アメリカのキックボードは盗まれそうになると自分で叫ぶ「警察呼びますよ!」
公開: 更新:
洗濯機の蓋は開けておく?閉める? 企業の回答に「反省」「逆やってた」洗濯機のお手入れをしていますか。洗濯槽の裏側は見られませんが、しっかりとお手入れしていないとカビが繁殖してしまいます。カビを防ぐ方法を確認して、定期的に洗濯槽の掃除をしましょう。
洗濯は『お湯』がいいって本当? 事実に「マジか」「危ないところだった」洗濯槽のカビ対策にお湯を使いたい時はありませんか。お湯のほうが効果が高そうで…と思うかもしれませんが、実際の効果や適切な湯温について日本電機工業会が公式サイトで解説していました。ぜひ参考にしてみてください。
ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。
レンタルスクーターがしゃべって盗難防止!?
最近アメリカなど海外で市内を移動するのにレンタルサイクルやレンタルキックボードの利用が急増しているのをご存知でしょうか?
サンフランシスコの中心街では、レンタル大手のライム(Lime)を始め、バード(Bird)やスピン(Spin)といったスタートアップ企業が電動式のキックボードのシェアリングサービスを続々とスタートしているんです。
街中には、こうした電動式キックボードがいたるところに乗り捨てられており、どこでも見かけるほどの大人気。
このキックボードに乗りたければ、スマートフォンで専用アプリをダウンロードすれば、自分がいる場所の付近で乗り捨てられている場所が地図に表示されます。なのでその場所に行ってキックボードに付いているQRコードを読み込ませるだけですぐにロックが解除されて乗れるようになるという、超お手軽サービスになっているようです。
あまりにお手軽なため、逆にレンタルの登録をする前にそのまま持っていってしまう盗難も相次いだそうなんですね。
そこでライム(Lime)社は、レンタル料金の支払いを済ませる前にスクーターに触るとピコピコ音がなるとともに「乗る前にアンロックしてください。さもないとと警察呼びますよ!」と大声で叫ぶように設定したそうなんです。
現地レポートによれば、全く警戒もせず利用の承認もしないままスクーターを触ったとたん、1分もたたないうちにその警戒音が鳴り響くとあります。そしてその音はすぐに大量に繰り返され街中をかけめぐるんだそうです。
これにはさすがに、まじめにレンタルしようとしている人も登録する前にちょっとさわっただけで「警察呼びますよ!」と声が出てしまうため苦情が殺到!!
オークランド市議会議員のレベッカ・カプラン(Rebecca Kaplan)氏は、市役所の広場に置かれた叫び続けるスクーターのビデオ映像を見て「ああ神様…」と一言、さらに「こんなことでは、ちょっと触っただけで誰もが警察に苦情の電話をかけてしまいます。本当に恐ろしいことです」と語ったそうです。
さらに「これは迷惑な騒音というより人々に対する脅威です。」とカプラン氏。急遽スクーターを規制する法律を制定し、現在では大きな騒音や脅威を禁止する提案を市に提出することにしたそうです。
ちなみにこの『Lime-S』という電動スクーターですが、公式ページによれば、費用としては、ロックを解除するのに1ドル、そして毎分乗るごとに0.15ドルだそうです。また『Lime-S』に乗るために特別なライセンスは必要ありませんが、電動アシスト自転車の部類となり、サンフランシスコでは運転免許証が必要になるそうです。
またこのサービスが面白いのは、電動スクーターの保守を申し出ると、充電や保管をするたびに1時間あたり30ドル、1泊あたり100ドルを稼ぐことができるように設定されていることです。こうした対応をする人たちのことを『ライムジューサー(Lime Juicer)』と呼ぶんだそうです。いかにもアメリカらしいサービスですね。
最新バージョンでは叫ぶ機能は削除されたそうですが、まだピコピコ音がなるキックボードは残っているのでご注意を!
ただあまりの人気で、『ライムジューサー』のサポートもまだまだ足りず、街のいたるところにキックボードが乗り捨てられて散乱し始めているというのも問題になりつつあるそうで、今後の対策に注目が集まっています。
日本ではまだ公道を走ることができない電動キックボードですが、こうしたサービスが日本に上陸したあかつきには、盗難など起きず、サッカースタジアムをきちんとゴミ拾いをして帰るサポーターのように、マナーを守って楽しく使えるようになってほしいものです。
[文・構成 土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。