NYで空手家親子が暴行犯から女性を救う「正しいことをしただけ」謙虚な姿勢に称賛の声
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- 出典
- CBS NY
2016年10月19日の出来事です。ニューヨークのブルックリンの路上で、男が女性に殴りかかり、性的な暴行しようとしていた現場に、空手家の親子が偶然通りかかりました。親子によって、被害に遭った女性は危ういところを救われたのです。
女性を救ったルイス・ルイズさんは空手のインストラクターで、黒帯5段。そして彼の継子のアントニオ・ピナさんは3段保持者です。彼らは深夜0時頃、ブルックリンのホワイト通りのコーナー近くを歩いていて現場に居合わせました。
「彼女を助けるようにと、神様が僕たちをその場に送ったんだと思う」
と、アントニオさんはインタビューに答えました。
親子の機転で、犯人を逮捕
ルイスさんとアントニオさんは、家に向かっている途中の路上で、女性の叫び声が聞きます。通りを振り返ると、男が角に女性を引きずり込んでいることに気がつきました。
「男が女性を地面に押し倒して殴っていたんだ。だから僕は『君たち、どうしたの?大丈夫?』と聞いてみた。すぐと、その男は起き上がり、向きを変えてまるで何もなかったかのように歩いていってしまったんだよ」
と、ルイスさんは言います。
ルイスさんは警察に電話をしている間、子のアントニオさんに犯人の跡をつけるように指示します。そして、犯人はトッド・ディースという名前であることがわかりました。ディースはレイプや性的虐待の犯罪を含む19回も逮捕歴があり、最近、仮釈放になったばかりでした。
「被害者の女性が僕を見たとき、彼女の顔は大きく腫れあがって血が出ていた。」
激しい暴行を受けた被害者の女性は気を失いそうになりながらもルイスさんにこう、懇願したそうです。
「僕がいちばん覚えているのは、彼女が僕の腕をつかんで、『ここにいて、一人にしないで』と言ったことだ」
女性はシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)から帰宅する途中で襲われたそうです。警察の発表によると、事件後、救急車の中で目が覚めるまで意識不明だったそうですが、ルームメイトや両親によると、現在は回復に向かっているそうです。
犯人は拘置所に拘留され、暴行、レイプ未遂、絞殺未遂容疑で起訴されました。
親子は『ヒーロー』と呼ばれ始める
この事件が報道されるとルイスさんとアントニオさん親子は人々から『ヒーロー』と呼ばれ始めました。
しかし、ルイスさんはこのようにコメントしています。
「ヒーローなんてそんな大それたことじゃない。僕はむしろ『正しいことをしただけだ』と思っている。近所に住む人たち、世界中の人が『正しいこと』をするようにね」
その謙虚さに、ますます称賛の声が集まることとなりました。警察関係者は、『正しいことをして』被害者の女性を救出したルイスさん親子に感謝の気持ちを伝えています。
被害者の女性が回復に向かっていること、ルイスさんとアントニオさんが犯人ともみ合いにならなかったことが不幸中の幸いでした。事件現場に居合わせて人を救うには勇気がいります。
空手は技の練磨を通して心を磨き、身体を鍛えるとともに礼節や伝統を尊重する態度を養うことを通して、礼節、勇気、忍耐力、内省、克己、利他、協調性、思いやりなどの社会的能力を養うことができるとされています。アメリカでもしっかり生きている空手道に拍手喝采です。