最近、本気になったことがある? 本気になると、道が開ける By - 吉元 由美 公開:2022-02-27 更新:2022-02-27 エッセイ吉元由美 Share Post LINE はてな コメント 吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。 本気になると道が開ける (最近、本気になったことがあるだろうか) 音楽大学のミュージカル科の卒業公演『RENT』のサポートしながら、ふと思いました。 指導、演出している大人たちはプロ中のプロフェッショナル。バンドのメンバーも、普段はアーティストのステージで演奏する人たちです。 指導陣が目指すところに学生たちのパフォーマンスをどこまで持っていけるか。学生たちはどこまで進化できるのか、進化したいのか。 発表会でなく公演として成立させるハードルは、お互いにとって高い高いものです。 「大人が本気にならなくて、どうして学生たちが本気になれるのか。学生たちの本気度が甘いのは、大人の本気度が甘いからだ。本気になることがかっこいい!と、示していこう」 演出家のこの言葉に、ハッとしました。私は、最近本気になって何かをしただろうか。熱いくらいの本気度……。それは情熱という言葉に置き換えられるかもしれません。 日々の中で手応えを感じているか。ああ、何だか本気から遠ざかっている気がする。これには焦りを感じます。 仕事をするとき、学生に教えるとき、コンテンツを考えているとき、もちろん本気で取り組みます。適当に何かができるほど、器用ではありません。 でも、何かが足りない。それは、今感じている本気度を超えていこうとする気概です。 東宝ミュージカル『RENT』の日本語詞を書くのは難儀しました。自分の不甲斐なさに、作詞家になって初めて涙が出ました。 英語の楽曲に日本語を載せる。ミュージカルの歌詞は台詞なので、情報を入れ込まなければなりません。 例えば、I love you.という歌詞は3つの音にのります。日本語で正確に伝えようとすると「わたしはあなたがすきです」と、8つの音が必要になります。 もちろん「すきよ」と3つの音でも伝えられますが、あくまで一例として。言葉を凝縮し、意味を保ち、なおかつ歌詞として成立させていく。 今思い出しても厳しい仕事でしたが、多くのことを学び、多くのインスパイアを受けました。 時間は限られている。その中でどれだけ本気になれることと出会っていくか。本気になると、道が開ける。それは、人生の宝物になります。 そして、日々の仕事にも、ごはんを作ることにも、掃除をすることにも本気をこめる。 本気になったときに見えてくる風景を楽しみながら、進化していきましょう。 ※記事中の写真はすべてイメージ 作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー [文・構成/吉元由美] 吉元由美 作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。 ⇒ 吉元由美オフィシャルサイト ⇒ 吉元由美Facebookページ ⇒ 単行本「大人の結婚」 快挙を成し遂げた狩野英孝、帰国便の搭乗券をよく見ると… 「さすがJAL」の声ホノルルマラソンから帰国する狩野英孝さんに、JALが用意したサプライズとは…。 ロケで出会う人を「お母さん」と呼ぶのは気になる ウイカが決めている呼び方とは?タレントがロケで街中の人を呼ぶ時の「お母さん」「お父さん」に違和感…。ファーストサマーウイカさんが実践している呼び方とは。 Share Post LINE はてな コメント
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
本気になると道が開ける
(最近、本気になったことがあるだろうか)
音楽大学のミュージカル科の卒業公演『RENT』のサポートしながら、ふと思いました。
指導、演出している大人たちはプロ中のプロフェッショナル。バンドのメンバーも、普段はアーティストのステージで演奏する人たちです。
指導陣が目指すところに学生たちのパフォーマンスをどこまで持っていけるか。学生たちはどこまで進化できるのか、進化したいのか。
発表会でなく公演として成立させるハードルは、お互いにとって高い高いものです。
「大人が本気にならなくて、どうして学生たちが本気になれるのか。学生たちの本気度が甘いのは、大人の本気度が甘いからだ。本気になることがかっこいい!と、示していこう」
演出家のこの言葉に、ハッとしました。私は、最近本気になって何かをしただろうか。熱いくらいの本気度……。それは情熱という言葉に置き換えられるかもしれません。
日々の中で手応えを感じているか。ああ、何だか本気から遠ざかっている気がする。これには焦りを感じます。
仕事をするとき、学生に教えるとき、コンテンツを考えているとき、もちろん本気で取り組みます。適当に何かができるほど、器用ではありません。
でも、何かが足りない。それは、今感じている本気度を超えていこうとする気概です。
東宝ミュージカル『RENT』の日本語詞を書くのは難儀しました。自分の不甲斐なさに、作詞家になって初めて涙が出ました。
英語の楽曲に日本語を載せる。ミュージカルの歌詞は台詞なので、情報を入れ込まなければなりません。
例えば、I love you.という歌詞は3つの音にのります。日本語で正確に伝えようとすると「わたしはあなたがすきです」と、8つの音が必要になります。
もちろん「すきよ」と3つの音でも伝えられますが、あくまで一例として。言葉を凝縮し、意味を保ち、なおかつ歌詞として成立させていく。
今思い出しても厳しい仕事でしたが、多くのことを学び、多くのインスパイアを受けました。
時間は限られている。その中でどれだけ本気になれることと出会っていくか。本気になると、道が開ける。それは、人生の宝物になります。
そして、日々の仕事にも、ごはんを作ることにも、掃除をすることにも本気をこめる。
本気になったときに見えてくる風景を楽しみながら、進化していきましょう。
※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」