パラアスリートとしては初めての『国民栄誉賞』を受賞した、国枝慎吾選手
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こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。
テニスの国枝慎吾さん 国民栄誉賞
車椅子テニスで数々の偉業を成し遂げ、1月に現役引退を発表していた国枝慎吾選手(39才)にこのほど、国民栄誉賞が授与されました。
パラアスリートとしては、初の受賞だそうですが、3月17日に首相官邸で表彰式が行われたそうです。国枝選手、おめでとうございます。
この表彰は、テニス界だけの朗報ではなく、パラスポーツ界への激励と捉えております。
国枝選手の試合は、光る汗と、みなぎる力と、パラアスリートの誇りが滲み出ていたように思います。
片手で車椅子を前後左右に駆使し、右手のラケットでボールを捕え、強烈なスマッシュを相手に与える。ラリーが続けば続く程、車椅子の操作が続く訳ですから、体力の消耗は並大抵のものではないのです。
彼の海外での試合を何度も見てきましたが、彼がスマッシュや試合中の自分のミスで表情を大きく曇らせるというシーンはあまり記憶には残っておりません。
むしろ「日本男児ここにあり!」という心意気というか、潔さを感じさせてくれました。まさに彼は日本男児であります。
今回パラアスリートとしては初めての『国民栄誉賞』受賞。世界ランキング第一位のまま引退した『絶対王者』だけに、今後の彼の一言なり説明は相当の説得力であろうと想像を逞しくしております。
「テニス人生で、試合中の一球一球はもちろん、プロ宣言、手術など、節目で決断をし続けてきた。それぞれで実行に移した行動力は成功体験として残っている。それは、これからの人生でしっかり活きると思います」
国枝さん引退時の言葉であります。
<2023年3月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2023年現在、アナウンサー生活65年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。