「自分を大切にする」とは? 五行詩で『本当の思い』を言葉にしてみて
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
「自分を大切にする」五行詩のすすめ
「自分を大切にする」とは、どういうことなのか。健康に気を使う。体に良いものを食べる。自分の心に素直になる。やりたいことをやる。心地いいことをする。癒す。時には甘やかす……。
そのどれもが当てはまり、すぐにできる自分を大切にする具体的な方法です。『自分探し』ということではなく、自覚している自分の他に、まだ知らない自分がいるかもしれない。
本当の自分の思いを、はたして私はわかっているのか。迷ったり、悩んだとき、ふとそんなことを思います。
「本当の思い?」そんなものがあることにも気づかずにいるかもしれません。自分のことは自分がいちばんわかっているはず。
もちろん、大抵は分かっているのですが、意識の奥の奥には言葉にならずにしまいこんだ出来事や記憶があるかもしれない。
私たちは人生に緩やかな清い流ればかりを求め、濁流を体験することを恐れるものです。自分の見たくないものには目を逸らし、そこにある『本当の思い』を避けていないか。
それは川の流れにある石のように、気持ちの流れを堰き止め、流れを変則的にするものです。雨が降れば濁流になる。
日常の中に、また人生の所々で、小雨も降れば、大雨にも降られます。それをなかったことにはできません。
私たちの心の中には、言葉にならない本当の思い、本音がたくさんあります。それらに名前を与えるように言葉にしていく。自分の内側から外に出してやる。
長い文章を書く必要はなく、メモ書きのように書くのでも、詩のように書くのもいいのです。大切なことは、言葉、文章、詩を自分の本当の思いを知る『水路』にすることなのです。
言葉にする方法の一つとして、『五行詩』はとりかかりやすい形式です。五行詩とは、五行からなる自由詩です。
文字数の制限などはありませんが、できるだけ簡潔な一行であること、声に出して読んだときに読みやすいリズムであることが望ましいです。
呟くように書いてもいいし、感動のままに書いてもいい。心の一場面、日々の一場面をスマートフォンで撮影するように綴ってみる。
日記に、本音をぶつけるように書くことがあります。その本音を五行詩として形を整えることで、自分に寄り添ってくれるような感じがします。
そしてその五行詩を読み返すたびに心にしみてくる。自分の本当の気持ちが安堵している、という感じがし、それは自分自身と一緒にいることでもあるのです。
自分を大切にする。それは、痛みも淋しさも悲しみも孤独も、もちろん喜びも楽しさも愛しさも、自分の中にある思いをすべて抱きしめるということなのだと、時を重ねてやっと思うようになりました。
五行詩は、自分の内と外を結ぶ水路になるのです。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」