友達の幸せそうなFacebookの投稿「いいね!」ではなく、こうしよう
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幸せは、他人と比べた途端に色あせる
連載:吉元 由美
他人にいいことが起こったとき。それを直接聞いたとき、あなたはどんなリアクションをしますか? 「よかったね!」と心から喜べる。言葉では喜んでいるのだけれど、心の奥では少し違う感じがしている。また、FacebookなどのSNS上で他人にいいことが起こったことを知った時、素直に「いいね!」を押せるでしょうか?
他人の喜び事は、自分の心の状態を知るのにとてもいい機会です。他人の幸せも喜べる自分でありたいと思っていても、いつもそうなれない自分を感じている人も多いことでしょう。そう、他人の幸せを心から喜べること。心の鍛錬として、実はとても大切なこと。と同時に、なかなかむずかしいことです。私たちの心のどこかには、つい「他人と比べてしまう」という悪い癖があるからです。
人間の感情でいちばん醜いと思うのは、嫉妬です。もう少し厳しい言い方をすると、嫉妬は心を腐食させる感情です。それほど、毒性が強いと、私は考えます。
他人と自分を比べることから、嫉妬は生まれます。私よりも仕事ができる。私よりもスタイルがいい。私よりも、何でもうまくいっている。私よりも社交的で友達も多い……。自分のほうが優れていると思えば優越感になり、劣っていると思えば劣等感になる。でも、他人と比較するということから、ポジティブな感情は生まれにくいのです。そしてこれは心の「癖」でもあるので、自覚しにくいものなのです。
たとえば、仕事をうまくいっていない時、恋人とうまくいっていない時、Facebookを開くと友達の楽しそうな会食の写真や、旅行のレポートなどが目に入ります。その時に、心安らかに投稿を読むことができるでしょうか。
(私はこんなに大変なのに、あの人だけがなぜ?)
と思ってしまう。私にもそんな時があります。いいなあ…とうらやましく思うことがあります。そんな小さな嫉妬心が芽生えたら、それが「嫉妬」であることを自覚することが大切だと思います。(ああ、私は今、うらやましいと思っているんだ)こう明確に思えただけで、心の波立ちは収まります。すると、気持ちの切り替えが楽にできるようになるのです。
つまり、自分の感情をもうひとりの自分が眺めているイメージです。ああ、私は今悲しいんだ。今、淋しいんだ。感情を眺められるようになると、自分の感情の渦に巻き込まれなくなります。感情を豊かに感じることの大切さと、感情を眺めることの大切さ。このふたつを両立させていくと、心は穏やかさに包まれます。
幸せは、他人と比べた途端に色あせます。「いいね!」ではなく「素敵!」と素直に言ってみましょう。気持ちが少し、軽くなると思います。
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」
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