ツバメの姿を見たい 親ツバメが、赤ちゃんツバメにエサをやる早技は美しく見事なもの
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こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。
燕の姿を見たい…
新緑の5月です。今月は記念日が続きますね…。1日が『メーデー』 2日が、夏も近づく『八十八夜』、3日が『憲法記念日』、4日が『みどりの日』、5日が『こどもの日』、8日が『母の日』と続き、祝日が多く、正に『ゴールデンウイーク』であります。
ところで、10日から『愛鳥週間』が始まりましたが、『バードウィーク』と言う言葉も最近は余り聴かれなくなりましたねぇ…。
都会ではマンションが多く、屋根瓦の家も少なくなり、屋根裏の軒先がなくなってきたので、ツバメの巣も見なくなってきました。
去年まで、毎年ツバメの巣を楽しみにしていましたので、今年は至極、残念であります。
親ツバメが、赤ちゃんツバメにエサを運んで来る甲斐甲斐しい巣の前での姿…赤ちゃんツバメが4、5羽、口を大きく開けて、エサを求める親子のシーンを、毎年この時季、楽しみにしていたのですが…。
やはり、周囲の環境の変化なのでしょうか…。
『燕返し』という剣術の使い手の1つに、振った刀の刃先を急激に反転させる表現があります。
親燕が、素早く身を反転させながら、『エサやり』に行き来する姿を借用したものですが、正に一瞬の早技で、軒下の巣で待っている赤ちゃんに、空中で、その身を見事に反転させながら、確実に赤ちゃんにエサをやる親燕の早技は、実に美しく見事なものであります。
地方都市に行けば、正に親子燕のエサ場の時季だと思いますが、今年はそれが見られなく、誠に残念であります。
東京のどこかで、燕の親子の交流のシーンを見たいものだと、街頭の軒下を見つめながら歩いている、今日この頃であります。
<2022年5月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2022年現在、アナウンサー生活64年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。