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なぜ『ヌンチャク=ニンジャ』なの?海外で、般若のマスクで白熱パフォーマンスをする男

By - grape編集部  公開:  更新:

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バラエティー番組『月曜から夜更かし』などに出演し、話題を集めているヌンチャクの達人、ニンジャHIROKIさん。

TVでは、ヌンチャクの技でペットボトルのキャップを開けたり、バッティングセンターで160キロの球をヌンチャクで打ち返すなど、奇想天外な技を披露して、お茶の間に笑いを届けています。

そんな彼が国際的な舞台で、普段TVで見せない、勇ましい姿を披露しました。

『ニンジャ=ヌンチャク』で、世界が注目するステージへ

米国で、あらゆる分野の人たちがプレゼンテーションを行う講演会を主催している『TED』。動画配信も行っていて、多くの人が注目しています。

ニンジャHIROKIさんは2017年7月16日、そんなTEDから正式にライセンスを受けて独立して運営しているコミュニティー『TEDxSapporo 2017』のオープニングアクトを務めたのです。彼の圧倒的なパフォーマンスで、緊迫した空気が会場に漂い、観客は息を飲みました。その模様はYouTubeにも動画が公開され、海外を中心に話題となり始めています。

ニンジャHIROKIさんは、なぜいまヌンチャクを広めようとしているのか…本人に話を伺ったところ、彼が持つ強い信念を語ってくれました。

ーーまず、ヌンチャクを始めたきっかけを教えてください。

子どものころにTVで見たブルース・リー映画の影響です。瞬く間に特撮ヒーローへの憧れからブルース・リーへと変わりました。

ブルース・リーが操っていたヌンチャクをマスターすれば、私もブルース・リーになることができると子ども心がそう感じたのがきっかけです。そして10歳の時に空手道場に入門しました。

ーーヌンチャクとは、そもそも何でしょうか。

ヌンチャクの発祥は所説ありますが、そのうちの1つが『沖縄のムーゲー説』です。ムーゲーとは、馬の轡(くつわ)で馬の顔に使用します。その形状とサイズがヌンチャクにそのまま応用できますので隠し武器になるんです。

要はヌンチャクは武器として誕生したわけではなく、身を守るために先人の知恵と勇気が馬の道具をヌンチャクへと変化させたんですね。

ーーヌンチャク無形無限流を起こしたいきさつは何ですか。

ヌンチャクは沖縄発祥の空手の古武器として脈々と受け継がれています。もし、ヌンチャクをマスターしたいと思うならば「空手ありき」としてまずは空手修行が必須となります。そこで修行25年目に、空手を知らなくてもヌンチャクをマスターできる術理を作ろうと思ったのがいきさつです。

術理としてヌンチャクをマスターできるという意味は、ジャグリングのように華麗に振り回すことではなく、ヌンチャクで相手を仕留めることができることを指します。 そのため、基本動作の素振りだけではなく、防具をつけお互いに打ち合う組手稽古も行うんですよ。極めてストイックな世界です。

ーーでは、ヌンチャクは空手の古武器なのになぜニンジャなのでしょう。

日本の忍者と海外のニンジャのイメージは全く異なります。海外のニンジャは、美しい肉体美を持つ孤高のヒーローです。そしてヌンチャクを操ることも条件になるんですよ。それは、80年代のアメリカンニンジャ映画やアニメ、TVゲームの影響ですね。

『HYPER JAPAN』ロンドン公演での様子

それで海外に向けてヌンチャク使いの私を一番分かりやすく紹介するには『ニンジャHIROKI』、正式名称『Hiroki The Masked Ninja』とするのが一番なんです。私の名前をカタカナでニンジャとするのは海外ニンジャだからですね。

ーーストイックな世界のヌンチャクをバラエティ番組で見せる意味は。

ヌンチャクは武器である以上、歴史的に悲しみの面もあったのではと思います。そして現代、空手の心身練磨のヌンチャクは必要ですが、武器としてのヌンチャクの必要性はあってはいけません。

私がTVで披露するヌンチャクは、160キロの野球ボールを打ち返したり、シャンパンの栓を開けたり、プリンをプッチンしたりと悲しみの面を持ちません。

先人の知恵と勇気は決して失いたくありませんが、その修行の過程から生まれた成果を平和の形で現代に披露することも、私にできる一つの役目ではないかと思っているんです。

それと最近、ヌンチャクで相手に恐怖を与えるような仕事も遠慮させていただいています。なぜなら、平和なヌンチャクの先に、私のヌンチャク未来が見えたからなんですよ。

ーーTEDxSapporo 2017に出演したとのこと

出演のお話をいただいてからTEDxSapporoに向けて頑張らなくちゃという気持ちよりも、先ほど話した先人の知恵と勇気も含めてストレートにヌンチャクを披露することだけを意識しました。

そして私のヌンチャクに完成形はなく、あるのは無限の可能性だということをメッセージとして皆様にしっかり伝わったと感じましたね。

ーーニンジャHIROKIのヌンチャクの未来とは

無形無限流は相手を仕留めるヌンチャク武術です。武術・武道は活殺であり、二極一対、陰と陽の世界になります。すなわち、相手を倒す技有れば活かす(生かす)が技あり、治療や健康へと繋がるんです。

相手を倒す急所は、人体のツボと関連します。そのツボはWHO世界保健機関にて定められた人体に361ある経穴と繋がります。打撃や圧迫による強い刺激は経穴を急所と変化させ、逆にほどよい刺激は神経機能の回復、生理的機能亢進などホメオスタシスの維持となる健康のツボに変化するんです。

それでいままで散々稽古してきた殺法の急所が、実は相手を生かす活法になるんだと分かったんですよ。さらに突き詰めていくと1500年前から日本に伝わる「経絡治療」に繋がっていきます。私のヌンチャクの未来は、武道理論と経絡治療を織り交ぜた健康としての社会貢献です。

ーーあなたにとってヌンチャク人生とは、何ですか。

私のヌンチャク人生…それは「いまを真剣に生きる」ことです。

見えない道である未来に向けの頑張りは、誰もが不安になると思います。しかし、いまを真剣に生きるとすれば、不安や悔い、さらに見栄や挫折の概念もなくなるんですよ。気が付けば必ず道が開かれているというか、私のヌンチャクにはそう思います。

インタビュー終了後、簡単な動きを撮影させてもらいました。「ハッ!」という力強い声を皮切りに、猛スピードで回転するヌンチャクの華麗な動きを目の前で見ていると、鳥肌が立ちました。

『いまを真剣に生きる』ことをヌンチャクを通して伝えるニンジャHIROKIさん。今後もヌンチャクを持つヒーローとして、目が離せません!


[文・構成/grape編集部]

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