おばあさんに育てられたアライグマ 野生に戻った3年後…?
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grape [グレイプ]
アメリカでは、住宅地で野生のアライグマを見かけることは珍しくありません。
動物学者として野生動物の保護施設で働くニッキー・ロビンソンさんはある日、道路でアライグマの赤ちゃんを見つけました。
ウェブメディア『The Dodo』によると、そのアライグマはまだ生後数週間と見られ、近くに親の姿はなかったのだそう。
彼女はアライグマを保護してくれる施設を探しますが、どこもいっぱいで引き取ってくれず、「その場に置いておくか、動物病院に連れて行って安楽死させられるかですね」といわれてしまいます。
かわいそうな赤ちゃんのアライグマを見殺しにできなかったニッキーさんは、その子を家に連れて帰ります。
そして仕事が忙しいニッキーさんに代わって、母親のリンダさんがアライグマの世話をすることになりました。
アライグマはリトル・ハンズと名付けられ、リンダさんは1日に5回、哺乳瓶でミルクを与えて成長を見守ります。
そうするうちに、リトル・ハンズは彼女にすっかり懐いていったのです。
※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。
野生に戻って行ったアライグマが…?
ニッキーさんたちはリトル・ハンズが成長したら、野生に帰すつもりでした。
リトル・ハンズが少しずつ外で過ごす時間を増やし、自分で食べ物を獲れるようになるまで食事を外に置いておくなどして、自立をサポート。
こうして時期が来ると、リトル・ハンズは野生に帰って行ったのです。
しかし、それはリンダさんとリトル・ハンズの永遠の別れではありませんでした。
野生へと戻ってから3年が経った現在も、リトル・ハンズは時々リンダさんに会いに来るのだそう。
そしていつも庭のブランコに乗っている彼女のヒザの上でたっぷりと甘えているのです。
その姿はまるで大好きなおばあさんに抱かれる孫のよう。なんてほほ笑ましいのでしょうか。
ニッキーさんたちはリトル・ハンズを保護して以来、親のいないアライグマの赤ちゃんを何匹も世話してきたといいます。
そして驚くことに、そのアライグマたちはみんな、野生に帰った後も時々リンダさんに会いにやって来るのだそうです。
アライグマを抱いて幸せそうな笑顔を見せるリンダさんの写真や動画には「愛情いっぱいだね」「ハートがとろけた」などの声が寄せられています。
一般的に野生のアライグマは気性が荒く、ゴミを荒らしたりすることから『ゴミパンダ』と呼ばれています。
それでも赤ちゃんの頃から愛情をもって育てれば、こんなにも人に懐くのですね。
野生に帰ってからもリンダさんに会いに来るアライグマたちは、彼女のことを自分の母親だと思っているのかもしれません。
[文・構成/grape編集部]