奇跡は私たちの中に 時には、スケールを大きく物事を考えてみる By - 吉元 由美 公開:2019-07-28 更新:2019-07-28 エッセイ吉元由美 Share Post LINE はてな コメント 吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。 奇跡は私たちの中にある 人間は60兆の細胞でできている…。そう考えられていた説が、2013年、イタリアの生物学者たちによって成人の細胞数は37兆2000億と推定する論文が発表されました。 60兆であれ、37兆2000億であれ、私たちが生命活動を維持していられるのは、0.001mmから0.1mm(骨格筋細胞は0.1mm、長さは10cm)ほどの細胞の中にある遺伝子のおかげです。 全世界70億人の人間の遺伝子を集めて固めると、どのくらいの大きさになるか。命の軌跡について、生きているということがどれほど素晴らしいか講演などで伝えるとき、私はよくこう問いかけます。 分子生物学者である筑波大学名誉教授の村上和雄先生によると、それは米粒一つほど大きさだそうです。これは細胞が60兆個で計算されたものなので、37兆2000個に減ったら、もう少し小さくなるかもしれません。どちらにしても、すごいことだと思いませんか? 米粒ひとつの中に70億人の生命維持のプログラムが入っているのです。 遺伝子の驚くべきプログラム。村上和雄先生は、科学者でありながらこの遺伝子がどのように作られたのか説明ができない、と言います。大いなるなにものかが創ったとしか考えられない…ということで、それをサムシング・グレートと名付けました。 地球上には、人類も含め多種多様な生き物が存在します。生態系も完璧に創られています。命を存在、存続させるために必要なシステムが備わっています。では、どのようにしてこのようなシステムが備わった惑星ができ、命が生まれたのでしょうか。一人ひとりの命は、まさにその物語そのものを表していると思うのです。 宇宙空間にあった塵と塵がたまたま引き合いながら星ができていった。とてつもなく長い年月をかけ、さまざまなプロセスを経ながら。そしてそこにたまたま一つの細胞、単細胞生物が誕生し、途方もなく長い年月をかけながら多種多様な生き物へと進化を遂げていった…。そのことは科学で説明ができるのでしょう。 ではなぜ、「たまたま」塵と塵が引き合い地球ができ、「たまたま」一つの細胞が誕生したのか。この「たまたま」、偶然を説明することは難しいでしょう。一つの細胞から、なぜ精密な遺伝子ができたのか。 村上和雄先生が言うサムシング・グレートが実際に存在しているのか、わかりません。それを神と呼ぶのか、創造主と呼ぶのか、宇宙と呼ぶのか、わかりません。そんな呼び方ではないかもしれない。でも、私たちの命、遺伝子の中には地球創造の時間が刻まれており、その年月の最先端で生きているのです。そのすさまじさに思いを馳せると、命というものへの意識が変わります。 私たちは「ものすごい存在」。時には、スケールを大きく物事を考えてみましょう。大げさだと思っても、物事を望遠鏡の視点で見て、顕微鏡の視点で見てみる。すると、ひらけてくる世界があります。 奇跡は、私たちの中にあるのです。 ※記事中の写真はすべてイメージ エレガントな終活~50歳から、もっと幸せになる~ エレガントな終活~50歳から、もっと幸せになる~吉元 由美1,394円(12/21 22:05時点)Amazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載しています 作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー [文・構成/吉元由美] 吉元由美 作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。 ⇒ 吉元由美オフィシャルサイト ⇒ 吉元由美Facebookページ ⇒ 単行本「大人の結婚」 快挙を成し遂げた狩野英孝、帰国便の搭乗券をよく見ると… 「さすがJAL」の声ホノルルマラソンから帰国する狩野英孝さんに、JALが用意したサプライズとは…。 ロケで出会う人を「お母さん」と呼ぶのは気になる ウイカが決めている呼び方とは?タレントがロケで街中の人を呼ぶ時の「お母さん」「お父さん」に違和感…。ファーストサマーウイカさんが実践している呼び方とは。 Share Post LINE はてな コメント
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
奇跡は私たちの中にある
人間は60兆の細胞でできている…。そう考えられていた説が、2013年、イタリアの生物学者たちによって成人の細胞数は37兆2000億と推定する論文が発表されました。
60兆であれ、37兆2000億であれ、私たちが生命活動を維持していられるのは、0.001mmから0.1mm(骨格筋細胞は0.1mm、長さは10cm)ほどの細胞の中にある遺伝子のおかげです。
全世界70億人の人間の遺伝子を集めて固めると、どのくらいの大きさになるか。命の軌跡について、生きているということがどれほど素晴らしいか講演などで伝えるとき、私はよくこう問いかけます。
分子生物学者である筑波大学名誉教授の村上和雄先生によると、それは米粒一つほど大きさだそうです。これは細胞が60兆個で計算されたものなので、37兆2000個に減ったら、もう少し小さくなるかもしれません。どちらにしても、すごいことだと思いませんか? 米粒ひとつの中に70億人の生命維持のプログラムが入っているのです。
遺伝子の驚くべきプログラム。村上和雄先生は、科学者でありながらこの遺伝子がどのように作られたのか説明ができない、と言います。大いなるなにものかが創ったとしか考えられない…ということで、それをサムシング・グレートと名付けました。
地球上には、人類も含め多種多様な生き物が存在します。生態系も完璧に創られています。命を存在、存続させるために必要なシステムが備わっています。では、どのようにしてこのようなシステムが備わった惑星ができ、命が生まれたのでしょうか。一人ひとりの命は、まさにその物語そのものを表していると思うのです。
宇宙空間にあった塵と塵がたまたま引き合いながら星ができていった。とてつもなく長い年月をかけ、さまざまなプロセスを経ながら。そしてそこにたまたま一つの細胞、単細胞生物が誕生し、途方もなく長い年月をかけながら多種多様な生き物へと進化を遂げていった…。そのことは科学で説明ができるのでしょう。
ではなぜ、「たまたま」塵と塵が引き合い地球ができ、「たまたま」一つの細胞が誕生したのか。この「たまたま」、偶然を説明することは難しいでしょう。一つの細胞から、なぜ精密な遺伝子ができたのか。
村上和雄先生が言うサムシング・グレートが実際に存在しているのか、わかりません。それを神と呼ぶのか、創造主と呼ぶのか、宇宙と呼ぶのか、わかりません。そんな呼び方ではないかもしれない。でも、私たちの命、遺伝子の中には地球創造の時間が刻まれており、その年月の最先端で生きているのです。そのすさまじさに思いを馳せると、命というものへの意識が変わります。
私たちは「ものすごい存在」。時には、スケールを大きく物事を考えてみましょう。大げさだと思っても、物事を望遠鏡の視点で見て、顕微鏡の視点で見てみる。すると、ひらけてくる世界があります。
奇跡は、私たちの中にあるのです。
※記事中の写真はすべてイメージ
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作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
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⇒ 単行本「大人の結婚」