平凡な日常の生活の中に、新しい自分へ続く扉がある By - 吉元 由美 公開:2019-12-15 更新:2019-12-15 エッセイ吉元由美 Share Post LINE はてな コメント 吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。 私たちは「新しい扉」を開けながら生きている 佐野元春が16歳のときに書いた歌、『情けない週末』の中にこのようなフレーズがあります。 もう他人同士じゃないぜ あなたと暮らしていきたい 「生活」という うすのろを乗り越えて どこにでもある街の光景をコラージュのように切り取った歌詞の中で、「生活といううすのろ」という言葉がいちばんリアルに響きます。 生活とは退屈なもの、平凡なもの。朝起きて、朝ごはんを食べて、仕事に行く。仕事が終わり、家へ帰り…。洗濯をし、掃除をし、子供の世話をし…。生きていくということはそのような日常のルーティンの積み重ねです。 原稿を書いて、夕方近くなると犬の散歩をし、夕食を何にしようかと考える。淡々と、淡々と。時々、日常の営みの中に埋没していくのではないかと、焦るような気持ちになることがあります。「あなたと暮らす」ということは、日常の中にありながら、日常に埋もれずに、愛を生きるということなのだと、佐野元春は主張しているのでしょう。 「暮らす」とは「生きる」こととは違います。日常生活は淡々としたルーティンの中にあるかもしれませんが、その中にあってどのように生きていくか、日々を退屈な、平凡なものにしないポイントはこの違いを意識することにあります。 「生きる」というと大仰な印象があるかもしれませんが、ひとことで言うと「どう考えて、どう行動し、どう自分を生かしていくか」です。何か大きな仕事をするとか、偉業を成し遂げるということでもないのです。 どこにいて、何をしていても、自分を成長させることを止めないこと。日々、いろいろなことがあり、その中から大切なことを学び、心を進化さえていくこと。そういう意味で、家族、夫婦、子供、社会における人間関係ほど多くの学びの課題がある場はありません。 朝起きたとき、私は「今日の自分」を知りません。「明日の自分」がどうなっているかもわかりません。毎日、私たちは「新しい扉」を開きながら生きている…。こう考えてみると、平凡な日常のイメージにふっと光が射してきます。 朝起きたときに、(さあ、新しい扉を開けよう)。それまで体験していない何かがあったとき、(あ、新しい扉が開いた)と思ってみる。何かを始めたいと思ったとき(新しい扉を開けよう)と、一歩踏み出す。生え際に白髪を見つけてしまったときも、(新しい扉が開いたんだ)と思う。 日常の生活の中に、新しい自分へ続く扉がある。12月、大掃除を少しずつ始めながら、来年にどんな扉を開けようか心が踊るのです。 ※記事中の写真はすべてイメージ エレガントな終活~50歳から、もっと幸せになる~ エレガントな終活~50歳から、もっと幸せになる~吉元 由美1,394円(12/21 22:05時点)Amazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載しています 作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー [文・構成/吉元由美] 吉元由美 作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。 ⇒ 吉元由美オフィシャルサイト ⇒ 吉元由美Facebookページ ⇒ 単行本「大人の結婚」 快挙を成し遂げた狩野英孝、帰国便の搭乗券をよく見ると… 「さすがJAL」の声ホノルルマラソンから帰国する狩野英孝さんに、JALが用意したサプライズとは…。 ロケで出会う人を「お母さん」と呼ぶのは気になる ウイカが決めている呼び方とは?タレントがロケで街中の人を呼ぶ時の「お母さん」「お父さん」に違和感…。ファーストサマーウイカさんが実践している呼び方とは。 Share Post LINE はてな コメント
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
私たちは「新しい扉」を開けながら生きている
佐野元春が16歳のときに書いた歌、『情けない週末』の中にこのようなフレーズがあります。
もう他人同士じゃないぜ
あなたと暮らしていきたい
「生活」という うすのろを乗り越えて
どこにでもある街の光景をコラージュのように切り取った歌詞の中で、「生活といううすのろ」という言葉がいちばんリアルに響きます。
生活とは退屈なもの、平凡なもの。朝起きて、朝ごはんを食べて、仕事に行く。仕事が終わり、家へ帰り…。洗濯をし、掃除をし、子供の世話をし…。生きていくということはそのような日常のルーティンの積み重ねです。
原稿を書いて、夕方近くなると犬の散歩をし、夕食を何にしようかと考える。淡々と、淡々と。時々、日常の営みの中に埋没していくのではないかと、焦るような気持ちになることがあります。「あなたと暮らす」ということは、日常の中にありながら、日常に埋もれずに、愛を生きるということなのだと、佐野元春は主張しているのでしょう。
「暮らす」とは「生きる」こととは違います。日常生活は淡々としたルーティンの中にあるかもしれませんが、その中にあってどのように生きていくか、日々を退屈な、平凡なものにしないポイントはこの違いを意識することにあります。
「生きる」というと大仰な印象があるかもしれませんが、ひとことで言うと「どう考えて、どう行動し、どう自分を生かしていくか」です。何か大きな仕事をするとか、偉業を成し遂げるということでもないのです。
どこにいて、何をしていても、自分を成長させることを止めないこと。日々、いろいろなことがあり、その中から大切なことを学び、心を進化さえていくこと。そういう意味で、家族、夫婦、子供、社会における人間関係ほど多くの学びの課題がある場はありません。
朝起きたとき、私は「今日の自分」を知りません。「明日の自分」がどうなっているかもわかりません。毎日、私たちは「新しい扉」を開きながら生きている…。こう考えてみると、平凡な日常のイメージにふっと光が射してきます。
朝起きたときに、(さあ、新しい扉を開けよう)。それまで体験していない何かがあったとき、(あ、新しい扉が開いた)と思ってみる。何かを始めたいと思ったとき(新しい扉を開けよう)と、一歩踏み出す。生え際に白髪を見つけてしまったときも、(新しい扉が開いたんだ)と思う。
日常の生活の中に、新しい自分へ続く扉がある。12月、大掃除を少しずつ始めながら、来年にどんな扉を開けようか心が踊るのです。
※記事中の写真はすべてイメージ
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作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
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⇒ 単行本「大人の結婚」