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「もしも今、余命を宣告されたら」 限られた時間をどう生きるか

By - 吉元 由美  公開:  更新:

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瓶を眺める女性の写真

吉元由美の『ひと・もの・こと』

作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。

たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。

限られた時間をどう生きようか

もしも今、余命を宣告されたら私はどうするだろうか。命の期限を突きつけられたのだから衝撃を受けるし、嘆くだろうし、大泣きするでしょう。

後悔すること、やり残したことばかりを思い出し、もう時間がないことを悲しく、悔しく思うかもしれない。

問題はその後。腹を括って、その期限までにやりたいことをやる。会いたい人に会う。残された人たちが困らないように捨てるものは捨て、整理する。銀行、Web関係のパスワードを記しておく。遺言書を書く。

やらなくてはならないことが多すぎて時間が足りなくなりそうです。後を濁さずに旅立つのは大変なことです。そしてひとりでは生きられないことを痛感します。

タイピングをする女性の手の写真

余命という現実に腹を括り、そこへ向かっていくという選択。一方でその現実を受け入れない。自分は死なないという選択に腹を括り、生きるためのあらゆる治療を試みる、という道もあります。

ある友人は生き続ける覚悟をし、宣告されてから6年、完治したわけではないですが元気にしています。

友人曰く、余命を受け入れたらそのようになってしまう、と。

コーヒーとノートの写真

50歳になったとき、私は初めて自分に与えられている時間について考えました。これからの20年は、これまでの20年とは違う。

20代で作詞家になり、結婚をし、子どもを育てた時代は、嵐のように過ぎていきました。そのせいか覚えていないことも多いのです。

50歳からの20年はこれまでやったことのないことにチャレンジし、一つ一つのことを楽しみ、味わい尽くして生きていこうと決めました。

光に包まれるブルーの石の写真

そして50歳からの20年、もう半分を過ぎました。怖いものなしの若い頃、自分がこの年齢になるなんて想像もできなかった。

そして年を重ねるということは身体的なことも含め、自由でなくなっていくのではないかと思っていました。

ところがそうではなかった!あちこちに身体の不調は出てくるのですが、心はどんどん自由になっていくのです。

妙なこだわりはなくなり、他人のことを気にしなくなり、承認欲求もない。本当に欲しいものしか欲しくなくなる。囚われがなくなる。心にくっついていた不純なものが、一つ二つと剥がれ落ちていくのです。

もちろん持ち続ける人もいるかもしれません。ストレスの原因になるような心の持ち方はいらない!と決めると、どんどん自由になっていく。

いま、この瞬間を味わい尽すことができるようになったように思います。

夕暮れの海で手を広げる女性の写真

さて、余命を宣告されたら、私ならどうするか。後に残る人に迷惑にならないように諸々を整理しつつ、「生きる」と決めて最善の選択をしていく。

机上の空論ですが、そうなれる自分でありたい。そのためにも、山あり谷ありを楽しみ、いま、ここ、この瞬間を味わい尽そうと思うのです。

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※記事中の写真はすべてイメージ


[文・構成/吉元由美]

吉元由美

作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
吉元由美オフィシャルサイト
吉元由美Facebookページ
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