イルミネーションの煌めきのなかで平和を願う、自分たちができることとは
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
イルミネーションの向こう側に
12月、街はクリスマスのイルミネーションで彩られ、賑やかになってきます。
クリスマスツリーを見上げる人、写真を撮る人。いくつもショッピングバッグを持って足早に歩く人。ゆっくりと光の並木道を、腕を組みながら歩くカップル。
クリスマスという名のもとに人々が集まり、ご馳走をいただいて楽しい時間を過ごす。
ちょっとしたお祭りのような気分になる日本のクリスマス。
そんな賑やかさとは反対に、クリスマスをひとりで過ごす人もいるでしょう。
寒空の下で過ごす人もいる。争いの地で生きている人もいれば、休みなく働いている人もいる。
クリスマスは、世界はある意味パラレルワールドのようにできていることを改めて考えさせられる時期でもあります。
1990年にリリースされたデイヴィッド・フォスターの「Grown-up Christmas List」を初めて聴いたのは、「A David Foster Christmas Card」というテレビ番組でした。
デイヴィッド・フォスターのファミリーがアーティストたちを迎えてクリスマス休暇を過ごすという内容で、新旧のクリスマスソングが新しいアレンジで披露されます。
その中で、ナタリー・コールが歌った「Grown-up Christmas List」には泣けました。
大人になった私の願い事は、私の為ではなく、それを必要としている人たちへ。
人生を引き裂くような戦争は起こさないで。すべての人に友達がいて、愛が永遠であるように。
この曲がリリースされた1990年、湾岸戦争が勃発しました。
飛び交う砲弾のニュース映像を見た時、人間はまだこんなことをやっているのか、と落胆したことを今でもよく覚えています。
世界中の人がこの歌を聴いて平和になればいいのに、と夢みたいなことも考えました。
それから34年経ったいま、世界はさらに混沌としています。
イルミネーションの一瞬の煌めきもない世界がどこかにある。
そんな現実に対して何ができるわけではないのですが、自分たちの大切なものを大切にすることが、今、ここ、この瞬間にできることではないかと思うのです。
「Grown-up Christmas List」を日本語で伝えたい。歌えるのは平原綾香しかない!と確信し、2006年に「CHRISTMAS LIST」をリリースしました。
歌で世界を変えることはできないし、争いを止めることもできないでしょう。
でも、聴いた人の心に染み入り、一瞬でも心に灯をともすことはできるかもしれない。
ジョン・レノンの「IMAGINE」が時々心に静寂をもたらしてくれるように、クリスマスにこの歌が必要としている人に心を寄せるきっかけになればいいなと思う。
世界に調和がもたらされることを、私たちはあきらめてはいけないと思うのです。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」