ホリエモンもひと安心、日本初の民間ロケットが宇宙空間に到達!
公開: 更新:
ダイコンは「すりおろしません」 裏技に「コレすごい」「なめらかだ」大量のダイコンおろしを作ると、腕や指が痛くなってしまいがち。そのため作るのが面倒だと感じる人も多いでしょう。『おろし金でおろす』方法以外で、ふんわりなめらかなダイコンおろしを大量に作れる方法を紹介します。
ラップが料理に溶けたら、食べても大丈夫? 旭化成の回答に「そうだったのか」料理にラップをかけてレンジ加熱した際に、ラップが溶けてしまったことはないでしょうか。この場合、料理に影響はないのか気になりますよね。『サランラップ®』を販売する、旭化成ホームプロダクツ株式会社(以下、旭化成ホー...
ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。
日本初の民間ロケットが宇宙空間に到達!!
3度に渡って打ち上げを延期してきた『ホリエモンロケット』こと日本初の民間ロケット『MOMO(モモ)3号』(正式名称:『宇宙品質にシフト MOMO 3号機』)が5月4日午前5時45分ころ、ついに打ち上げに成功し、高度100キロ以上の宇宙空間に到達しました。民間企業が単独で開発・製造したロケットとしては初となります。日本もいよいよ宇宙事業に民間が乗り出してまいりました。
打ち上げられたのは、全長約10メートル、直径50センチ、重さ約1トンのエタノールと液体酸素を燃料に使う1段式の液体燃料ロケットで、堀江貴文さんらが出資していることで知られる宇宙ベンチャーのインターステラテクノロジズ(IST)が、北海道大樹町(たいきちょう)にある民間発射場から打ち上げました。ロケットは発射して約5分後に高度約110キロ(宇宙空間)へ到達したのち、約10分後に太平洋に落下し着水したことが確認されたそうです。
今回のロケットは、あくまで宇宙到達後、落下する際に、ロケットの内部が微小な重力環境になることを利用した宇宙実験や、ロケットや衛星に積む新しい装置の試験などを目的とした『観測ロケット』と呼ばれるものですが、小さいロケットながらアメリカではすでにビジネスとして成り立っている事業だそうです。
ちなみに今回の『MOMO3号』にも、高知工科大学が開発した研究用機器のほか、神奈川を中心に飲食業を営む『グローズバル』が自社の『とろけるハンバーグ』を搭載して、宇宙空間がハンバーグにどんな影響を及ぼすかを観測しました。
今回の打ち上げ成功で今後、MOMOのような観測ロケットの量産化や、100kgの衛星を高度500kmの軌道に打ち上げることができる、超小型ロケット『ZERO』の開発が大きく前進するとのことです。
ちなみに今回のインターステラ社が発射させたロケット発射場は、北海道の十勝にある大樹町(たいきちょう)。ここは『宇宙のまちづくり』を標ぼうして、宇宙産業の誘致を35年前から進めてきた場所。ロケットの打ち上げには多額のコストや複雑な行政手続きが必要になるそうで、地元の銀行や企業などが複数協力しあってこれまでやってきたそうです。
今回の成功を受けて7日に十勝総合振興局に航空宇宙事業の相談室を立ち上げ、ロケットへ部品提供できる企業の参加要請などをさらに強化。大樹町の酒森正人町長は4日の打ち上げ後の記者会見で『ゼロを打ち上げられるよう発射場の整備を進める。北海道内外の企業と協力し、国の支援を得ていく』と前向きな姿勢を強調しました。
そんな宇宙事業に名乗りを上げている日本の地域ではほかにも、以前にgrapeで取り上げたことがある和歌山・串本があります。
学生がAIを設計し、民間企業がロケットの発射場を建設!? 民間の力に驚いた
ロケット発射場を作るには、安全上の理由などから、ロケットの打ち上げには、南東方向に陸地や島がないことや、発射予定地点から1㎞以内が無人、そして赤道に近く、ロケットに積まれた衛星を軌道に乗せるのに有利な場所というシビアな条件があります。
そんな中、2年前くらいから県民からの意見で「1㎞圏内が無人であって、南や東に『打てる』場所といえば、全国を探しても串本町しかない!」という声があがっていたそうで、町民からの声がきっかけでロケット発射場を串本町田原地区に建設することが決まり、2021年ころからは年間20機ほどのロケットを打ち上げることで町おこしをしていくということです。
日本各地から民間ロケットが宇宙に飛び立つ時代も、もうすぐそこに来ているのかもしれません。
[文・構成/土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。