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皆に勇気が宿るなら…大きなアザを持つ男性、病気の認知のために写真を公開

By - grape編集部  公開:  更新:

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出典:Facebook

生まれつき右上半身に赤いアザをもつ、首藤雄三さん57歳。

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出典:Facebook

首藤さんは2015年10月に受診した病院で、『母斑症 Klppel-Trenaunay症候群』という難病だと初めて分かりました。

このことをキッカケに『アザへの理解を深めてほしい』という想いで、自身の姿をFacebookに投稿。

首藤さんが見せた、眩しい笑顔と前向きな言葉たちに、多くの人が感銘を受けています。

あだ名は『赤ザル』

大分県臼杵市で生まれ、現在は大分市の病院職員として働いている首藤さん。物心ついた5歳頃の記憶では、友人から『赤ザル』と呼ばれていたそうです。

首藤さんはそのあだ名で呼ばれる度に、いつも笑顔で応えるようにしました。そうすると場が和み、それ以上何も言われないということを知っていたからです。

時には涙を流す日もあったそうですが、首藤さんが泣くと両親が泣いてしまうので、いつの間にか強い心が育ったとのこと。

辛い思いをしているのは自分だけではない

首藤さんのご両親は、アザについて説明したり謝罪することは一切なかったそうです。そして首藤さんも、ご両親に質問することはしませんでした。

なぜなら、「アザを持って生まれた自分も辛いけれど、母親はもっと苦しい思いをしているのではないか」と子供ながらに感じていたからです。

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出典:Facebook

普通の子として接してくれたご両親

普通の子として接してくれたことが、何より嬉しかった」と語る首藤さん。明るく活発な性格に育ち、同級生は首藤さんをイジメることなく、逆に周囲の偏見の目から守ってくれたそうです。

学生時代は柔道と相撲に励み、卒業後は体育教師やスイミングスクールのコーチとして働いていました。

アザへの理解を深めてほしい

スイミングスクールのコーチをしていた時、首藤さんのお母さんは最初で最後の質問を投げかけます。

『雄三どうしてお前は裸になるの』と、

その時僕は母に「かぁちゃん俺はこの身体を多くの人に見せる事は俺の役目やと思うちょん!」と言ったら「あ〜そうなン」で話しは終わりました。

Facebook ーより引用

首藤さんの願い

赤アザがあることをあえて公開したのは、多くの人にアザへの理解を深めてほしいという願い。

そして、一人で苦しんでいるかもしれない、赤アザを持つ子供の母親に「一人で苦しまないで」という2つのメッセージが込められています。

勇気をもらいました!

首藤さんの投稿を見て、多くの人々が感動と共感の声を送りました。

  • 私は違う難病ですが、首藤さんの記事を読んで「あの笑顔に負けてられへん」と勇気を頂きました。私も頑張ります。
  • 私の子供も、生まれつき赤アザが体の広範囲にあります。治療の際、レーザー照射の痛みで泣き叫ぶ我が子を前に、ただただ、自分を責める気持ちでいっぱいになって…。子供と一緒に泣きながら帰路につくばかりでした。進学などの新たな場面を迎えることを思うと、心配は尽きません。ですが、首藤さんの投稿や皆さんのコメントを見て、私も勇気をいただき、息子への接し方も考えさせられました。ありがとうございました。
  • 自分は体にコンプレックスがあります。自分の体の現実を受け入れ、強く生きている姿に勇気をもらいました。今すぐには難しいかもしれませんが、自分も前向きに人生を歩んでいきたいです。

他にも多くの声が寄せられましたが、皆さんそれぞれに共通するのは「勇気をもらった」という感謝の声。

首藤さんの勇気ある行動が、病気への認知だけでなく、多くの人々に明日への希望を届けました。

『母斑症 Klppel-Trenaunay症候群』

首藤さんが診断された『母斑症 Klppel-Trenaunay症候群』は、血管やリンパ管の異常や、赤黒いアザが四肢のどこかに先天的に発生し、部分的に肥大。

原因不明の非常に珍しい病気で、治療法がありません。しかし感染する恐れもなく、遺伝する可能性は極めて低いもの。

同じような病気を総じて『混合型脈管奇形』と言い、2015年7月に国の難病指定を受けました。

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出典:Facebook

アザとともに生きてきた人生。首藤さんは『アザは体の一部。アザに学び、アザに助けられ、アザに生かされた人生』と語ります。

首藤さんは目を見れば、「この人自分のことを気持ち悪いと思っている」と分かるそうです。それでも「ありのままの自分」を公表したのは、自分の人生に誇りを持ち、信念を貫いてきたからなのでしょう。

その証拠に、今回の投稿をきっかけに「30年ぶりに当時の教え子や同僚から連絡が来て嬉しく思っている」と話してくれました。

首藤さんはコメント一つ一つに対して、丁寧に返事をしています。そういった誠実さも、首藤さんが生きてきた人生そのものなのかもしれません。

僕はみなさんが思うほど立派ではありません。ただ毎日を、あるがままに一生懸命コツコツと過ごしてきただけなのです。

自分はアザをハンデイキャップだと思っていません。だから皆さんに、少しでも勇気が宿るのならば、裸なんて大したことないです。

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