笑うこと、ユーモア精神を持つことは、サバイバルにつながる
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
『笑い』でサバイバルしよう
「一年を何で数える? 525600のこの時を」
ブロードウェイミュージカル『RENT』のテーマ曲とも言える『Seasons of Love』。この歌は「一年を愛で数えよう」と主張します。
貧困、HIV、失業、LGBTなど、さまざまな事情を抱えた若者たちの姿を描いたこの作品の中の、どれだけ愛を持って生きられたか、愛しかないのだ、というリアリティが、観る者の胸に迫ります。
一年を何で数えるか。突き詰めていくとそれは、自分が世界をどう見ているか、この世界をどう感じているかということにつながります。何を大切にしているかということでもありますし、どれだけ『好きなこと』をしたか、という具体的なことでもいいのです。
いろいろなことが起こります。災害も事件、事故をはじめ、想像もしないことが起こります。人の善意とはかけ離れた出来事、不安や怖れを抱くようなことも起こります。
そこだけに焦点を当てて世界を見ると、世界はエゴと思惑が渦巻くカオスです。心は怒りと不安でいっぱいになるでしょう。反対に、どんな中にも希望を見出そうという視点があれば、渦巻くカオスの中の光が見える。焦点とは、自分がつけている視点のフィルターです。
いかなるときも、自分が平和であること。自分の心の中で安らげること。これは究極の危機管理だと思っています。
そして、世の中のカオスを承知した上で、自分がどうあるかを判断し、行動することが、ピンチをしなやかに乗りきることにつながると思います。
ドラッグストアやマーケットの棚が空になるという…ものがあふれている日常からは考えられないことが起こる。SNS上では無責任に情報が発信される。それを読んだ人がまた不安になる。実際の感染以上に、不安や怖れ、怒りの感染がどんどん拡散されていきました。
さて、「一年を何で数える?」か。日常が非日常になるならないに関わらず、『笑い』で数えるのはどうでしょうか。人を貶す笑いではなく、優しさのある笑い、ユーモアで。
『笑い』で数えるコツは、まずは自分の滑稽さについて笑えることです。人は、無意識のうちに滑稽なことをしているものです。そこに気づくには俯瞰してみること。
たとえば、ないとわかっていてもついマスク売り場をチェックしてしまう自分…。台風が来るとわかれば、ついバナナを買ってしまう自分…。笑えてしまうと、すっきりします。すると、心に余裕が生まれるのです。
心身の免疫力を上げること。笑えること、ユーモア精神を持つことは、実はサバイバルにつながるのです。
※記事中の写真はすべてイメージ
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作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」