もはや絶滅寸前…！　『屋上遊園地』の今を取材してみた

ひと昔前は、屋上に遊園地があるデパートがたくさんありました。

「小さい頃によく遊んだ！」「昔ヒーローショーを見に行った！」という人も多いでしょう。

しかし、その数は年々減っていき、２０２２年現在、全国規模で見ても両手の指で数えられるほどしか残っていないそうです。

商業施設が多い東京都内ですら、屋上遊園地が残っているのは…たったの１か所！

そこで、都内で唯一残る貴重な屋上遊園地である『かまたえん』を取材しました。

都内で唯一の屋上観覧車がある『かまたえん』

都内で唯一の屋上遊園地『かまたえん』があるのは、蒲田駅そばにあるショッピングセンター『東急プラザ蒲田』の屋上です。

開業したのは『東急プラザ蒲田』がオープンしたのと同じ１９６８年。半世紀以上もの長い間、蒲田の街を見守ってきた歴史ある屋上遊園地です！

『かまたえん』がある屋上広場に入場してまず目に入るのが、『幸せの観覧車』と名付けられた屋上観覧車。

大規模な遊園地に設置されている観覧車よりも小さく、１周の時間も決して長くはありません。しかし、７階建ての商業施設の屋上に設置されているだけあって、頂上付近では絶景が楽しめますよ！

筆者が取材した時は残念ながら見えませんでしたが、富士山を望める日もあるそうです。

料金は１周３００円。チケットは観覧車の入場口横にある販売機で購入します。

子供連れはもちろん、大人だけで乗っても十分に楽しめると感じました！ゴンドラが１周する間だけ、童心に帰ってみるのもいいでしょう。

屋上観覧車は蒲田のランドマーク

『東急プラザ蒲田』の屋上観覧車は、オープンから１９８９年までは、『お城観覧車』と呼ばれるお城を模した観覧車を設置。その次には『グレ太の観覧車 フラワーホイール』という、花をモチーフにした観覧車が設置されていました。

「子供の頃に乗ったことがある！」という人もいるかもしれませんね。

実は２０１４年の施設リニューアル時に、屋上観覧車は閉鎖する予定だったそうです。

しかし、「観覧車を残してほしい！」という声が数多く届いたことから、カラーリングを新たにして復活したというエピソードがあります。

また、『幸せの観覧車』という名前は、リニューアル時に行ったネーミング公募の中から選ばれたもの。「地域に幸せを届ける」という思いが込められているとのことです。

親子三代で愛される『かまたえん』

『かまたえん』の小野厚志さんに屋上遊園地の魅力を伺ったところ、次のように語ってくれました。

取材日は平日の午後でしたが、親子連れだけでなく、カップルで訪れる人もちらほら。

天気のいい日には、大人がちょっとした息抜きに訪れるケースも多いようです。

子供時代に「かまたえんで遊んだ」という人が、大人になって親と子供と一緒に訪れるなど、親子三代での利用も多いとのこと。

半世紀以上もの歴史を持つ『かまたえん』ならではのエピソードですね！

２０１９年６月まで都内にあった！もうひとつの屋上遊園地

２０２２年現在、都内にある屋上遊園地は『かまたえん』のみですが、実は２０１９年６月までは『東急百貨店 吉祥寺店』にも屋上遊園地がありました。

この広場は『東急百貨店 吉祥寺店』が開業した、１９７４年にオープン。

当時、太陽のモニュメントがあったことから、『太陽の広場』と名付けられたそうです。

『太陽の広場』には、いつの頃からか人工芝の広場に子供用のカート型遊具、遊戯コーナーやペットショップなどが設置され、買い物ついでに訪れる親子連れでにぎわいました。

残念ながら２０１９年６月に遊園地部分は閉鎖。その後、人工芝部分を広げたり、ビューテラスを設置したりといった大規模な改装が施され、２０２１年１月２日にリニューアルオープンしました。

２０２２年現在、昔懐かしい遊具は残っていませんが、子供たちがのびのびと楽しめるスペースに生まれ変わっています！

４０代以上の人にとって、屋上遊園地は訪れるたびにワクワクする空間でしたよね！大人になってから行けば、きっと懐かしい気持ちになること請け合いです。

近くに屋上遊園地があったら、ぜひ休みの日などに訪れてみてはいかがですか。

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[文／デジタル・コンテンツ・パブリッシング・構成／grape編集部]