ISSが2020年から民間人受け入れへ 気になる費用の実態
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- 出典
- NASA プレスリリース






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キミも行ける!?国際宇宙ステーションが2020年から民間人を受け入れ
NASAは6月7日、国際宇宙ステーション(以下、ISS)への『民間人』の受け入れを、早ければ2020年から始めると発表しました。
NASAは2024年までに最初の女性と次の男性を月面に着陸させるという目標に全速力で焦点を合わせていますが、これを実現させるためには、ISSのサポートを終了することも視野に入れていかなければなりません。そのため、ISSの民間ビジネス化が急務であるというわけです。
すでに50社以上がISSで商業活動を展開中
NASAの発表によれば、すでに50以上の企業が国際宇宙ステーションを支える米国国立研究所を介して、宇宙ステーションでの商業的な研究開発を行っているそうです。
さらに、NASAは11の異なる会社と協力して、NASAとISS内にある『ISS National Lab』における研究開発プロジェクトを支援する14の商業施設をISSに設置したということです。
ISSが単なる国家プロジェクトの場から、民間企業が実際にビジネスを動かす舞台へと変わりつつあるわけです。
※ 写真はイメージ
民間人がISSに滞在するまでの流れ
今後、民間企業や個人がISSを活用してみたいと思ったら、ISSの利用目的と活動期間などをまずNASAに申請します。
ISSの内部にある『ISS National Lab』の利用は、あくまで目的は研究開発に限られていますが、研究成果については商業用の製造が可能になり、NASAと民間宇宙飛行士の両方が滞在するラボで新しい商業活動が生まれることになるということです。
こうして申請が受理されれば、宇宙飛行士の訓練などはNASAが請け負い、輸送機関は米スペースX社やボーイング社などの民間ロケットを利用し、晴れてISSへと向かうことができるようになるということです。
訓練から輸送まで、民間人でも既存の仕組みをそのまま活用できる点は、宇宙ビジネスの裾野が広がりつつあることを示しているといえるでしょう。
ISSでは、研究者となる民間宇宙飛行士にはNASAの乗務員と同じ宿泊施設が提供されるだけでなく、民間独自の研究開発はもちろんのこと、NASAがこれまで研究してきた宇宙空間における人間の研究、生物学および物理化学の研究、技術のデモンストレーションおよび主催する科学機器の活用などあらゆるデータが提供されるとのことです。
NASAが長年蓄積してきた研究データを民間の研究者が活用できるとなれば、これまでにない新しい発見や製品開発につながる可能性もありそうですね。
※ 写真はイメージ
滞在は約1か月・年間2名まで。気になる費用は?
そしてISSには約1か月滞在することができ、年間最大2名程度の民間宇宙飛行士を受け入れる予定ということです。
受け入れ枠が年間2名と限られているため、実際に滞在できる民間人はごく少数に絞られるかたちになりますね。
肝心の費用ですが、ISSへの往復の費用がおよそ5200万ドル(約56億円)で、ISSへの滞在費は1日あたり3万5000ドル(約380万円)。これまでNASAが公表していた往復費用5800万ドル(約63億円)よりは低価格だと強調しているとか・・・。
約1か月の滞在を想定すると、滞在費だけでも総額は10億円を超える計算になるようです。往復費用と合わせれば、現時点では超富裕層や大企業でなければ現実的ではない水準といえそうです。
民間宇宙旅行の動きはすでに加速している
ところで宇宙ビジネスといえば、アメリカの民間宇宙企業『スペース・アドベンチャーズ社』はすでに2021年にソユーズ宇宙船で2名の民間宇宙飛行士をISSに短期滞在する契約を結んでいることもすでに報道されています。また、日本でも元電通社員の高松聡さんがスペース・アドベンチャーズと契約を結んで、2019年(年内)に宇宙空間に出る予定です。
※ 写真はイメージ
またZOZOTOWNの前澤友作さんがスペースX社と契約して2023年に出発予定という話題も記憶に新しく、前澤さんは、先日の発表では自分のほかに8人ほどのアーティストを招待すると話していたので、費用の総額は800億円にものぼるとか。それでもこれらの宇宙旅行については、あくまでロケットで宇宙空間に出て再び地球に戻るということで、国際宇宙ステーションへの滞在はありません。
ロケットで宇宙空間に出るだけでも前代未聞の体験ですが、ISSに実際に滞在して研究活動まで行えるとなると、宇宙旅行とは一線を画した「宇宙での仕事」に踏み込む話になってきます。今回のNASAの発表が特別な意味を持つのは、まさにその点です。
今回の発表がいかに注目かおわかりになったでしょうか。今後もNASAの動きに目が離せません。
[文・構成/土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。