『世界で最も稼ぐYouTuber』が日本の台風被災地へ１千万円を寄付した理由

By - 土屋夏彦　公開：2019-11-06 　更新：2019-11-06

ニッポン放送で『タモリのオールナイトニッポン』などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。

世界で活躍するキッズYouTuber”ライアンくん”が台風19号被災地に1千万円寄付！！

台風１９号の被災地を支援しようと、１千万円を日本財団へ寄付したアメリカの子供がいるのをご存知でしょうか。

その子供はアメリカ在住のライアン・カジ（Ryan Kaji）くん８歳。何を隠そう、YouTubeチャンネルで『Ryan’s World』で、累計チャンネル登録者数３１４４万人（２０１９年１０月現在）以上の登録者を持つ超人気子供YouTuberです。

日本人のお父さんとベトナム人のお母さんをもつライアンくんですが、ちょうど台風１９号が日本列島を襲った時にお父さんのシオンさんが東京に出張していたことがきっかけで、家族で台風の影響を直に感じたということです。

被災された地域の子供達のことを考え、何か自分たちのできることでサポートがしたいと思って日本財団への寄付を決めたのだそうです。

ちなみに『Ryan’s World』はもともと『Ryan ToysReview』という名称で、ライアンくんの好きなオモチャのレビューを中心に、科学実験や寸劇、家族のチャレンジ動画など、様々な教育動画を配信するYouTubeチャンネルです。

２０１８年（昨年度）のYouTubeで得た年収は推定約２２０万ドル＝２５億円と言われ『世界でもっとも稼ぐYouTuber』としてフォーブス誌でも取り上げられました。

台風１９号では１０月１２日、記録的な大雨とそれに伴う河川の決壊のために、関東地方や甲信地方、東北地方などで甚大な被害をもたらしましたが、ライアンくんのほかにも寄付をした有名人がいます。

そのうちの一人はX JAPANのYOSHIKIさんで、自身の運営する、米国非営利公益法人501(c)(3) 『YOSHIKI FOUNDATION AMERICA』を通じ、日本赤十字社に対し１０００万円を寄付したことを発表。YOSHIKIさんは、９月の台風１５号発生時にも１０００万円を故郷の千葉県など被災地に寄付していました。

今回の寄付にあたっては「今回は、日本でコンサートとファッションショーがあり、ほぼ台風と同じ時期に来日しました。そして、台風の猛威を目の当たりにしました。自分自身のレコーディングとリハーサルなどに支障が出てしまいましたが、TVで報道される被害に遭われた方々の苦労のほうがずっと大変だと感じ、涙が出てきました。少しでも力になれればと思い、寄付をさせていただきました」とコメントを残しています。

また、YouTuberのHIKAKINさんも１０月１３日、自身のYouTubeチャンネル『HIKAKIN TV』を更新し、台風１９号によって甚大な被害が出た地域への募金を呼びかけました。

彼はこの動画の中で

「台風１９号の直撃から一夜明けて、各地の被害が深刻であるということが分かってきました。街が信じられないくらい浸水していたり、水が引いても泥まみれだったり、中には家が壊れて住めなくなってしまったり、犠牲者、行方不明者も増えてきているということです。亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします」

「自分にもいますぐ何かできることはないかと考えた時に、いまの僕が世の中のために一番力になれることは、僕の動画やSNSの拡散力を使って、被害の現状を知っていただくことや、簡単に募金ができるネット募金の方法を拡散することだと思った。」

と語った上で、Yahoo！基金『令和元年台風１９号緊急災害支援募金』から簡単に募金ができることを紹介。自らも１００万円を寄付しました。

被災された方々のために何か出来ないかを誰もが考える時にきています。

[文・構成／土屋夏彦]

土屋夏彦

上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。『三宅裕司のヤングパラダイス』『タモリのオールナイトニッポン』などのディレクターを務める傍ら、『十回クイズ』『恐怖のやっちゃん』『究極の選択』などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク（現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社）に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送『ソネットチャンネル749』（現アジアドラマチックTV★So-net）で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ『Livly Island』では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。