余命宣告を受けた息子のイボ切除を提案した主治医 その言葉が母親の絶望を変えた

By - grape編集部  公開:  更新:

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※写真はイメージ

小児がんのため、長男・渓太郎くんを1歳4か月で失った中村美幸さん。看病をしながら生と死に向き合い続けた1年間で、中村さんはさまざまなことを学びました。

2018年11月28日には、ブログで「胸を打たれた医者の言葉」を公開。多くの人が、絶望と希望について深く考えさせられました。

余命宣告をした医者が見ていた『未来』

渓太郎くんは生後4か月の時に小児がんが見つかり、主治医の佐藤先生から「余命3か月だ」と宣告されます。まだ小さな身体であるにもかかわらず、渓太郎くんは採血や点滴、手術など、見るも痛々しいたくさんの処置を受けることになりました。

24時間の付き添い看護が始まった中村さんは、「生後7か月で渓太郎は天国へと旅立ってしまうのか」といつも心のどこかで絶望していたようです。

余命宣告を受けた子どもの親として、そのような気持ちを抱えること自体は、決して責められるものではないでしょう。それでも中村さんは、ある日の出来事をきっかけに、自分自身のネガティブな考えに失望してしまったといいます。

生まれつきのイボ

渓太郎くんは、首の後ろに生まれつきの小さなイボがありました。それを見つけた佐藤先生は、中村さんに次のようにいったそうです。

「今度、麻酔をかけて処置をするようなことがあったら、その時一緒に切除しましょう」

佐藤先生の提案に、中村さんは反射的に「あ…はい。お願いします」と答えました。

しかし、渓太郎くんの命をおびやかすがんと比べたら、中村さんにとってイボはどうでもいいもの。ただでさえ負担が多い渓太郎くんの身体に、さらに傷を付けるのはどうかと思ったのです。

そのため、中村さんはやっぱり拒否しようと思ったのですが…。

「先生。でも麻酔が切れたら、痛いですよね?」

・・・そう言った直後、次に続く言葉が心の中から聞こえてきた。

(どうせ渓太郎は長くないのに・・・。わざわざ痛いことをしなくても・・・・・)

その声に、心の中で返事をする。

(これが私の本音か・・・)

―――心の中の私との会話は、時々自分に失望した。

中村美幸オフィシャルブログ ーより引用

自分の本音に気付き、自己嫌悪に陥る中村さん。

すると、佐藤先生は腕の中にいる渓太郎くんの鼻を愛おしそうにつつきながら、こういったのです。

「だって…ねえ、渓ちゃん。大きくなった時、こんなのあったらカッコ悪いもんね~!」

中村さんは、佐藤先生の発言にハッとしました。

佐藤先生は、「余命3か月だ」と宣告をした主治医です。それなのに、佐藤先生は渓太郎くんの未来を見ていたのです!

余命という「期限」を告げた当の本人が、その子の将来を当然のように語る。その言葉の重さが、中村さんの心に深く刺さったのでしょう。

衝撃を受けた中村さん。佐藤先生の言葉で、希望をいだくことができるようになりました。

明日を保証されている命がどこにもないように、期限が確定されている命などどこにもない。
すべての命が不確かなのだと・・・。

「不確かだから信じられない」私に、「不確かだからこそ信じる」姿勢を示し続けてくれた医師。
保証されていないことは、「絶望」ではなく「希望」なのだと・・・。

中村美幸オフィシャルブログ ーより引用

余命3か月を超えて生きた渓太郎くん

医者と中村さんの想いが届いたのか、渓太郎くんは余命の3か月を超え、1歳4か月まで生きました。

宣告された期間をはるかに超えて生き抜いた渓太郎くんの姿は、「不確かだからこそ信じる」という佐藤先生の言葉が、単なる慰めではなかったことを示しているようです。

悲しい出来事に直面した時に、希望を探すことは困難かもしれません。しかし、不確かだからこそ未来を信じることもできます。

佐藤先生の姿勢に、私たちが学ぶことは多いのではないでしょうか。


[文・構成/grape編集部]

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出典
中村美幸オフィシャルブログ

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