16分間も水の中に潜るトカゲを発見!その秘密はスキューバタンク方式?
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ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。
え、トカゲが16分も潜れたって!?
普段地上で息をしている動物にとって、魚のように水の中に長くいるには、それ相応のトレーニングが必要ですよね。人類最長の潜水時間ギネス記録で22分という信じがたい記録もあるようです。そんな中「天敵から身を守るために最長16分も潜り続けられる『トカゲ』を発見した」と、ニューヨーク州立大のリンゼイ・スウィアーク博士が発表しました。
博士は、自身のブログによれば、ビンガムトン大学で、特に絶滅危惧種など生態系が壊れて少なくなりつつある動物を中心に『配偶者の選択と競争の原因と結果を特定する研究』をされている、動物の行動生態学者だそうです。
博士は2015年からで、『ウォーターアノール(Anolis aquaticus)』と呼ばれるトカゲが、小さなスキューバダイバーであるかもしれないという証拠を蓄積するための観察を続けてきました。
『ウォーターアノール』は、中米のパナマやコスタリカの河川に生息し、体長約5~7センチくらいのトカゲの一種です。通常陸地で生活しているトカゲにもかかわらず、ある時16分も完全に潜ったままであることに気付き、この奇妙な行動を調べることを決心しました。
どうやって川の中に長時間身を隠していられるのか?エラ呼吸するわけでもなく、どうやって水に長く潜っていられるのか。
観察したところ、なんと、水中に潜った後、地上で吸っておいた空気を鼻からゆっくり顔から頭部の周りに出して気泡の状態にして、少しするとまたそれを吸い込むんだそうです。これが呼吸となって16分も潜ったままでいられる様子が確認されました。この様子を博士は「トカゲが水中で呼吸するための一種のスキューバタンク方式を編み出した」と話しています。
博士によれば、いくつかの空気ポケットが足首の頭とのどのまわりに、まるで空気タンクがあるかのように閉じ込められていることが認められたそうです。そして空気タンクから吸って、そのあと吐いた空気がポケットに戻るあいだに少しではあるが新鮮な空気と『交換』されていることが観察されたというのです。もしかするとそれは(吐いた空気から)CO2を除去するための行為なのではないかともいっています。
さらに、頭の先端が大きな空気の泡がくっつきやすい形状になっているのは、天敵から逃れるためにそのように進化したと考えられるんだそうです。でもまだなぜそれで呼吸できているのかの詳しい解明はできていないということで、これからさらなる解明に向けて研究は続けられます。
ところで、こんな不思議な現象でなくても、クジラやアシカ、ゾウアザラシなどの海生哺乳類や水生哺乳類の多くは、長時間潜水できるのをご存じでしょうか。
その秘密は、酸素と結合する『ミオグロビン』というタンパク質の一種が筋肉中にほかの生物よりも何十倍も豊富に含まれており、これがより多くの酸素を体内に貯蔵することを可能にし、水中で使うことを可能にしているのだということです。これは何百万年もかけて進化させてきた海生哺乳類や水生哺乳類の特技なのだそうです。
このトカゲや海生哺乳類などの潜水方法から、将来ヒトが潜水する時に役立つ新しいしくみが見つかるかもしれません。自然から我々がまだ学べることはたくさんありそうです。
[文・構成/土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。