【恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜 10話】たどり着いた「それぞれのカタチ」とは・ネタバレあり By - grape編集部 公開:2021-12-20 更新:2022-01-12 ドラマコラム奈緒岸谷五朗恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜杉咲花杉野遥亮鈴木伸之 Share Post LINE はてな コメント ブログ『現実逃避は前向きに。』で注目ドラマの感想をつづる、malcoさんによる新連載。水曜ドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』の見どころを紹介していきます。 ついにフィナーレを迎えた『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』。最終回のサブタイトルは『ふたりでいれば…!』でした。 ふたりでいれば…どうなるのか。 自分たちの『カタチ』を見つけたユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮)、そして2人を取り巻く人々がたどり着いた結末が描かれました。 1年後の2人 舞台はユキコと森生が別れてから1年後。 食品関連会社に就職したユキコは、職場の人の理解を得て、自らの業務をしっかりこなしていました。 しかし、希望していた調理の仕事ではないため、どこか物足りない様子でした。 そんな中、なんと花男(戸塚純貴)とハチ子(生見愛瑠)が結婚! 結婚パーティーではユキコが作ったウェディングケーキが振る舞われ、みんなの「美味しい」という声に嬉しそうに笑うユキコ。 やはり、誰かに美味しいと言ってもらうのが嬉しいようです。 さらに、仕事帰りに立ち寄った元バイト先の『BBバーガー』では、店長の茶尾(古川雄大)から以前ユキコが考案したメニューが人気だと聞いて喜んでいました。 一方、鹿児島県に行っていた森生は、再び無職となって地元に戻って来ていました。 別れてまで送り出してくれたユキコに合わせる顔がないと、見つからないように彼女を遠くから眺めていましたが、さすがは森生、ユキコの様子を見ているだけで本心に気が付いたようです。 コソコソとユキコの後を付けるも、BBバーガーで見つかってしまった森生。 お互いの近況を語りつつ、「今も美味しいって言われるのが、一番好きなんじゃないですか」と見事に核心をつきます。 ユキコは「やりたいことと出来ることは違う」と言い、自立するためには働く必要があるのだと割り切っていましたが、その表情はどこか暗く、今の仕事を楽しんでいるようには見えませんでした。 離れてからの1年間、それぞれの道を歩んできた2人は、行く末に光を見出せなかったようです。 しかし、森生が「自分のやりたいことを見つける」と宣言し動き出したことで、事態は好転していくのでした。 世界を広げるには… その後、ユキコは森生の言葉に刺激を受けたのか、調理師専門学校のオープンキャンパスに参加します。 しかしその学校に視覚障害のある生徒が通った前例はなく、卒業したとしても就職先はないだろうと言われ、再び調理師への道を諦めようとするユキコ。 そんなユキコの道を照らしたのは、父・誠二(岸谷五朗)でした。 画像を見る(全5枚) 誠二は、自立は1人でできるものではないとユキコを諭し「誰かと一緒だとできることが増えて、世界が広がるだろ。頼れる人がいればいるほど、できることが多くなる気がする」と話します。 この誠二の言葉こそが、本作が描きたかった問題の答えなのではないかと思いました。 森生と出会って、様々なことにチャレンジし、できることが増え、世界を広げてきたユキコ。 彼女は、以前森生から言われた「ユキコさんはどんどん新しい道を切り開く人」という言葉を思い出し、進むべき道を見つけたようでした。 