「ブラックホールからは抜けられる」うつに苦しむ人へホーキング博士の言葉
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そんなホーキング博士が、うつ病で苦しんでいる人々、気分が落ち込むことが多い人へメッセージを送っています。「絶望のブラックホールから脱出することは可能なのだ」 と。
これはロンドンの王立科学研究所で74歳の誕生日前日に行われた、BBCリースレクチャー(Reith lecture)で語られたメッセージです。博士は自身の最新理論を説明した講義の最後をこのように締めくくりました。 ニュースメディアPower of Positivityが伝えた内容を抜粋し、日本語訳してお伝えします。
「足元を見るのではなく、空を見上げることを忘れないで。決してあきらめないでください。頑張ることに意味や目的があり、人生はそれがなければ空虚なものです。
もしあなたが幸運にも愛を見つけることができたなら、それを大切にして。どんな時にも投げやりな気持ちを起こさないで」
そして、博士はうつ病をブラックホールに例え、「そこから抜け出すことは不可能ではない」と説きました。
「私が伝えたいことは、ブラックホールは見た目ほど真っ黒ではないということです。
これまで考えられていたような永遠の牢獄ではありません。
ブラックホールには他の宇宙への出口があり、それはうつ病についても同様です。ですから、皆さんがブラックホールの中に入り込んでしまったような気分に陥ったとしても、決してあきらめないでください。
出口はあるのですから」
また、博士は自身の障がいについて質問された時は、こう答えています。
「誰もが自分を犠牲者だと思うなら、そこで人生を終わらせる権利はある。でもそれは大いなる間違いであると私は思います。
(障がいを持っていることは)良い生活を送ることができないように見えるかもしれません。
しかし、希望さえあれば、何かできることはあり、その道で成功できる道もあるはずです。
障がいがあることはあなたのせいではありません。しかし、世間を非難したり、自分を卑下したり、同情を得ることを期待することはよいこととはいえませんね。
大切なことは、ポジティブな思考をたえず持ち続け、与えられた状況でベストを尽くすことなのです。
もしあなたが身体障がい者であるなら、精神的な障がいを持つ必要はありません。これは私の意見ですが、身体に障がいがある方は、身体的な障がいがハンディキャップにならない領域の活動に専念するべきです。
私はオリンピックの選手にはなれませんが、子どもの頃から運動が嫌いでしたのでそういった希望は持っていませんでしたが…。しかし、理論物理学に出会い、研究を始めることができたことは幸運でした。
科学の分野は主に頭脳と心を使って仕事をしますから、障がい者にとって非常に良い領域です。この分野は自分の障がいがハンデにならない数少ないもので、私にとっては理想的なのです」