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嫌な思いをしない『愛のある笑い』を求めて【三宅裕司・藤原紀香インタビュー】

By - grape編集部  公開:  更新:

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“東京の笑い”をお客さんに届ける『熱海五郎一座』が、新橋演舞場にやってきます!

三宅裕司さん率いる一座のシリーズ第四弾。タイトルはフルボディミステリー「消えた目撃者と悩ましい遺産」

今回、喜劇のヒロインに女優の藤原紀香さんを大抜擢!そこで座長の三宅裕司さんと藤原紀香さんにインタビューを行い熱海五郎一座の魅力や、舞台への意気込みなどを伺いました。

熱海五郎一座は「ギャップ」

――熱海五郎一座は、東京喜劇をベースにしているということですが、具体的にどういうことでしょうか?

(三宅)難しいですね。東京喜劇っていうジャンルがあったわけではないんですが、大阪の場合は、自分の持ちネタがあるんですよね。吉本新喜劇では出てくると必ずその持ちネタをやる。もちろんストーリーもあって、それを順番に色んな人がやっていくという事が多いんです。

東京の場合は持ちネタではなくて、毎回ストーリーを作って、その中にどれだけ面白い設定を組み込めるかということなんですね。

制作発表会見より

僕は「格好いいのと不格好な差」っていうのが好きなんですよ。ですから、格好いいダンスとか歌を歌った後にズッコケたり…その差が大きければ大きいほど面白くなる。簡単にいうと、そうなります。

そういうものを「なんて言おうかな」って思った時に、周りにそういうのもないし”格好良さ”は東京の役者たちは好きだから、東京喜劇という名前にしちゃおうかなと思ったんです。

観客として感じた「愛のある喜劇」

――紀香さんは、実際観客として観られたということでしたが、どんなところに魅力を感じましたか?

(藤原)全体を通してものすごく舞台から愛が溢れているところ。皆が幸せな気持ちになれる。一つ一つのツッコミに関しても愛があって…だから幸せな気持ちをもらえて、劇場からスキップして帰れるんじゃないかしらって思えました。「いい舞台だな」って。

――ゲスト女優を現場に溶け込ます秘策はあるんですか?

(三宅)笑いを作っていく上で、その雰囲気が大事だなって皆が思っていることでしょうね。それが自然に出るんだと思います。例えば最初の顔合わせのときに皆緊張しますよね。

それで当然ひとりずつ挨拶するんですけれども、皆が「これって緊張するよね」って思っているとわざと緊張を解すことを誰かがやりだすみたいなことでしょうかね。

渡辺正行さん(制作発表会見より)

例えば、リーダーが遅刻してきたらそれを皆でツッコミし、遅刻してこないと「珍しいね、なんで今日は遅刻しないんだ?」と言ったりとか。そうしていれば、きっと楽しい雰囲気ができるでしょう。

――「新しい藤原紀香を見せたい」と仰っていましたが、今まで活かしてきた経験とか、どういうふうにステージに行かせるとおもいますか?

(藤原)まず台本を頂いて、ぶつかってみて、その中から新しいものが生まれてくるんじゃないかなと思います。今は準備をしすぎずに、まずは熱海五郎一座の世界に入ってみようという真っ白な気持ちでいます。

誰も嫌な思いをしない「愛のある笑い」を届けたい

――アドリブが稽古場では多いと言っていましたが、それが台本に反映されていくということはあるんですか?

(三宅)台本を作るときは、絶対アドリブが言えないような面白い台本を作ろうと思って作っています。それをやったときに、思ったよりも面白くないシーンというのが出てくるかもしれない。そういう時に「もう少し面白くしよう」っていうことで、色んなことをやってみます。

それぞれが「ここをこういう風にしたいんですけど」という風に試してみて、面白そうだったら、それを活かそうということで台本を変えることもあります。

そこで出てきたものがつまらなかったら、基の台本のままで行くでしょう。そういうことを稽古場でやっていくということです。

――個性的な演者たちですが どうやってまとめているんですか?

(三宅)ひとつは、言うとおりにやればこれだけたくさんのお客さんが笑うだろうということを実際見せるしかないんですね。「ここはこういう風にやってよ」と言われたことをやってお客さんが笑えば「ちゃんとウケるんだ」って思ってくれるんですね。この積み重ねしかないと思います。

制作発表会見より

演者ひとりひとり笑わせ方があるけれども、それぞれの笑わせ方をしていると、熱海五郎一座を選ぶお客さんの基準がなくなっちゃうわけですね。なんで熱海五郎一座を選んでくれるかというと、こういう種類の笑いがあるからっていう。

――なるほど。では熱海五郎一座の笑いとは、なんでしょうか?

(三宅)分かりやすいということでしょうね。演劇って昔、アングラとかそういうのはわざと難しいテーマで難しい芝居をやって「どうだ、これが分かるか?」というのを提示していた時期があって。僕もちょうどそのころ劇団作ったんですけど、そういうスタイルが嫌で嫌で。お客さんも「俺はわかったよ」というお客さんばっかりになってしまう。

そうじゃなくて、誰でも楽しめるサービス精神旺盛なミュージカルアクション・コメディというのを作ったんです。分かりやすいということと、誰も嫌な思いをしない「愛のある笑い」ということでしょうね。小学生からおじいちゃんおばあちゃんまで一緒に笑える笑い、ということでしょう。

見どころは「全て」

――ストーリーの見どころ、ハイライトを教えてください。

(三宅)ハイライトだらけでね、これが(笑)ストーリーが壊れなければ、笑いを入れたいと思ってますから、その笑いでお客さんのテンションが上がっている中で感動の結末を向かえると、感動もすごく大きくなるんですね。

そして音楽とダンスと歌とアクションがあるので、それもお客さんがいい気持ちになって感動できるようなシーンにしていく。その連続のエンターテイメントを作りたいと思っています。

制作発表会見より

――最後に、読者へメッセージをお願いします。

(三宅)わかりやすくて愛のある、色んな要素のあるエンターテイメント。最後感動できるということですから。初めて舞台を見る人にとっては一番いい芝居だと思います。あとは、何も予備知識なく見て頂いて、次の日から「よし、がんばるぞ」と思えるような芝居ですから。ぜひ来てください。

(藤原)ボケもツッコミもできる女優になるべく稽古を積みますので、ご期待下さい!

熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第四弾 フルボディミステリー「消えた目撃者と悩ましい遺産」
公演期間:2017年6月2日(金)~27日(火)
会場:新橋演舞場

<ストーリー>
夫婦デュオのボーカルとして活動していた京香は類まれなる美貌の持ち主で、相方の不祥事で芸能界を引退し、今は銀座の高級クラブで働く身である。

彼女のまわりには医者、僧侶、弁護士、検事と胡散臭い男達がうごめいていて、秘密裡に会い方の救済に働く彼女に次から次へとミステリアスな出来事が降りかかる。絡み合うそれぞれの思惑…そして、全員を巻き込んでいよいよ法廷闘争に?!


[文・構成/grape編集部]

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出典
ニッポン放送

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