クスリ、ニンマリとする『健康な笑い』 日常用語でサラリと世相を表現する川柳の魅力
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こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。
川柳の機知とユーモア
毎年春先になると、或る生命保険会社が主催する『サラリーマン川柳コンクール』の優秀作品が紙上で発表され クスリ、ニンマリ とする笑いを提供してくれます。
コロナ禍で眉を潜めるニュースや話題が多い中で『健康な笑い』を提供してくれる川柳句作の名手の方々には、本当に敬意を表したいと思っています。
さて、今年の世相は、コロナ一辺倒ですから、当然コロナ禍の社会生活や日常生活がテーマとなっています。
優秀作の100句は、甲乙つけがたい秀作ばかりですが、その中で当方が思わず笑い、膝を叩いた作品をご紹介したいと思います。
①咳き込んで 視線が痛い 電車内
(愛飲酒多飲)
②会社へは 来るなと上司 行けと妻
(なかじ)
③「やばいです」それはいいのか 悪いのか
(カクト)
④何曜日? 在宅勤務で わからなく
(小平主計将校)
⑤抱き上げた 孫が一言 密ですよ
(白いカラス)
5月の下旬にベスト10が発表されるそうですが、私好みで選んだ上記の5作品から1句でも入賞してくれると 嬉しいですね。
難しい漢字や諺などを使うのではなく、日常用語でサラリと世相を表現する川柳の魅力。並みの言葉の使い手ではありません。
年寄りの冷や水と笑われそうですが、少し勉強してみようかな…と思っております。
ところで、最近当方が 毎日実感していることですが、それは以前 優秀作品の1つでありました。
何だっけ 聞こうとしてたの 何だっけ
(老人力)
年はとりたくないものですねぇ…。
※掲載句は第一生命株式会社様より許諾を頂いています。
<2021年4月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2021年現在、アナウンサー生活63年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。