もし“ヒートショック”が起こったら…? 政府が呼びかける『5つの手順』【入浴中の事故】
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撮影:grape編集部

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より一層寒さが厳しくなってきた、2025年12月下旬現在。
気温の低い季節に気をつけるべきことの1つに、『ヒートショック』があります。
入浴中の事故を防ぐために
入浴の際、特に注意が必要なヒートショック。
暖かい部屋から寒い浴室へ移動するなどの急激な温度差によって、血圧が大きく変動します。その結果、意識障害などを引き起こし、重大な事故につながるおそれがあるのです。
厚生労働省の『人口動態統計』によると、高齢者の入浴事故死は、交通事故での死亡者数を上回るのだとか。
高齢者や血圧が不安定な人、風呂場でめまいや立ちくらみを起こしたことがある人は特に注意しましょう。
なお、入浴中の事故は、持病や前兆がない場合でも起こる可能性があるとされており、誰にとっても他人事ではありません。
事故を防ぐため、内閣府大臣官房政府広報室は、ウェブサイト『政府広報オンライン』で、次のような対策を呼びかけています。
1.入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく
2.湯温は41度以下、お湯につかる時間は10分までを目安にする
3.浴槽から急に立ち上がらない
4.食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける
5.お風呂に入る前に、同居する家族に一声かける
6.家族は入浴中の高齢者の動向に注意する
撮影:grape編集部
もし家族がお風呂で倒れていたら?
対策をしていても、事故の可能性をゼロにすることは難しいかもしれません。
もし、家族がお風呂で倒れていたり、ぐったりしたりしている様子を見つけた場合、適切な対応が命を守ることにつながるでしょう。
『政府広報オンライン』では、浴槽で倒れている人を見つけた際の応急手当について、次のような手順を紹介しています。
1.浴槽の栓を抜く。大声で助けを呼び、人を集める
2.入浴者を浴槽から出せるようであれば救出する。出せないときは、蓋に上半身をのせるなどして沈まないようにする
3.直ちに救急車を要請する
4.浴槽から出せた場合は、両肩をたたきながら声を掛け、反応があるか確認する。反応がない場合は呼吸を確認する
5.呼吸がない場合には胸骨圧迫を開始し、救急車の到着まで続ける。人工呼吸ができるようであれば、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返す
自治体の取り組み 久留米市では『お風呂のあいことば』
ヒートショックについて、各自治体でもさまざまな呼びかけがされています。
福岡県久留米市では、『お風呂のあいことば』として「おふろはたのしい」という言葉に合わせた、あいうえお作文形式で注意点を紹介しているそうです。
・『お』:お風呂の温度は41℃以下
・『ふ』:冬場は浴室・脱衣所 温めて
・『ろ』:60歳過ぎたら要注意
・『は』:入る前には一言かけて 入った後には水分補給
・『た』:立ち上がる時はゆっくりと
・『の』:のぼせる前に上がりましょう
・『し』:食後・薬服用後は時間を空けて
・『い』:飲酒後の入浴は避けて
お風呂に入る際には、「おふろはたのしい」を思い出してみてもいいでしょう。
衛生面や健康維持のために、入浴は日常生活に欠かせないもの。しかし、冬場は特に、身体への影響を考慮した入浴が求められます。
年末年始を安心して過ごすためにも、家族みんなで声をかけ合い、注意を払いながら入浴するよう心がけたいですね。
[文・構成/grape編集部]