【日曜劇場『DCU』第2話感想・考察】横浜流星の繊細な演技に注目!DCUの面白さはここにある・ネタバレあり
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ドラマ好きなイラストレーター、ゆう。(@yamapyou)さんによるドラマコラム。
2022年1月スタートのテレビドラマ『DCU』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。
「この人、悪い人じゃないな」と、一緒にいてそう思わされる相手っていませんか?
言動に気遣いがある人、どことなく雰囲気が良い人、周囲からの信頼が厚い人。
無意識に入ってくる情報で人への印象が決まることがあります。
新名(阿部寛)を見ていると、そのような人に出会った時と同じような感覚に陥りました。
15年前の事故の真相を巡り、激突した前回でしたが、第2話では、新名の様々な一面を目の当たりにした瀬能陽生(横浜流星)の表情に注目します。
瀬能の心を動かす新名の人間性
瀬能は事故の記憶が蘇り、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症し、水に入ると当時の記憶がフラッシュバックし、恐怖で身動きが取れなくなります。
早くもそれに気付いた新名は、焦る瀬能に自分も同じ過去があったことを告白。瀬能のダイバー生命が絶たれることがないよう、彼を潜水業務から外します。
新名が水を恐れたのは15年前の事件の後でした。
これは彼にとってあの日が『トラウマ』であることを示しています。やはり事件の黒幕ではないのか?そう思わされる一言に瀬能もかなり驚いた表情でした。
また、成合隆子(中村アン)との会話で、瀬能はまたしも新名への厚い信頼を目の当たりにします。
隆子は亡くなった兄が作りたかった組織『DCU』を実現してくれた新名に恩返しがしたいと語りました。
自身の複雑な心境とは対照的な隆子。スパイ(悪者)かもしれないと思っている相手に、ここまで尽くそうとしている人もいる。瀬能のその表情には葛藤が感じられました。
第2話では、海で発見された変死体の犯行現場や遺留品を探すことになります。
捜査の中で、私たちは『DCU』のスペックの高さに驚かされました。
潜水の技術だけでも長けているのに、刑事としての勘や捜査能力、海流・海洋生物の豊富な知識まで持ち合わせているのです。
今回の漁師殺害事件の共犯者は警察関係者でした。
逮捕後、瀬能は新名に、いつから刑事の怪しさに気付いていたのか問います。
それは死亡推定日を7~10日だと伝えた冒頭部分の時でした。
サンチェスの供述で7日前まで被害者は生きていたとわかっているはず。なのに刑事はあえて日数を濁したのです。
初見でそれに気付いた新名の洞察力を、瀬能も認めたことでしょう。
日曜劇場では、よく巨大な組織との対立があります。そして裏切り者は内部にいたりもします。
現時点でまだ動きはないものの、15年前の真相に近づくに連れ、海上保安庁や警察内部にきっと黒幕が浮かび上がってくるでしょう。
身内であろうと疑う。今回の事件で、新名の「先入観にとらわれず、真実を見つけ出す力」を知ることができました。
瀬能は、これらを通して前回の衝突から少しだけ新名を見る目が変わったように思えます。絶妙に変化する心情を、横浜流星は1時間強のドラマの中で見事に演じて魅せました。
『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)、『あなたの番です』(日本テレビ系)、『私たちはどうかしている』(日本テレビ系)、『着飾る恋には理由があって』(TBS系)等、これまで数々のヒット作に出演している彼ですが、『DCU』でもその存在感は抜群です。
新名・瀬能バディの衝突は私たちの不安を煽りましたが、お守りを渡し、自信がなかった森田七雄(岡崎体育)に活躍の場を与えるなど、今回、視聴者も感じたであろう新名に対する「この人、悪い人じゃないな」という感覚はおそらく間違いではないでしょう。
瀬能のモヤモヤがなくなる日も近いのではないかと思います。
伏線を見逃さない!サスペンスドラマの見方
事件は解決したかのように思えたラストで衝撃の展開が待っていました。
それは釈放されたサンチェスが事件の証拠品であるスマートフォンを持って逃亡したのです。
彼はなぜ逃げたのか?殺害された漁師・島田への想いや外国人としての偏見に苦しむサンチェスに終盤は視聴者も同情してしまう程でしたが、見事に裏切られました。
おそらく関わっているのは、サンチェスの病室にいた外国人女性でしょう。
捜査の段階で島田のスマートフォンには、密漁業者の写真が入っていると言っていました。
外国人女性は何らかの形で密漁に関わっており、その証拠が警察に渡るのをサンチェスは恐れたのではないかと思います。
第2話もさまざまな伏線が散りばめられていました。
サスペンスドラマを楽しむ要素は、伏線を見つけることも一つです。
登場人物の何気ない行動や言葉に何かヒントが隠れています。
このシーン必要ある?そんな場面が後に回収されたりするのです。
また、瀬能と隆子の他愛もない会話からも、どこか恋愛に発展しそうな雰囲気は視聴者に淡い期待を持たせます。
巧妙な物語の作りを見ながら、3話以降もぜひ『DCU』を楽しんでみてください。
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DCU/TBS系で毎週日曜・夜10時~放送
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[文・構成/grape編集部]