『差別感を与える言葉』 あなたは知らずに使っていませんか
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こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独り言』にお付き合いください。
差別感を与える『ことば』
アナウンサー押阪忍の『美しいことば』
『政府の高級官僚や、県知事、市長、スポーツ界の監督が「セクハラやパワハラ」の不祥事で、辞任』というニュースが 矢継ぎ早に出ています。その内容は『ヘイトスピーチ』にもあたると思いますが、『言葉』は不用意に使うと、人の心を深く傷つける場合があるので要注意です。
学校での『いじめ』も『ことばによる暴力』が大半だといわれており、それは「セクハラやパワハラ」につながっているそうです。
政治、経済、文化、芸能、スポーツ界、どの分野でも先輩 同僚 後輩としての言葉違いはありますが、得てして先輩から下りてくる表現には、かなり荒っぽいものがあり、時に心が傷つく場合もありますよね。中でも身体に関する差別的な表現は、厳として慎まなければなりません。
身体については「どこどこの不自由な人」と、使って下さい。
実は、普段、何げなく使っている会話の中でも相手に差別感を与えることばが入っているかもしれませんよ。例えば「交通事故があって、”おまわりさん”が 二人来てるよ…」って言いますよねぇ。でも、”おまわりさん”は正式には使えない表現なのです。公式には『警察官』なのです。
「子どもたちの下校時に”婦警さん”が付き添っています…。」”婦”の字は 主婦として使うように結婚しているという意味が含まれているので、独身の警察官には不適切です。従って『女性警察官』となります。外人もダメです。『外国人』と使って下さい。
そんな差別感を連想させることばを、私達は知らず知らずに使っていますので、次回から数回にわたって、差別や偏見を与えることばについて書いてみようと思います。どうぞおつき合い下さいませ。
<2018年7月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典なども行う。2018年現在、アナウンサー生活60年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。