「おじいさん、今までありがとう」最期の別れを告げるため、病院へ来た馬
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最愛の人との別れは、とても悲しいもの。その気持ちは、人間も動物も変わりません。
2016年5月21日、アメリカ合衆国テキサス州・サンアントニオ内にある病院で、ひとりの男性がその生涯を終えようとしていました。
男性の名前は、ロベルト・ゴンザレスさん。1970年にベトナム戦争で負傷し身体が麻痺してしまった彼は、現在寝たきりの生活を送っています。
しかしゴンザレスさんは、昔から抱いていた『とある夢』を諦めることができませんでした。
「テキサスで牧場をひらき、大好きな馬と共に生活をしたいんだ」
強い意志をもったゴンザレスさんはその後、身体の麻痺にも負けず馬を育て始めました。テキサス唯一の公認トレーナーになるほど、彼の情熱は熱いものだったそうです。
それから数十年…楽しい日々を送っていたゴンザレスさんですが、ついにその生涯を終えるときが近づきました。そのとき彼は、入院している病院の看護師にこう言ったのです。
「最後に、愛する馬たちの顔を見たい…」
看護師は彼の願いを聞くと、急ぎ家族へと連絡。家族は約241km離れた病院まで、ゴンザレスさんが最も愛した2頭の馬を引き連れて来ました。
ゴンザレスさんをじっと見つめているのは、『シュガー』と『リンゴ』。心配そうな顔で彼にすり寄ると、キスを贈りました。
するとその瞬間、今まで目を開くことができなかったゴンザレスさんは、うっすらと目を開けました。最後に、その姿を瞳に映したかったのでしょう。
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その後、大切な家族たちと最愛の馬2頭に見守られ、ゴンザレスさんはこの世から旅立って行きました。偶然にもその日は、銃に撃たれ彼の運命が一変した日からちょうど46年目でした。
ゴンザレスさんと馬たちについて、彼の妻はこうコメントしました。
「馬は、彼の人生にとって一番大きな存在でした。40年近く、私たちは馬と一緒に生きてきたのですから」
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大切な存在である家族や馬に見送られて、きっとゴンザレスさんは幸せでいっぱいだったことでしょう。
今は空の上で、これまで育てた馬たちと一緒に見守ってくれているかもしれませんね。