「尿意が消える」って本当? 『ボンタンアメ』の効果を医師に聞いてみた

By - しぶちゃん  公開:  更新:

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ボンタンアメの写真

2025年夏、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』や『国宝』といった作品が大ヒットし、全国各地の映画館がにぎわっています。

映画のヒットにともない、昔懐かしいお菓子が話題になっているのをご存じでしょうか。

そのお菓子が、飴菓子の『ボンタンアメ』です!

ボンタンアメの写真

話題を呼んだ理由は、ネット上を中心に「食べれば尿意が抑えられる」という噂が広がったから。

にわかに信じがたい話ですが、「上映時間約3時間の『国宝』を見る前に食べたけれど、トイレに行かずにすんだ」「効果てきめん。マジでお勧め」といった声が上がっています。

果たして本当に効果はあるのでしょうか…。半信半疑の筆者は、実際に劇場へ足を運び、『ボンタンアメ』を食べて映画を鑑賞することにしました!

『ボンタンアメ』を映画鑑賞前に食べてみたら…?

『ボンタンアメ』は、同年で発売から100周年を迎えました。

30歳の筆者。駄菓子店などで商品自体を目にしたことはありましたが、口にするのは初めてです。

はがせずに苦心していた包装紙が実はオブラートで、そのまま食べられるということに驚きました。

「え、本当に包装ごと食べて大丈夫なの」と疑いながら、口に運んだのですが…。

ボンタンアメの写真

モチモチしていておいしい!

南国特産の柑橘類『文旦(ぶんたん・ぼんたん)』のさわやかな風味で、口さみしい時などに食べたくなる味だと感じました。

さて、本題はここからです。「尿意を抑える」という噂は本当でしょうか。

映画の上映中、ドリンクを大量に『がぶ飲み』して、クライマックスのシーンでトイレに行きたくなるという苦い経験をした人は多いでしょう。筆者も例にもれず、その1人。

効果を厳しく確かめるため、ポップコーンとドリンクを注文しました。

「しっかり映画を楽しもうとしてるやんけ!」という突っ込みは受け付けませんよ。あくまで検証のためです。

「『ボンタンアメ』を食べて、多くの人が『効果がある』といっている。大丈夫なのだろう」と自分にいい聞かせ、上映時間約2時間の作品を鑑賞したところ…。

ドリンクとポップコーンの写真

※写真はイメージ

確かに、尿意を感じないかもしれない…!

効果は上映後にも継続している気がして、大量のドリンクを飲んだにもかかわらず、トイレに行ったのは上映後からおよそ3時間後。「これはすごい」と感動しました。

筆者は「尿意を抑える効果は、糖質を多く含む、もち米が使われていることに関係があるのでは」と予想。専門家に見解をたずねることにしました。

「尿意を抑える」効果について、医師の回答は…

『ボンタンアメ』と尿意の関係について答えてくれたのは、林外科・内科クリニック理事長の、林裕章さんです。

まず、成分上の観点については、このような見解を示しました。

炭水化物が尿意を抑制するという、医学的に確立した理論はありません。

効く可能性はありますが、臨床的に意義がある抑制効果を証明したデータは皆無です。

『ボンタンアメ』に含まれる糖質には、水分を一時的に体内へ抱え込む仕組みがあることから『トイレがやや近くなりにくくなる』可能性は否定できません。

ですが、『ボンタンアメ』1粒に含まれる糖質の量と膀胱の水分容量を考えると、影響は軽微です。

林さんによると、どうやら成分的には、尿意の抑制にさほど大きな影響はもたらさないようです。では、なぜこれほど多くの人が「尿意が消える」と実感しているのでしょうか。

林さんは、実際には効果がないものを摂取したとしても、信じることで何かしらの改善効果が得られる『プラセボ効果』の可能性を指摘します。

トイレを我慢する人の写真

※写真はイメージ

「『ボンタンアメ』を食べれば大丈夫」という安心感が、交感神経の興奮を抑え、膀胱の感受性を下げるのかもしれない。

心理的メカニズムを通じて、尿意に関する不安をやわらげる手助けになっている可能性は非常に高いでしょう。

先述の実体験から筆者も納得。この情報を知れば、上映前の『お守り』として、大量に食べておきたくなる人もいるかもしれません。

ですが、林さんによると「糖質の過剰摂取は、むしろ高血糖による頻尿を招く危険がある」といい、「上映前に『ボンタンアメ』を食べる場合は、2、3粒程度の少量を摂取する『儀式』程度にとどめておけば、心理的な対策として合理的です」と勧めていました。

『ボンタンアメ』の100年の歴史が?

ネット上では、尿意をもよおしがちな映画鑑賞時の『お供』として『ボンタンアメ』を初めて口にした人も多い模様。

「くせになる」「うますぎて感動した」といったコメントが相次いでいました。

映画館の写真

※写真はイメージ

製造するセイカ食品株式会社の広報担当者によると『ボンタンアメ』のパッケージと味は、100年前の発売当初からほとんど変わっていないとのこと。

幅広い世代から親しまれており、「家族の思い出の味」という人も多いそうです。

次の100年を見据えて「これまでも、これからも、キャッチコピーでもある『ときどき、ずっと』食べたいお菓子になれば、この上なく光栄です」と話していました。

発売100周年という節目の年。映画のヒットをきっかけに、歴史ある『ボンタンアメ』に思わぬ『スポットライト』が当たったようです。

これからも、多くの人から愛されるお菓子として、長く親しまれ続けることでしょう!

監修・取材協力 林裕章

林外科・内科クリニックの理事長。
国立佐賀医科大学を卒業後、大学病院や急性期病院で救急や外科医としての診療経験を積んだのち、2007年に父親の経営する有床診療所を継ぐ。外科医の父親と放射線科医の妻と、「人」を診るクリニックとして有床診療所および老人ホームを運営し、医療・介護の両面から地域を支えている。⇒Instagram


[文・構成・取材/grape編集部]

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