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【婚姻届に判を捺しただけですが 1話】乾電池からキュンを錬成する坂口健太郎・ネタバレあり

By - grape編集部  公開:  更新:

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Twitterやブログでドラマの感想をつづり人気を博している、あずきごはん(@komadorama)さんによる、新連載。

TBSで始まった2021年秋の新ドラマの見どころを、あずきごはんさん独自の視点でご紹介します。

結婚に対する考え方が変化しつつある時代、結婚だけが幸せの形ではないという価値観も広がり始めている。

そんな中、偽装結婚を題材にしたドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』がスタート。漫画原作のキャラクターをモノにした坂口健太郎が日本列島を包み込んだ。

TBS新ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』あらすじ

仕事もプライベートも満喫する『おひとり様』女子・大加戸明葉(清野菜名)はランチ中に他人のプロポーズを目撃する。

しかしプロポーズを受けた女性は男性に水を浴びせて帰ってしまう。

その日の夜、明葉が飲み会に行くと、そこには昼間振られていた男・百瀬柊(坂口健太郎)がいた。

百瀬は明葉に結婚についての質問を行ったあと、突然「僕と結婚してみませんか?」という台詞をぶつける。

百瀬は既婚者の肩書きが欲しいだけとのことで、突然の求婚と特殊な結婚観に明葉は不快感をあらわにする。

そんな明葉の元に祖母(木野花)が倒れたという連絡が入り、百瀬と一緒に病院へ。

祖母は軽い心不全の発作で病室に着いた時には元気だった。医者に呼ばれて席を外していた明葉が戻ってくると、祖母から衝撃の一言が飛んでくる。

「こちらの百瀬さんとお付き合いしてるんだって?」

鞄から婚姻届を取り出す百瀬と婚姻届への記名を提案する祖母。祖母にショックを与えたくない明葉は名前を書く。

不器用だけど、どこか憎めない百瀬のキャラ

百瀬はとにかく不器用な男だ。

そもそも「既婚者の肩書きが欲しいだけ」なんて馬鹿正直に伝えるからフラれるのだ。

しかも婚姻届を書かせるまでの流れがめちゃくちゃ強引。倒れたばかりの祖母を利用するなんて嫌われて当然。好印象を持たせてから話を切り出した方が良いとは思わなかったのだろうか。

坂口健太郎の顔を持ちながら、1日に3回も水をぶっかけられる百瀬は、どこか憎めない存在だ。

百瀬から婚姻届を預かってことなきを得た明葉。そこに「借金返済のために祖母の店を売る」との知らせが入る。

店に愛着がある明葉は「お金なら私がなんとかする」と申し出るが、お金は簡単には貯まらない。

そんな時、再び百瀬が現れる。結婚したらお金を援助すると言う百瀬に、結婚したい理由を聞く明葉。百瀬は「結婚できない相手を想っている」と語る。

気持ちがバレなければその人のことを好きなままでいられる。だから既婚者の肩書きが欲しいとのことだった。

一度は結婚を断った明葉だったが、「今週中にお金を用意できなければ店を売る」との連絡が。崖っぷちに立たされた明葉は「お金を返済したら離婚する」という条件で偽装結婚を決める。

百瀬の結婚の動機には賛否両論あるだろうが、私は少しキュンとしてしまった。

不毛な恋とその相手を大切にするために徹底的に想いを隠すなんて、まるで少女漫画の健気すぎる当て馬だ。

1話終盤、百瀬が好きな相手と電話をする場面がある。

その時の百瀬はこの世の幸せを全て手に入れたかのような顔をしており、相手への強い想いが痛いほど伝わってくる。

隠れみのにされる方はたまったもんじゃないが、その旨を相手に伝えて『契約』しているだけ、まだ誠実と言えるかもしれない。

性格が真逆の2人が見せる『偽装結婚』

新婚生活が始まった矢先、2人は大きな問題に直面した。性格が壊滅的に合わないのだ。

百瀬は『共同生活の掟』を書面にするような几帳面な性格、対する明葉は大雑把。

2人はお互いの生活には干渉しないというルールを設ける。しかし目覚まし時計の音など、小さなことも積もればストレスになっていく。

そんなある日、百瀬の好物である大福を買ってきた明葉。2人で食べるために大福を百瀬の皿に乗せるが、レンジで皿を焦がしてしまう。

百瀬から「今後は最低限、迷惑をかけない生活を心がけてください」と言い放たれ、我慢の限界に達した明葉は「迷惑をかけるなと言うなら、この毎朝の目覚ましやめてください」「それが無理なら私はここを出て行きます」と叫ぶ。

性格の不一致に悩むのは恋愛結婚でもよくある話だ。

愛があれば乗り越えられるかもしれないが、2人の間に恋愛感情はない。

どうするのかと思った矢先、百瀬が明葉を迎えにきた。目覚まし時計の代わりに、明葉に起こしてもらいたいと頼みに来たのだ。

「話し合って僕たちなりの夫婦になっていきましょう」と説得する百瀬。そして結婚指輪のような流れで取り出したのが乾電池。目覚まし時計に入っていたものを取り出したのだと言う。

「もうあの目覚ましは鳴りません」

突然の乾電池には混乱したが、この男に何かを掴まれたのは間違いない。坂口健太郎、乾電池からキュンを錬成できるなんて恐ろしい俳優である。

そんな百瀬にほだされて家に帰る明葉。家には2人分の大福が。「この間、食べ損ねたので」とつぶやく百瀬。そして約束どおりに起こしてあげた明葉に対する眠そうな「ありがとうございます」。

これまでの諸々を全て水に流してしまうような破壊力だ。

不器用男かと思いきやキュンの錬金術師だった百瀬。

共同生活の掟には「決して相手のことを好きにならない」という項目がある。しかしこんな男と一緒に暮らして何も起こらないなんてあり得るだろうか。今後の展開から目を離せない。

婚姻届に判を捺しただけですが/TBS系で毎週火曜・夜10時~放送


[文・構成/grape編集部]

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