一方、森生も宣言していた『やりたいこと』を見つけていました。 それは、ユキコと一緒にいること。 1年前と変わっていませんね。つまり「森生はとっくに夢を見つけていた」ということなのかもしれません。 どこまでもブレない男・森生に、心底感動した瞬間でした。 1年前と変わったのは「ユキコと一緒にいるために、どうすればいいか」に辿り着けたこと。 森生が見つけた答えは『キッチンカー』でした。 ユキコと一緒にキッチンカーで店をやる。それは調理師というユキコの夢を森生が後押しすることで、ユキコと一緒にいることができるという、2人の夢を同時に叶える方法でした。 偶然なのか運命なのか、それとも森生と誠二の策略なのか…ユキコも森生と同じようなことを考えていた様子。 2人が出した答えは、誠二が言っていた『世界が広がる』生き方でした。 ふたりでいれば…! ユキコと森生だけでなく、他の登場人物たちも『それぞれのカタチ』を見つけたようです。 ハチ子は専門学校を卒業後、アパレルの会社で服を作るという夢を持ち、花男はバリバリ働きたいハチ子を支えて家事全般を請け負い、子どもができれば子育ても担当すると2人で決めたようでした。 そして獅子王(鈴木伸之)は、ついに森生に告白して想いに区切りをつけ、イズミ(奈緒)と共に歩んでいくことを決めました。 2人の関係に名前をつけることはできなくても、お互いを大切だと思えて、一緒にいたいと思える素敵な関係です。 障害、生い立ち、人間関係、ジェンダーなど、さまざまな問題に苦しみ、自分は普通ではないと思い、苦しんできた人たち。 もしかしたらこの先も「それは普通じゃない」「前例がない」と、誰かに言われるのかもしれません。前例のないことをすれば、困難が伴うかもしれません。 しかし、ふたりでいれば…! 普通とか普通じゃないとか、比べるために誰かと一緒にいるのではなく、世界を広げるために誰かと一緒にいる。 みんな違うからこそ、それぞれにできることがあり、支え合って世界が広がる。 この物語の登場人物たちは、これからもそんな風に生きていってくれるのでしょう。 みんなが「それぞれのカタチ」にたどり着き、最高のハッピーエンドとなりました。 これまで、笑いや感動、気づき、いろんなものを与えてくれたこの作品。最後まで優しく温かい世界を見せてくれたことに、心から感謝します。 この記事の画像(全5枚) ドラマコラムの一覧はこちら [文・構成/grape編集部] 北斗晶「海苔の代わりに…」 “最高のおにぎり”と称するアレンジとは?北斗晶さんが海苔の代わりに使ったのは?『最高のおにぎり』と称するアレンジがこちらです。 立川志らく、当面休養することを発表 『ひるおび』もお休み2025年7月26日、落語家の立川志らくさんが、Xを更新。当面の間、休養することを知らせました。 Share Post LINE はてな コメント
ブログ『現実逃避は前向きに。』で注目ドラマの感想をつづる、malcoさんによる新連載。水曜ドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』の見どころを紹介していきます。
ついにフィナーレを迎えた『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』。最終回のサブタイトルは『ふたりでいれば…!』でした。
ふたりでいれば…どうなるのか。
自分たちの『カタチ』を見つけたユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮)、そして2人を取り巻く人々がたどり着いた結末が描かれました。
1年後の2人
舞台はユキコと森生が別れてから1年後。
食品関連会社に就職したユキコは、職場の人の理解を得て、自らの業務をしっかりこなしていました。
しかし、希望していた調理の仕事ではないため、どこか物足りない様子でした。
そんな中、なんと花男(戸塚純貴)とハチ子(生見愛瑠)が結婚!
