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スニーカーの偽物対策にまで利用 ブロックチェーンは身近な技術に

By - grape編集部  公開:  更新:

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※ 写真はイメージ

ニッポン放送で『タモリのオールナイトニッポン』などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。

ブロックチェーンを使って安全にスニーカーを転売できるサービスがお目見え!!

いまや空前のスニーカーブームなのを知ってますか?

特に高級スニーカーや限定スニーカーなどの転売市場が加熱化していて、2025年までになんと世界市場で60億ドル(約6500億円)に達すると予測(コーエン・アンド・カンパニー調べ)。古美術などのアート市場全体で7兆円といわれていてその10分の1にも匹敵。(日本の即席麺市場が約6000億円)

今年の7月には有名オークションでカナダの投資家がレアスニーカー100足を120万ドル(1億2000万円)で競り落とし、投資家いわく、今のスニーカーは昔のクラッシックカーに匹敵する価値があるそうです。

ただ、通常趣味でスニーカーを集めている人にとっては、オンラインオークションでの売買がほとんど。ところがこれがニセモノか本物かがいまいち分からず、ニセモノを掴ませられることも多々あるということなんです。

そこで登場したのがスニーカー専門の転売サイト。アメリカの『StockX』は鑑定士の鑑定結果がついているなど、品質を保証したことで大ヒット。

日本でも今年5月に『モノカブ』がスタートして専門の鑑定士の鑑定書をつけるようになりました。さらにスニーカー熱が加速するなか、こうした鑑定情報にブロックチェーン技術を活用したスニーカー売買サイト『KCKC(キクシー)』が先日スマホアプリを公開(iPhoneのみ)して話題になっています。

『KCKC』は、スニーカーの鑑定情報をブロックチェーンに関連付けることで、改ざんや偽装をほぼゼロにすることに成功。安全に正規品を売買することができるようにしました。

発表資料によれば、KCKCではユーザー間の売買が成立した後、KCKCを経由するスニーカーが全て正規品であることを証明するために、非破壊方式検査により様々なポイントから、商品だけではなく箱やタグ・紐などの付属品の鑑定を実施。

そこで取得した個体情報をブロックチェーンネットワークに関連付けし、そのデータをRFIDタグ(Suicaなどのフェリカのようなもの)に書き込んで商品に取り付けて購入者に発送。RFIDタグが正規品(ニセモノではない)ことの証明書・鑑定書として永遠に商品に付属することで、その後の売買でも正しい取引ができることになります。

ちなみにこのタグへのデータ化は現在KCKCを運営する株式会社シティーデジタルとハヤト・インフォメーション社と共同で特許出願中になっているそうです。

KCKCを運営する株式会社シティーデジタルは『テクノロジー×アイディアで、世界を変える』をスローガンに2018年7月に創業。

代表取締役CEOの杉野寛樹氏は2010年3月に慶應義塾大学法学部を卒業後、広告代理店、海外転勤、外資系戦略コンサルファームを経て、株式会社シティーデジタルを創業。大学時代は体育会水泳部に所属し、主将も務めた4年の時には、メンバーに支えられながら40kmの遠泳完泳・日本泳法大会優勝。

この時の経験から「出来ると思えば、出来る」という気持ちが芽生えたとあります。外国語にも堪能で、英語のほかロシア語やベトナム語も日常会話レベル。

ちなみにクラウドファンディングサイト『GREEN FUNDING』を立ち上げ運営されている株式会社ワンモア代表取締役CEOの沼田健彦氏は杉野氏の広告会社時代の仲間で、今回のKCKC事業の賛同者(投資者)にもなっています。

この独自技術は今後オープン化して広くフリマサービスでも活用できるようにしていくとともに、スニーカーに限らず、古美術品や絵画、クラッシクカーなどの売買にも活用できるようにしたいということです。ブロックチェーンってこんなところに使うことができるんですね。


[文・構成/土屋夏彦]

土屋夏彦

上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。『三宅裕司のヤングパラダイス』『タモリのオールナイトニッポン』などのディレクターを務める傍ら、『十回クイズ』『恐怖のやっちゃん』『究極の選択』などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 『ソネットチャンネル749』(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ『Livly Island』では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。

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