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【日曜劇場『DCU』第1話感想・考察】15年前の事件が鍵を握る、水中ミステリー開幕・ネタバレあり

By - grape編集部  公開:  更新:

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ドラマ好きなイラストレーター、ゆう。(@yamapyou)さんによるドラマコラム。

2022年1月スタートのテレビドラマ『DCU』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。

水をテーマにしたドラマはこれまでにもありました。パッと思い浮かぶのは、かの有名な『海猿』。海上保安庁の潜水士が題材となったレスキューものです。

しかし、TBS系で2022年1月から放送を開始した『DCU』と『海猿』が決定的に異なる点。それは、本作が水中の事件や事故を捜査する、水中を舞台としたサスペンスドラマだということ。

これは、今まで数多くのドラマを見てきたであろう視聴者に「まだ未踏のジャンルがあったのか…!」と衝撃を走らせました。

さらに映像を見ればその凄さがわかるはず。TBSがハリウッドの大手制作プロダクションと共同制作し、海外展開も見据えた気合いの入りようです。

『DCU』とは、『Deep Crime Unit』の略称で、海に限らず河川や湖など、あらゆる水中の捜査に特化したスペシャリスト集団を指します。水中事件の予想もできないトリックに今からワクワクが止まりません!

ダークヒーローな阿部寛と忠犬のような横浜流星

日曜劇場の主人公と言えば、信念を持ち、仲間を鼓舞しながら、熱く弁論する姿をイメージさせられますが、本作の主人公、阿部寛演じる新名正義(にいな・まさよし)は「目的を達成するためなら手段は選ばない」と傲慢な態度で、時に警察やチーム仲間との対立も辞さない姿勢が印象的です。

そして、そんなワンマンタイプの新名を慕うのが、横浜流星演じる瀬能陽生(せのう・はるき)。

彼が新名を慕うのには、特別な理由がありました。

15年前、瀬能は水難事故で新名に命を救われたのです。

命の恩人である新名の背中を追い、海上保安庁(以下、海保)に入り、キラキラした目で業務を全うする瀬能。新名を慕うその様子は、生き生きとし誠実で、過去に悲惨な事故に遭ったとは微塵も思わせない姿でした。

瀬能は、海保でもエリートと言われる副隊長・西野(高橋光臣)ですら、おじけずいてしまう危険な水深120メートルの捜査にも率先して手を挙げるほど。

「俺が行きます!俺に行かせてください!」

こんな頼もしい部下がいてくれたら…そう思わされるほどの、威勢の良さでした。

冒頭の15年前と瀬能の記憶の異なる点

記念すべき初回は、群馬県のダムが舞台となり、25分拡大スペシャルな上に、目まぐるしい展開と随所に散りばめられた伏線に、終始、目が離せない回となりました。

海外逃亡を図ろうとする犯人を、離陸寸前で逮捕するまでの一連の流れは手に汗握るものでした。

さらに、このドラマには縦軸となる最大のストーリーが存在します。

それは、15年前の水難事故を巡る謎。

番組冒頭で流れたのは、新名は海上で幼い瀬能を救い、成合(なりあい)と呼ばれる男と、ある鍵を巡って争うシーン。この『ある鍵』というのは、瀬能の父が残したものでした。

「そうか、お前がスパイだったのか」

荒波の中、新名は成合に、間違いなくこう言い放ちました。

その瞬間、船のコードが足に絡まり、成合は新名の助けも虚しく、暗い海の底へと沈んで行くのです。

ここまでが冒頭のシーンでした。

当時、幼かった瀬能は事故の記憶がありません。

それなのにラストの思いがけないタイミングで、すべての記憶が蘇ります。

曖昧だった景色が、少しずつ鮮明になり、その輪郭がはっきりとした瞬間、瀬能は全てを悟りました。

しかし、その記憶はなんと、冒頭のシーンと真逆の構造になっていたのです。

記憶の中で彼を救助してくれた相手は、驚くことに新名ではなく成合にすり替わっていました。

「まさか、お前がスパイだったのか!」という意味深な台詞も、成合から新名に向けて放たれるものとなっています。

新名がスパイ…?なぜこのように記憶が改ざんされてしまったのか、おそらく鮮明に見えて、瀬能の記憶はまだ曖昧なのかもしれません。

15年間、自分の思い込んでいた事実が間違いだったと気付いた瀬能は、命の恩人だった新名に突然、牙を剥きます。

自分にとってヒーローのような存在だった相手に裏切られ、ショックが大きいのは当然です。

それと同時に父親の形見を奪い、成合を海に沈めた新名を『裏切り者(スパイ)』であると考えた彼は、怒りの感情で震えていました。

これまでキラキラとしていた瀬能の瞳は一変し、もの凄い形相で新名を睨みつけ、声を荒げます。

このときの横浜流星の一瞬にしてドラマの空気を変えてしまう演技には、思わず息を忘れて見入ってしまう程でした。

1話はここで終了します。本編も濃い内容だったうえに、これ以上ない掴み。

その他キャストも、クセはあるが頼れる刑事・清水健治(山崎育三郎)や男気あふれる成合隆子(中村アン)など個性的なキャラクターが勢揃いです!

瀬能の記憶と、15年前の事故の真相は一体何なのか。

「真実は必ず水の中にある」という、このドラマの名言通り、最大のミステリーはこれからDCUとともに徐々に明らかになっていくのでしょう。

DCU/TBS系で毎週日曜・夜10時~放送

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[文・構成/grape編集部]

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