【オールドルーキー 最終話感想】人を応援することの素晴らしさを教えてくれたドラマ
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grape [グレイプ] entertainment
ドラマ好きなイラストレーター、ゆう。(@yamapyou)さんによるドラマコラム。
2022年6月スタートのテレビドラマ『オールドルーキー』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。
チームワーク、信頼、夢、応援。我々に熱いメッセージを伝えてくれた『オールドルーキー』がついに最終回を迎えた。
社長 VS 社員の意地の張り合い
見込みのないアスリートを切る高柳社長のやり方に反発した新町(綾野剛)。もう後には引けないといった状態で彼はビクトリーを後にした。
「現役時代に買ったタワマンのローンはどうなるのか…?」とも一瞬思わされたが、果奈子(榮倉奈々)がインフルエンサーとして活躍しているから、ひとまずは安心である。
ビクトリーを辞めてすぐさまデリバリーのアルバイトを始めていた新町の行動の早さにも驚きだ。
大きめのリュックを背負い、笑顔で配達する姿はビクトリーにいた時よりキラキラして見えた。
絶大な信頼を置いていた新町がいなくなることで困ったのはビクトリーに所属していたJリーガー・伊垣(神尾楓珠)であった。
それが気に食わなかったのか、新町を潰そうとするラスボス・高柳社長が動き出す。しかし、そんな高柳社長に対抗し始めたのが塔子(芳根京子)と城(中川大志)だった。
高柳「私のやり方が気に入らないというなら、会社を辞めてもらっても構わない」
塔子「じゃあ辞めます!」
城「僕も!」
コントかと思うくらいのスピード感で、二人のビクトリーの退社が決まった。
熱い想いも大切だが、この時ばかりはお互い意地を張っているようにしか見えなかった。
社長ももう少し冷静かつ寛大であれば、こんな優秀な社員を勢いで失うことはなかったのに。
夢を追う人間は輝いて見える
「そんな感情的になって仕事辞めて大丈夫!?」と誰もが心配したが、新町と夢を追いかける3人はもう誰にも止められない。
伊垣の移籍に無我夢中で取り組む彼らは、「自分たちだけでやってみせる!」「絶対に成功させる!」というただ一心であった。
そんな情熱を持って働いている人たちが世の中にどれくらいいるだろう。
とりあえず毎日、目の前のタスクをこなし、月に一回来る給料日を待つ。
やりがいも目標も気付けば見失っていた社会人に3人は仕事に対する姿勢を思い出させてくれたように思えた。
誰かを応援することの楽しさ
頑張っている人を見ると応援したくなる気持ちはわかる。スポーツ観戦の醍醐味はそこだろう。
一生懸命何かに打ち込む人の姿や想いに圧巻され、パワーをもらえる。こちらが応援すればその応援はスポーツ選手のパワーになる。
最初は現役から裏方にまわり歯痒い想いをしていた新町が、スポーツマネジメントの良さに気付きのめり込むことができたのは、応援することの楽しさを知ったからだろう。
高柳社長も然り、広いスタジアムで語り合う二人の根底には同じものがあったのだと確信した。
ようやくわだかまりが解け、新町はビクトリーに戻ることが決まる。
ラストはこれぞハッピーエンドといった演出で締めくくられ、喜び合いながらビクトリーの仲間たちと抱き合う姿は最高だった。
個人的には、くっつきそうでくっつかない梅屋敷と塔子の関係も大好きだったのだが、塔子を支える梅屋敷や、梅屋敷を見つめる塔子の目を見ていたら、ドラマで描かれなくとも、この二人が結ばれるのは時間の問題だなと確信した。
お互いワインに酔って寝ている相手の頭を撫でたり、ほっぺをツンツンとしたり、最終回の二人は可愛さで溢れていた。
スポーツマネジメントというこれまでに馴染みのなかった職業にフォーカスを当てた今作。
裏方であるように思われがちだが、その楽しさややりがい、働く人のスキルの高さは計り知れない。
頑張る主人公を応援できた3か月間は、一視聴者として、とても楽しい時間となった。
ドラマを見終わった今、もっと誰かを応援したい、そんな気持ちが残る素敵な作品に出会えたことに感謝している。
コラム連載に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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[文・構成/grape編集部]