列車の窓に観光案内が!? 風景に合わせてリアルタイムで表示する様子に夢が膨らむ
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ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。
旅の満足度がアップ!列車の窓にAR(拡張現実)観光情報!?
九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)と株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は2019年1月25日、AR(拡張現実)技術を活用し、列車の窓に後ろの風景に合わせた観光情報をリアルタイムで表示するなど、『窓』を新たな情報表示プラットフォームとして活用する新体感の列車内観光サービスを開発することで合意したと発表しました。
実現すれば日本初のAR観光情報となるそうです。ARとは、メガネやゴーグルを通して、リアルな場所や場面に、架空の映像や物体を投影する技術のこと。先日も私の住んでいる町の通りに、なぜかスマホを持った人が大量にいるので、なにかと思ったら『ポケモンGO』のレアな『ポケモンの巣』が出現したということだったようです。
『ポケモンGO』はスマホを通じてリアルな場所にバーチャルなポケモンが出現するARゲームですが、今回の『列車の位置情報に合わせた観光情報を窓に投影するサービス』もまさに『ポケモンGO』のようなサービスになるわけです。
紹介動画によれば、まず窓に投影された映像に対し、窓をタップすることでさまざまに変化させることが可能です。例えば路線図が窓に表示された際に目的地を入力すれば、そこから旅のARガイドがスタート。観光スポットに近づくと見どころや歴史などの情報を紹介してくれます。
おすすめの景色の場所では、シャッターチャンスをお知らせしてくれます。万が一天気が悪くても、天気が良ければ見えるであろう景色を窓いっぱいに表示してくれます。さらに降車後にも役立つ情報を紹介してくれて、それを自分のスマートフォンで受けることもできます。もちろん降りる駅が近づいて来ると知らせてくれるそうです。
遠くに風景が透き通って見える状態で、窓ガラスに場所や風景に合わせた観光情報をリアルタイムに表示し、さらにはタッチや声などの操作で必要な情報をインタラクティブに提供することで、お客さまの鉄道旅行の満足度を向上させるのが狙いとのことです。
実は、ARやVRなどのIT技術を活用するサービスへの取組は、JRのほかにも電鉄各社でさまざまな情報テクノロジーを活用し、取組を研究中。
小田急電鉄株式会社は、新型ロマンスカーGSEの眺めや車内を、VRで体感できるコーナーを新宿駅構内設置して話題になりました。また東急電鉄は、AIを活用してホームからの転落自動検知システムを導入するなどAIやIoTといった最先端テクノロジーを活用した新たなサービスの検証を始めています。
さらに海外では、イギリスとヨーロッパ大陸を結ぶ国際列車『ユーロスター』で、2017年から英仏海峡トンネルを通過する際に海中を泳ぐ魚の様子を見られるように『Eurostar Odyssey』というVR動画を提供。ヘッドセットをつけることで、VR空間内で海中に潜り、海中に潜む様々な生物や財宝、ミステリアスな海中風景を楽しむことができるそうです。
JR九州とNTTドコモの『列車の窓』情報サービスは、2020年のサービス実用化を目標としています。2019年春からは、肥薩線人吉駅~吉松駅区間を走行するD&S列車『いさぶろう・しんぺい』の車内において、まずはタブレット端末を貸し出して、列車の走行位置に応じたAR観光情報をタブレット端末上で提供する実証実験を始めるそうです。
日本全国の列車の窓ガラスにAR動画が表示されるようになる日も、そう遠くないかもしれませんね。
[文・構成/土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。