡眠、3位:トイレ という結果になっており、災害時の入浴には大きな課題があることが伺えるそうです。また入浴ができないことにより、避難や復興作業で汚れ、汗をかいたままで長期間過ごさねばならない精神的なストレスや健康リスクも大きな懸念となります。
また、災害時、避難所などでの入浴が課題になる理由としては、大量の水の確保が困難であるという点だそうです。避難生活において必要となる1人分の飲料水は約3ℓに対して、入浴には、シャワー50ℓが必要となり、例えば、100人が1週間避難生活を行う場合、入浴環境を提供するためには約35,000ℓ、飲料水の15倍以上の水量が必要になることになるそうです。
そのような背景を受けてWOTA社は、災害が起きてライフラインが途絶えても、 発電機やスマホを使って、生活に必要な機能を回復するのと同様に、 上下水道が断水しても、気持ちいいシャワーを浴びることができれば、避難所生活の苦痛が少しやわらぐのではないか、と考え、被災地の避難所に災害用シャワーパッケージの提供を行なうようになったということです。
2016年4月の熊本地震や昨年発生した平成30年7月豪雨、北海道胆振東部地震など、国内での自然災害発生時には、被災地の避難所に災害用シャワーパッケージの提供を実施。
さらに2019年9月5日に台風15号が東京湾を抜け千葉県に上陸した際は、断水被害に対して、神奈川県鎌倉市、千葉県富津市、鋸南町、多古町からそれぞれ要請を受けて入浴支援を実施。300人以上にシャワー提供したということです。
さらに9月後半には台風15号や西日本豪雨における被害対策の状況を受けて、静岡県藤枝市でも、災害用シャワー『WOTA BOX』の実証実験が始まっています。
今後も全国の自治体などに『WOTA BOX』が広まっていくことは間違いありません。
[文・構成/土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。『三宅裕司のヤングパラダイス』『タモリのオールナイトニッポン』などのディレクターを務める傍ら、『十回クイズ』『恐怖のやっちゃん』『究極の選択』などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 『ソネットチャンネル749』(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ『Livly Island』では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。