結婚パーティーではユキコが作ったウェディングケーキが振る舞われ、みんなの「美味しい」という声に嬉しそうに笑うユキコ。
やはり、誰かに美味しいと言ってもらうのが嬉しいようです。
さらに、仕事帰りに立ち寄った元バイト先の『BBバーガー』では、店長の茶尾(古川雄大)から以前ユキコが考案したメニューが人気だと聞いて喜んでいました。
一方、鹿児島県に行っていた森生は、再び無職となって地元に戻って来ていました。
別れてまで送り出してくれたユキコに合わせる顔がないと、見つからないように彼女を遠くから眺めていましたが、さすがは森生、ユキコの様子を見ているだけで本心に気が付いたようです。
コソコソとユキコの後を付けるも、BBバーガーで見つかってしまった森生。
お互いの近況を語りつつ、「今も美味しいって言われるのが、一番好きなんじゃないですか」と見事に核心をつきます。
ユキコは「やりたいことと出来ることは違う」と言い、自立するためには働く必要があるのだと割り切っていましたが、その表情はどこか暗く、今の仕事を楽しんでいるようには見えませんでした。
離れてからの1年間、それぞれの道を歩んできた2人は、行く末に光を見出せなかったようです。
しかし、森生が「自分のやりたいことを見つける」と宣言し動き出したことで、事態は好転していくのでした。
世界を広げるには…
その後、ユキコは森生の言葉に刺激を受けたのか、調理師専門学校のオープンキャンパスに参加します。
しかしその学校に視覚障害のある生徒が通った前例はなく、卒業したとしても就職先はないだろうと言われ、再び調理師への道を諦めようとするユキコ。
そんなユキコの道を照らしたのは、父・誠二(岸谷五朗)でした。
誠二は、自立は1人でできるものではないとユキコを諭し「誰かと一緒だとできることが増えて、世界が広がるだろ。頼れる人がいればいるほど、できることが多くなる気がする」と話します。
この誠二の言葉こそが、本作が描きたかった問題の答えなのではないかと思いました。
森生と出会って、様々なことにチャレンジし、できることが増え、世界を広げてきたユキコ。
彼女は、以前森生から言われた「ユキコさんはどんどん新しい道を切り開く人」という言葉を思い出し、進むべき道を見つけたようでした。
一方、森生も宣言していた『やりたいこと』を見つけていました。
それは、ユキコと一緒にいること。
1年前と変わっていませんね。つまり「森生はとっくに夢を見つけていた」ということなのかもしれません。
どこまでもブレない男・森生に、心底感動した瞬間でした。
1年前と変わったのは「ユキコと一緒にいるために、どうすればいいか」に辿り着けたこと。
森生が見つけた答えは『キッチンカー』でした。
ユキコと一緒にキッチンカーで店をやる。それは調理師というユキコの夢を森生が後押しすることで、ユキコと一緒にいることができるという、2人の夢を同時に叶える方法でした。
偶然なのか運命なのか、それとも森生と誠二の策略なのか…ユキコも森生と同じようなことを考えていた様子。
2人が出した答えは、誠二が言っていた『世界が広がる』生き方でした。
ふたりでいれば…!
ユキコと森生だけでなく、他の登場人物たちも『それぞれのカタチ』を見つけたようです。
ハチ子は専門学校を卒業後、アパレルの会社で服を作るという夢を持ち、花男はバリバリ働きたいハチ子を支えて家事全般を請け負い、子どもができれば子育ても担当すると2人で決めたようでした。
そして獅子王(鈴木伸之)は、ついに森生に告白して想いに区切りをつけ、イズミ(奈緒)と共に歩んでいくことを決めました。
2人の関係に名前をつけることはできなくても、お互いを大切だと思えて、一緒にいたいと思える素敵な関係です。
障害、生い立ち、人間関係、ジェンダーなど、さまざまな問題に苦しみ、自分は普通ではないと思い、苦しんできた人たち。
もしかしたらこの先も「それは普通じゃない」「前例がない」と、誰かに言われるのかもしれません。前例のないことをすれば、困難が伴うかもしれません。
しかし、ふたりでいれば…!
普通とか普通じゃないとか、比べるために誰かと一緒にいるのではなく、世界を広げるために誰かと一緒にいる。
みんな違うからこそ、それぞれにできることがあり、支え合って世界が広がる。
この物語の登場人物たちは、これからもそんな風に生きていってくれるのでしょう。
みんなが「それぞれのカタチ」にたどり着き、最高のハッピーエンドとなりました。
これまで、笑いや感動、気づき、いろんなものを与えてくれたこの作品。最後まで優しく温かい世界を見せてくれたことに、心から感謝します。
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[文・構成/grape編集部]