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【持続可能な恋ですか? 第7話 感想】杏花と晴太、結婚願望のない2人が決めたルール

By - grape編集部  公開:  更新:

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Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。

2022年4月スタートのテレビドラマ『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。

忙しない日常の中で、ただ今を感じる時間を過ごせることは少ない。変わらない毎日の繰り返し、そこに何の意味も見出せず、自分にも周りにも不誠実とさえ感じる時がある。

偶然、杏花(上野樹里)と林太郎(松重豊)が、それぞれがデートに出かけることになった第7話では、そんな『今やかけがえのない時間』が描かれる。

杏花と晴太が決めたルール

キャンプから帰った夜、沢田宅から出て行ってしまった颯(磯村勇斗)を皆心配していたが、颯は商談のためフランスに来ていた。

キャンプの朝、同じテントから出てきた杏花と晴太(田中圭)を見たときの切なげな表情はもう颯にはなかった。

失恋した男は旅に出る…のジンクスは破られたのだ。

「俺も何事も諦めが悪いからね」

そう、強気な顔で語る颯。

『家族になってしまった』杏花への初恋はまだ諦めるつもりはない。

まだまだ杏花をめぐる三角関係のバトルは終わっていなかった。

そんな中、杏花の独立の意思を認めてくれたヴァネッサ(柚希礼音)に誘われて友人のコンサルタントに会うが、それは晴太の元妻・安奈(瀧内公美)だった。

相談の中で結婚の話題になるが、杏花の「結婚を前提としないお付き合い」に共感した安奈は、「『子どもを傷つけない』というルールをお互いに守るならば、離婚後も協力したい」と語る。

この安奈の話から、杏花は晴太との交際ルールを決めることにする。

晴太は虹朗(鈴木楽)ファーストで、杏花は仕事ファースト。そして晴太からは、結婚したくなったら、その時はこの交際は終わりにするというルールを提案される。

結婚願望のない二人が、お互いの幸せを持続させるための条件だ。

結婚を考えてしまったら、今まで通りにはいかなくなる。

この結婚を前提としない交際ルールが、タイトルでもある『持続可能な恋』の鍵となっていくことを予感させる。

明里の中で変化していく、林太郎の存在

一方、明里(井川遥)からの留守電の録音を聞いていた林太郎の元に、明里から「お願いの儀 デートをして頂けませぬか」という内容のメールが届く。

「拙者は…」とでも言い出しそうくらい、固すぎる文章を不思議に思いつつ、好きな人からのデートの練習のお誘いに慌てふためき、明里からの留守電の録音を垂れ流すなどウブな反応を見せる。

そして林太郎が初デート場所に選んだのは書道展。

明里に楽しんでもらうため、共通の話題となる『骨』を日本語の中に必死に探したのだろう…林太郎は甲骨文字を力説する。

そんな我を忘れて楽しむ林太郎を見て、明里は笑顔を浮かべる。

明里は婚活に行き詰まっていた。お見合い相手と会っても楽しくないし、お見合いの知らせも面倒臭かった。

だが、どうしようもない悩みや相談を真剣に聞いてくれて、今の自分にぴったりな答えを導いてくれる、好きなことで無邪気に笑う…そんな林太郎といる時間だけは何より楽しいのだ。

明里が結婚のコツを聞いた時も、林太郎はコツの由来となる骨に関連させて答えてくれる。

「(自分は)一番長く付き合わなきゃいけない相手ですから、自分に嫌われるようなことをせず、誠実にいたい」

何より日本語を大切にしている林太郎から出る言葉だからこそ、明里の中に広がっていくのだ。

林太郎の真剣さと時折見せる少年のような一面を想い、明里の心には『キュン』が溢れていた。

一方、娘・杏花のデートは?

そして杏花達も付き合って初めてのデートをすることになる。

「今日、全部連れて行ってください!晴太さんが好きな場所ならどこでも!」

杏花の行きたいところに…と思っていた晴太だったが、二人とも、自分でなく相手の考えを尊重しようとしていた。

好きな人と過ごせるなら場所なんて関係ない。

お昼時には、ファンタジー感溢れる森林公園で二人だけのランチを。お洒落なカフェでもなく、よく晴れたからという理由で選んだ、自然の音に包まれた二人だけの空間だ。

「今日はその時の気分で考えましょう」

目標や目的のために邁進し続けていた頃の杏花を考えると信じられないことだ。

確かにその生き方は尊敬に値する。目標があり頑張っている人間は輝かしい。

だが、何もしない時間にこそ見れる景色や生まれる感情があるのだ。

杏花には独立という夢や目標がもちろん今もある中、そう考えられるようになったのは晴太と出会ったおかげでもある。

そして、晴太も同じように、好きなことが増えたのだ。

不動産会社の結婚事業へのやりがいも、夢中になれるものが見つからなかった晴太に、「人を幸せにするいい仕事ですよね」と杏花は優しく認める。

この出会いは確かに二人の世界を広げているのだ。

「私、今の晴太さんに会えてよかったです。虹朗くんがいる、晴太さんが、好きです」

こんな時に寝てしまうのが不器用な晴太らしいが、そんな晴太の寝顔を杏花は更に愛おしく思うのだった。

緑に囲まれ何にも邪魔されず二人だけの時間が流れていく情景に安らかな気持ちになった。

そんな中、虹朗を預けていた安奈に「仕事が入った」と連絡が入り、急遽虹朗も交えて晴太宅でカレーを食べることになる。

一つのテーブルで、同じ料理を囲む…そして自分が誰よりも大切な人と笑い合える時間のかけがえなさを晴太も、杏花も実感していた。

「今日しかない今日のことを、全部忘れたくないなって」

今日話したこと、感じたこと、一緒に過ごした空間。

偶然でもいい、予想外でもいい、何もしなくていい、それが例え日常の繰り返しでも、それは二度来ない特別な毎日なのだ。

この二人の出会いは、偶然だった。しかしその偶然の巡り合わせから始まった時間は止まることなく、今も二人を穏やかに包んでいる。

この場面で主題歌である、幾田りらの『レンズ』が入るのも秀逸だ。

歌詞にある「一つもこぼさずに焼き付けていたいよ」と、今話のテーマが重なった瞬間だった。

第7話ラスト。

日本に帰国し、マレーシアに開業するホテルの支配人となった颯や林太郎とのお見合いを考え始めた明里、そして林太郎には結婚に感じて何か秘密を抱えた様子で…。

そして最後には、晴太と杏花の関係を知った安奈が「ルール違反かな」とこぼす。

虹朗のためにならない交際は別問題だった。そして安奈は杏花のヨガスタジオへ乗り込む…。

杏花も晴太の持続可能な恋の行方が安奈の行動で揺らぐのか、いよいよ最終回が近づいてきた第8話も注目だ。

持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜/TBS系で毎週火曜・夜10時~放送

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[文・構成/grape編集部]

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