ずっと心の中に残る光景は、今、ここにいる自分を強くしてくれる By - 吉元 由美 公開:2023-04-09 更新:2023-04-09 エッセイ吉元由美 Share Post LINE はてな コメント 吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。 忘れられない光景が教えてくれること 圧倒的な星空を見たことがあります。高校の修学旅行で北海道へ行ったときのこと。苫小牧から仙台へ向かう帰りのフェリーで、満天の星空を見ました。 満天とはこういうことなのだと思うほど、空、すべて星で埋め尽くされているのです。これまで何度か美しい星空を眺めたことはありますが、あの星空は特別でした。 17歳という、まだ若かったときの体験だったかもしれません。(私はこの宇宙の一部なんだ)と思ったとき、胸の奥から歓喜が湧きあがったのを、今でもよく覚えています。 ずっと心の中に残る光景があります。その光景は勇気をくれたり、落ち込んだときには励ましてくれるものです。 この17歳の星空と、もうひとつ、授業をさぼって見に行った17歳の5月の七里ヶ浜の海は、今でも私に語りかけてくるのです。 授業をさぼることは、当時の私にはとても勇気がいることで、5月の七里ヶ浜は『やりたいと思ったことを実行に移す大切さ』を教えてくれた体験でした。 ポジティブに、前を向いて進むこと。それは歩んできた道のりを置き去りにすることではないと、私は考えます。 楽しかったことばかりでなく、いろいろなことがあります。それらを自分の中で消化、昇華せずに抱えたまま進めば、それは重い荷物になってしまう。 でも、それらを受け入れ、生きる強さにできたら、未来への歩み方も違ってくる。つらかったことを強さや優しさに変換するにはそれなりの心の変遷があります。 そんなときに励ましてくれるのが、心を打った光景や、故郷の風景だったりするのです。これまでに歩んできた道のり、年月の中にある宝物を見つけていくのです。 少し話が飛躍するかもしれませんが、地球を取り巻いている大気の中に、風の中に、海の中に、山々に、土の中に、太古からの記憶があるのだと思います。 同じように、人の中にはそれぞれの魂の記憶があるのかもしれません。 それを遡って懐かしむことはできませんが、これまで歩んできた中にある宝物のような光景に時々心を合わせていくのは、今、ここにいる自分を強くしてくれるように思います。 私の40代は子育てと仕事で大忙しで、あっという間に過ぎて行きました。忙し過ぎて、記憶が飛んでいます。 でも今思うのは、その10年間はものすごく宝物にあふれている時期だったということ。もしかしたら、これまでの人生の中で最も輝いていたのではないかとも思います。 そう思えるからこそ、勇気を持って前へ進める気がするのです。 忘れられない光景という宝物を大切に。それは、これから体験する光景の中にもあるはずです。 いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で吉元 由美1,584円(12/22 15:00時点)Amazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載しています ※記事中の写真はすべてイメージ 作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー [文・構成/吉元由美] 吉元由美 作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。 ⇒ 吉元由美オフィシャルサイト ⇒ 吉元由美Facebookページ ⇒ 単行本「大人の結婚」 快挙を成し遂げた狩野英孝、帰国便の搭乗券をよく見ると… 「さすがJAL」の声ホノルルマラソンから帰国する狩野英孝さんに、JALが用意したサプライズとは…。 ロケで出会う人を「お母さん」と呼ぶのは気になる ウイカが決めている呼び方とは?タレントがロケで街中の人を呼ぶ時の「お母さん」「お父さん」に違和感…。ファーストサマーウイカさんが実践している呼び方とは。 Share Post LINE はてな コメント
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
忘れられない光景が教えてくれること
圧倒的な星空を見たことがあります。高校の修学旅行で北海道へ行ったときのこと。苫小牧から仙台へ向かう帰りのフェリーで、満天の星空を見ました。
満天とはこういうことなのだと思うほど、空、すべて星で埋め尽くされているのです。これまで何度か美しい星空を眺めたことはありますが、あの星空は特別でした。
17歳という、まだ若かったときの体験だったかもしれません。(私はこの宇宙の一部なんだ)と思ったとき、胸の奥から歓喜が湧きあがったのを、今でもよく覚えています。
ずっと心の中に残る光景があります。その光景は勇気をくれたり、落ち込んだときには励ましてくれるものです。
この17歳の星空と、もうひとつ、授業をさぼって見に行った17歳の5月の七里ヶ浜の海は、今でも私に語りかけてくるのです。
授業をさぼることは、当時の私にはとても勇気がいることで、5月の七里ヶ浜は『やりたいと思ったことを実行に移す大切さ』を教えてくれた体験でした。
ポジティブに、前を向いて進むこと。それは歩んできた道のりを置き去りにすることではないと、私は考えます。
楽しかったことばかりでなく、いろいろなことがあります。それらを自分の中で消化、昇華せずに抱えたまま進めば、それは重い荷物になってしまう。
でも、それらを受け入れ、生きる強さにできたら、未来への歩み方も違ってくる。つらかったことを強さや優しさに変換するにはそれなりの心の変遷があります。
そんなときに励ましてくれるのが、心を打った光景や、故郷の風景だったりするのです。これまでに歩んできた道のり、年月の中にある宝物を見つけていくのです。
少し話が飛躍するかもしれませんが、地球を取り巻いている大気の中に、風の中に、海の中に、山々に、土の中に、太古からの記憶があるのだと思います。
同じように、人の中にはそれぞれの魂の記憶があるのかもしれません。
それを遡って懐かしむことはできませんが、これまで歩んできた中にある宝物のような光景に時々心を合わせていくのは、今、ここにいる自分を強くしてくれるように思います。
私の40代は子育てと仕事で大忙しで、あっという間に過ぎて行きました。忙し過ぎて、記憶が飛んでいます。
でも今思うのは、その10年間はものすごく宝物にあふれている時期だったということ。もしかしたら、これまでの人生の中で最も輝いていたのではないかとも思います。
そう思えるからこそ、勇気を持って前へ進める気がするのです。
忘れられない光景という宝物を大切に。それは、これから体験する光景の中にもあるはずです。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
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⇒ 単行本「大人の結婚」