ファスティングで、共に生きてきた身体の声を聞きながら、優しい時間を過ごしてもらう
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
身体にとって優しい時間を
冬、お腹が空いているときの寒さは堪えます。寒い寒いと言いながらランチに出かけ、お店を出たときには体があたたまっている。
内側から熱を発しているあたたかさに幸せを感じます(単に食いしん坊なだけなのですが)。食後、消化器が動き出し熱を発します。
これを食事誘発性体熱産生(DIT)というそうです。お腹空いたとか、お腹いっぱいとか感覚だけでなく、機能として身体の働きを意識してみると身体の使い方により気をつけるようになります。
はじめて胃カメラ検査をしたときのこと。当時は今のように麻酔をしての検査ではなかったので、うっ、うっと戻しそうになりながらの検査でした。
目の間にモニターがあり、胃の中が映し出されます。リズムよく収縮する私の胃。それを見て、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。暴飲暴食してごめんなさい。
こうして何も言わず、必要な消化液の分泌とともに収縮を続ける。知っていたとは言え、過度な負担をかけてはならない、と思ったものでした。
ご馳走続きのクリスマスからお正月。これは近いうちにデトックスしなくてはいけない、と思いながらあれもこれも作りました。そして、食べました……。
ということで、旧正月にスーパーフードによるファスティングをすることにしました。ダイエットというより、消化器を休ませる。デトックスをする。代謝を上げて細胞の修正、活性する、というのが目的です。
アルコールや肉類、砂糖、小麦粉、カフェインを避ける準備期間から、サプリメントと酵素だけを摂る期間、そして回復期と15日間。さてどうなるか……。楽しみながら取り組むに限ります。
30年近く前ですが、熱海の断食道場で5日間の半断食を体験しました。昼と夜、半膳弱の玄米と具の入っていないお味噌汁。1日にお湯飲み2杯の梅醤番茶。これだけです。
夏に参加したので、水分を摂れないのがつらかった。
そして、「肉を食う奴は馬鹿だ」「白いものを食うやつは馬鹿だ」という食事法の講義に、(もう一生焼肉食べられないんだ)(もう一生、白いご飯、食べられないんだ)と絶望感が募っていきます。
講義を受けているというよりも、今思うと洗脳されていく感が強かった。
帰りの小田原駅の売店に、温泉まんじゅうを四つに切った試食品がありました。思わずその前に立ち止まり考えました。
これを食べたら、この苦しかった5日間が無駄になる。これを食べるのは、先生の言うように馬鹿に違いない。
そんな思いがひとめぐりする間もなく、小さな試食の温泉まんじゅうを二つ、口に入れたのでした。
さて、30年ぶりのファスティング。かなり長い間共に生きてきたこの身体の声を聞きながら、身体に、優しい時間を過ごしてもらいましょう。
『自分』『我』ではなく『身体』の立場になって行動してみる。立ち位置を変えると、新しい景色が見えてきそうです。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」