【考察】謎の男・目黒蓮の登場によって… 『ザ・ロイヤルファミリー』第4話
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衝撃とやりきれなさ… やっぱり野木亜紀子のドラマ『ちょっとだけエスパー』2話【考察】野木亜紀子さんの脚本と豪華俳優陣の共演で話題のドラマ『ちょっとだけエスパー』第2話を深掘りします。宮﨑あおいさんの愛らしくも不穏さを秘めた演技の魅力、大泉洋さんら「普通の人プラスα」なエスパーたちの奮闘についての考察です。

【考察】目黒蓮はもしかして… 『ザ・ロイヤルファミリー』第3話世界一の馬を目指す男たちの熱い物語『ザ・ロイヤルファミリー』第3話を深掘りします。妻夫木聡さん演じる栗須と松本若菜さん演じる元恋人・加奈子さんの過去と未来の関係性に注目。なぜ別れたのか、そして夢を追う「同士」として再び並走するのか、イラストレーターの渡辺裕子さんが徹底考察します。さらに、次週予告に登場した目黒蓮さんの正体も考察しています。
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SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、イラストレーターの渡辺裕子(@satohi11)さん。
2025年10月スタートのテレビドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』(TBSテレビ)の見どころを連載していきます。以下、ネタバレが含まれます。
渡辺裕子さんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
2013年になり、栗須(妻夫木聡)の元恋人・加奈子(松本若菜)の牧場で育てられた馬・ロイヤルホープは、競走馬としての基礎訓練を受けるために育成牧場へ移った。
しかし警戒心の強いホープはどのスタッフにも気を許さず、制御不能状態に。
気難しいホープを乗りこなせるジョッキーも見つからず、このままではデビュー戦に出せない。
調教師の広中(安藤政信)と栗須はその状況を馬主の耕造社長(佐藤浩市)に言い出せないまま、ジョッキー探しに奔走する。
彼らは荒れ馬に強いジョッキー・佐木(高杉真宙)を岩手まで訪ねるが、彼は過去のある事件のせいで「問題児」と呼ばれていて…。
一方、社長の息子・優太郎(小泉孝太郎)があるスキャンダルを知ってしまい、彼はそれを父に問いただそうとするが…。
目黒蓮の登場で、登場人物への交換がぐらり
とうとう正体が明かされた『謎の男』目黒蓮さん。
加奈子の息子・翔平(三浦綺羅)が成長した2030年の姿、かと思っていたら2013年にふらりと現れてびっくり。予想は大はずれだった。
まさか耕造社長の隠し子だったとは。
そしてその母として、中嶋朋子さんが登場したのにもびっくりした。
しかし、この母子の登場で、耕造に対して抱いていた好感が、微妙にぐらつきはじめた。
身勝手で強引な性格で、競馬界では嫌われ者の馬主・山王耕造社長。
直属の部下である栗須も、彼の言動にずいぶん振り回されている。
けれどその反面、一度親しくなった相手に対しては深い愛情をそそぎ、とことん大事にする。
そして何よりも馬を愛していて、馬にも愛されている。
そんな耕造を知っているからこそ、ひんぱんにひどい目にあわされても栗須は彼についていくし、「生意気だ」と言われながらも恐れずにはっきり意見を言うことができる。
強い姿の裏側にある、優しい耕造を知っているから。
こんな上司の下では働きたくないなあと思う強烈さと、とても暖かい優しさを、同時に持っている。それが山王社長…と、先週までは思っていた。
だが、誰かに優しくする一方で、他の誰かを回復不可能なレベルで傷つけているとしたら、それは本当に『優しい人』なんだろうか。
耕造の妻・京子(黒木瞳)は、耕造の競馬事業部をつぶそうと、これまでに様々な画策をしてきた。
山王家の家族が食事をする時、できたての豪華な食事とは正反対の、ひんやり冷たくとげとげしい空気と言葉がテーブル全体を覆っている。
馬にのめり込んで大金を使い続ける耕造に、大嫌いだった父の姿を重ねて嫌悪するのはわかるが、それでもあの態度はずいぶんとやりすぎではないかと思っていた。
だけど、競馬だけでなく、愛人との間に隠し子を作った夫に日々傷つけられているなら、あのくらい攻撃したくもなるだろう。
いつも高級そうな服と光り輝くジュエリーをまとっている京子。
隙のない、パワフルすぎる着こなしは、これ以上プライドを傷つけられないための、彼女の精一杯の防護服であり武装なのかもしれない。
京子は夫のもうひとつの家族の存在をある程度は知っていたと思うが、子どもたちはどうなのだろう。
優太郎は、『耕一』という、自分にはない、父の『耕』の文字を受け継いだ弟をどう思うのか。
北海道で父と楽しげに牧場をまわっていた娘・百合子(関水渚)も、これからは父にどう接していくのだろう。
新聞記者の平良(津田健次郎)に『ロイヤルファミリー』と名付けられた、ロイヤルの馬たちを勝たせようと奮闘するチーム。
大きな牧場ではないとか、地方出身とか、性格に難ありとか、いろいろとでこぼこがある人々が集まって、結束力のある『ファミリー』を作り出した。
彼らの努力でロイヤルホープは見事にデビュー戦で勝利し、これからも『ロイヤルファミリー』は『有馬記念』という夢に向かって進んでいくのだろう。
しかしその一方、山王家というファミリーは崩壊の危機にあり、耕造が隠してきた中条家というファミリーは、表にさらけだされてしまった。
それぞれの『ファミリー』から見える『山王耕造』という人物の印象は、きっとまるで違う。
佐木の競馬学校での過去が、一方からは彼が最初に殴った暴力事件となり、他方からはひどいことを言われてカッとなった結果となるように、物事も人間も、どこからどう見るかで変わってしまう。
新しい面が見えた耕造社長を、視聴者はどう受け止めるのか。そして栗須はどう考えるのか。
ただ、病室で冗談を言いながら母を気遣う耕一は、どこからどう見ても優しいいい子だと思うので…父親のせいで、今後傷つかないでほしいと心から思うけれど、難しそうな気がする。
世間や山王家から受けそうな攻撃を、なんとか栗須が食い止めてほしい。栗須の気苦労が、馬関連以外にまた増えてしまいそうだが。
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[文/渡辺裕子 構成/grape編集部]
渡辺裕子
SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。
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