意外と知らない『中絶』した後のこと 命を授かることについて改めて考えたい 提供:講談社 By - grape編集部 公開:2016-12-19 更新:2016-12-19 エッセイ出産 Share Post LINE はてな 子どもが欲しい人にとって妊娠はとても喜ばしいことですが、様々な事情により出産できないため『中絶』を選ぶという人も少なくありません。 妊娠している週数により、中絶の処置は異なります。日帰りで終わる場合もあれば、出産と同じように数日入院が必要となる場合もあります。 中絶について調べてみると、処置の仕方や費用などの情報はありますが、その後についてはあまり語られることはありません。 作者の体験を元に描かれた漫画『透明なゆりかご』では、そんな『中絶のその後』について、紹介されています。 産婦人科で実際に体験したことを元に描かれた 漫画『透明なゆりかご』は販売累計、紙+電子で170万部を超えている、エッセイコミック。 作者であり、主人公でもある沖田×華(おきた ばっか)さんが、看護師見習いとして産婦人科でアルバイトをしていたときの体験を元に描かれています。 絵柄はシンプルで柔らかいテイストですが、ストーリーはとてもリアルで生々しく、胸を打つものばかりです。 私の仕事は中絶した後『命だったカケラ』を集めること 看護師見習いの×華さんの仕事は、主に掃除や新生児のお世話、患者さんの介助など。 准看護の免許を持っていないため、ナースキャップの代わりに三角巾をつけて業務を行っていたそうです。 そんな×華さんの仕事の一つが、人工妊娠中絶で取り出された、命だったものの処置です。 『命だったカケラ』を1つ1つピンセットで丁寧に拾い集め、手のひらに収まるほど小さな容器に詰めていく作業。 そしてその小さな容器は、誰の目にも触れること無く、業者の方が集荷して火葬してくれるのだそうです。 毎日何人もの、この世に生まれてくることが出来なかった命を見送った×華さん。 「日の光も見ないで、暗い所に入れるのはかわいそうだったから」 ×華さんは業者に渡す前、その小さな棺を持って景色を見せたり、童謡を歌ってあげたりしていたそうです。 女性にとって『中絶をする』という選択について 中絶は早い段階であれば身体への負担も少なく、日帰りで受けられるような手術です。しかし、心への負担はどうなのでしょうか? ×華さんの働く産婦人科で中絶手術を受けた女性が「医療ミスじゃないの?」と怒鳴り込んできたときのこと。 興奮した女性は、病院に来ていた他の女性の子供を蹴り飛ばし、病院の外へと逃走してしまいます。 ×華さんが慌てて外へ探しに行くと、近くの保育園で遊ぶ子供たちに向かって、石を投げようとしている女性の姿。 大声で助けを求めながら女性を止めると、女性は泣き崩れてしまいます。 早い段階での中絶は、そんなに難しい手術ではありませんが、それを選ぶことへの心の負担は、人によって違うのです。 命を授かるということについて改めて考えたい 命を体内で育むということは、女性にしか出来ません。そして、命を授かった後のリスクは、全て母体が負うことになります。 中絶が悪い、産むことが正しい、そういった判断は、簡単にできることではありません。 けれど、妊娠したら堕ろせばいいや、と軽い気持ちで考える人が少なくないことも事実です。 『透明なゆりかご』では、高校生で子供を出産した女性や、流産を経験した女性がもう一度妊娠する話など、産婦人科病院ならではの、リアルな体験がつづられています。 命を授かるということは、自分の人生、周りの人の人生、そして新しい生命の人生を考えることになります。 子どもが欲しいと思っている人も、そうでない人も、命を授かるということ、避妊や中絶をするということについて、改めて考えてみませんか? Kiss | 講談社 Share Post LINE はてな
子どもが欲しい人にとって妊娠はとても喜ばしいことですが、様々な事情により出産できないため『中絶』を選ぶという人も少なくありません。
妊娠している週数により、中絶の処置は異なります。日帰りで終わる場合もあれば、出産と同じように数日入院が必要となる場合もあります。
中絶について調べてみると、処置の仕方や費用などの情報はありますが、その後についてはあまり語られることはありません。
作者の体験を元に描かれた漫画『透明なゆりかご』では、そんな『中絶のその後』について、紹介されています。
産婦人科で実際に体験したことを元に描かれた
漫画『透明なゆりかご』は販売累計、紙+電子で170万部を超えている、エッセイコミック。
作者であり、主人公でもある沖田×華(おきた ばっか)さんが、看護師見習いとして産婦人科でアルバイトをしていたときの体験を元に描かれています。
絵柄はシンプルで柔らかいテイストですが、ストーリーはとてもリアルで生々しく、胸を打つものばかりです。
私の仕事は中絶した後『命だったカケラ』を集めること
看護師見習いの×華さんの仕事は、主に掃除や新生児のお世話、患者さんの介助など。
准看護の免許を持っていないため、ナースキャップの代わりに三角巾をつけて業務を行っていたそうです。
そんな×華さんの仕事の一つが、人工妊娠中絶で取り出された、命だったものの処置です。
『命だったカケラ』を1つ1つピンセットで丁寧に拾い集め、手のひらに収まるほど小さな容器に詰めていく作業。
そしてその小さな容器は、誰の目にも触れること無く、業者の方が集荷して火葬してくれるのだそうです。
毎日何人もの、この世に生まれてくることが出来なかった命を見送った×華さん。
「日の光も見ないで、暗い所に入れるのはかわいそうだったから」
×華さんは業者に渡す前、その小さな棺を持って景色を見せたり、童謡を歌ってあげたりしていたそうです。
女性にとって『中絶をする』という選択について
中絶は早い段階であれば身体への負担も少なく、日帰りで受けられるような手術です。しかし、心への負担はどうなのでしょうか?
×華さんの働く産婦人科で中絶手術を受けた女性が「医療ミスじゃないの?」と怒鳴り込んできたときのこと。
興奮した女性は、病院に来ていた他の女性の子供を蹴り飛ばし、病院の外へと逃走してしまいます。
×華さんが慌てて外へ探しに行くと、近くの保育園で遊ぶ子供たちに向かって、石を投げようとしている女性の姿。
大声で助けを求めながら女性を止めると、女性は泣き崩れてしまいます。
早い段階での中絶は、そんなに難しい手術ではありませんが、それを選ぶことへの心の負担は、人によって違うのです。
命を授かるということについて改めて考えたい
命を体内で育むということは、女性にしか出来ません。そして、命を授かった後のリスクは、全て母体が負うことになります。
中絶が悪い、産むことが正しい、そういった判断は、簡単にできることではありません。
けれど、妊娠したら堕ろせばいいや、と軽い気持ちで考える人が少なくないことも事実です。
『透明なゆりかご』では、高校生で子供を出産した女性や、流産を経験した女性がもう一度妊娠する話など、産婦人科病院ならではの、リアルな体験がつづられています。
命を授かるということは、自分の人生、周りの人の人生、そして新しい生命の人生を考えることになります。
子どもが欲しいと思っている人も、そうでない人も、命を授かるということ、避妊や中絶をするということについて、改めて考えてみませんか?
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