揺らぎ始めた日本語の土台 「あやしい日本語」とは
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※写真はイメージ
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grape [グレイプ] entertainment
こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。
あやしい日本語
全然OKです。
ヤバイです。
本来は否定的な表現が、今は肯定的に使われていますが、もう耳慣れましたねぇ…。ことばは時代によって変化して行くものでしょうが、本来の意味とは違う使い方がかなり蔓延していることが、昨年秋の文化庁の調査で判りました。
それによりますと、『憮然』、本来は「失望してぼんやりしている様子」なのに「腹を立てている様子」、『砂をかむように』は、本来の「無味乾燥でつまらない様子」より「悔しくてたまらない様子」、『御の字』は本来の「大いに有難い」より「一応納得できる」が大半、嘘偽りがない事を誓う『天地神明に誓って』は、「天地天明に誓って」が多かったのです。
このような、使い方が大半を占めていることは、日本語の土台が揺らぎ始めていると、昭和人は気遣わざるを得ないのです。この要因としては、会話量や読書量が減っているとのことですが、あぁそうですか…と簡単に聞き流す訳には行きません。
テレビのお菓子のCMで、1口食べた美女が、「これはヤバイ!」と言ってニッコリするのは、なんともはや、目も耳も被いたくなります。今はお勤めの若い女性も平然と人前でヤバイ! を肯定的に使っています。
『悪貨は良貨を駆逐する』という経済用語がありますが『話し言葉』は、メディアに乗るとあっという間に全国に伝播し、地方の子供達も面白がって使うようになり、自然に日常用語として身についてしまいます。美しい日本語なら、嬉しいのですが…。
今、怪しい日本語が、気がつけば想像以上に拡まっています。次回は、ついつい間違って使っている『勘違いことば』をドッサリご紹介したいと思っています。
<2020年2月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2019年現在、アナウンサー生活61年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。