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「選手の心を動かす」 小出義雄さんの訃報に、元教え子らが追悼のコメント

By - grape編集部  公開:  更新:

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2019年4月24日、陸上の名指導者・小出義雄さんの訃報が伝えられました。

有森裕子さん、高橋尚子さん、千葉真子さんら多くの女子メダリストを指導・育成してきた小出さん。

確かな指導力と、画面越しでも伝わってくる豪快な性格は、お茶の間の人気も博しました。

恩師である小出さんの訃報に、女子マラソン界から追悼のコメントが続々と寄せられています。

有森裕子さん

小出さんの訃報が伝えられた4月24日に、東京都内で取材に応じたバルセロナ五輪・女子マラソン銀メダリストの有森裕子さん。

取材の中で、小出さんとの思い出を振り返っています。

「最初にお会いしたのは、私が全く鳴かず飛ばずの時。その時、ニコニコ話を聞いてくれた姿から、リクルートに入って全然走れない私に練習メニューを一生懸命考えてくれた姿…。(言葉に詰まり)けんかもしょっちゅうしましたけど、手のかかるアスリートに困っていた監督の顔がよく浮かびます」

産経新聞 ーより引用

また、いまも覚えている小出さんの言葉を問われた有森さんは、しばし言葉を詰まらせながら、こう答えました。

「私は本当に故障が多かった。その時、『物事には“せっかく”というのがある。物事には意味がないものはない。どんなことが起きても“せっかく”って思え』って言われたことは、監督からの一番の言葉だったと思う。ちゃんと向き合って下さる方だったし、本当に感謝しかない」

産経新聞 ーより引用

高橋尚子さん

シドニー五輪の女子マラソンにおいて、当時、日本勢初となる金メダルに輝いた高橋尚子さんは、所属するマネジメント会社を通じてコメントを発表。

産経新聞では、現役時代の高橋さんのエピソードにも触れています。

高橋さんは、大阪学院大時代は全国的にそれほど知られた存在ではなかったが、小出さんが監督をしていたリクルート入社を直談判し、門下に入った。そこから世界一に上り詰め「根気よく指導してくださって、一緒に走ってくださって、大切な時間を費やしてくださって、ありがとうございますと何度言っても伝えきれないほど感謝の気持ちでいっぱい」と思いを表現した。

産経新聞 ーより引用

また高橋さんは「今の自分があるのも小出監督のおかげ」とも語り、恩師への感謝を語りました。

千葉真子さん

アトランタ五輪・女子陸上10000m競走で5位に入賞。同年に開催された世界陸上競技選手権大会では、異種目で複数のメダルを獲得した千葉真子さんも、ブログで小出さんの死を偲びました。

思い返せば…陸上だけでなく、『人生』というのも教えて下さった監督でした。

どうせ苦しい事をやるのだから出来るだけ明るく楽しく頑張ろう!といつも太陽のように選手を照らして下さっていました。

そして、苦しい練習も「ちばちゃん一緒に頑張ろうな!」と、ポンと肩を叩いて選手に目線を合わせて下さっていた様に、選手の心を動かすコミュニケーション能力が小出マジックと言われた所以だと思います。

千葉真子オフィシャルブログ ーより引用

アスリートとしての生きかただけでなく、相手の『人生』そのものにも影響を与えてきた小出さん。寄せられているコメントを見ると、いかに選手たちから慕われ、尊敬されていたかが伝わります。

指導者としてはもちろん、人柄も魅力的だった小出さんのご冥福をお祈りいたします。


[文・構成/grape編集部]

出典
産経新聞千葉真子オフィシャルブログ

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