「飲んだら触るな!」 ドローンの『酒気帯び操縦』も法整備の検討へ
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ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。
飲むなら触るな!ドローンの酒気帯び操縦が禁止に!!
小型無人機のドローンで撮影した映像は、今やTVで観ない日はありません。しかし、利用者の法整備はまだ始まったばかりのようです。
最近はJALパイロットの『飲酒による逮捕』や、他の航空会社でも搭乗時のアルコール検査が不十分なことが発覚したりと、酒気帯びの飛行操縦に注目が集まっていますが、なんとドローンの操縦についても『酒気帯び操縦』についての法整備を準備していこうとなっていることが、1月22日に国土交通省から明らかになりました。
ドローンの規制は、2015年(平成27年)に首相官邸の屋上でドローンが見つかった事件を受け、住宅密集地や空港周辺など飛行禁止区域を設け、『これらの場所で飛ばすには国土交通省への許可や承認が必要である』ということが、改正航空法(平成27年法律第67号)として初めて盛り込まれました。
この事件を皮切りに、2015年から2017年までのドローン墜落事故件数は106件。昨年度(2017年)は63件、今年度(平成30年)は現時点(2019年1月末)ですでに43件(国土交通省サイトより)となり3年間で起きた数が、この2年の途中で同数に達しています。
ドローンによる主な事故を振り返ってみると、神奈川県藤沢市の建築現場で2017年2月に小型無人機ドローンが墜落し、ぶつかった作業員が顔面に大怪我を負いました。この事件は、ドローンの飛行中に電波障害が起き、自動で離陸地点に戻る機能が作動した際にクレーンにドローンが衝突。下にいた作業員に墜落しました。この事件は、日本初のドローンによる人身事故となりました。
2017年11月4日には、大垣観光協会主催のイベントにおいて、飛行中のドローンでお菓子をまくイベントの途中で、機体が突然傾き観客へ落下。男女6人が救急搬送される事件も起きています。この時はプロペラ部分の不具合が原因で、それを操縦する男性が点検を怠り、不具合を見逃したことで墜落に繋がったとの判断から、業務上過失傷害などの罪に問われることとなりました。
ほかにも2017年10月5日に伊丹空港内部にドローンらしき物が確認されたということで、JAL機が着陸を一度とりやめ、再度やりなおしをしていたという、あわやドローンと旅客機のニアミスとなりかねない事件も発生。
航空機とドローンの衝突については、その恐ろしさを映し出したテスト映像が2018年に公開され、話題になりました。その映像は、静止しているプロペラ機を模した機体に向けて、空気砲を使って時速238マイル(同約383km)で機体にぶつけるというこちらの映像。
ドローンはプロペラ機の主翼に正面から衝突すると、まるでチョコレートムースにスプーンを刺した時のようにその内部に食い込むのです。こうした事故はあってはならないと改めて誰もが認識させられる映像となっています。
こうした数々のドローンによる事故が相次ぐ中、日本では飲酒による事故はまだ確認されていないものの、このうえ酒気帯びでドローン操縦をするようなことが起きればさらに大事故が増すということを懸念して、国土交通省もドローンの『酒気帯び操縦』について法整備をしていこうと考えることになったようです。
ちなみにアメリカのニュージャージー州ではすでに2018年1月に、酔っ払った状態でのドローン(小型無人機)の操縦を禁止する法律が施行されています。ニュージャージー州では、アルコールの影響下や麻薬効果、幻覚誘発効果、習慣性のある医薬品の影響下にある状態、または血中アルコール濃度が0.08%以上でドローンを操縦することが違法で、違反した場合は最高で禁錮6月、罰金1000ドル(約11万円)が科せられるそうです。
自転車でも酒気帯び運転すると5年以下の懲役または100万円以下の罰金となりますし、この時自転車を貸した人も罰則の対象となることから、ドローンの酒気帯び操縦も、ドローンを貸した人も対象になりそうですね。
[文・構成/土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。