20代から70代へ 肉体派スター、シルヴェスター・スタローンの肉体美
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2020年6月25日に公開となった最新作『ランボー ラスト・ブラッド』でも、強烈なアクションを披露しているハリウッドの生ける伝説シルヴェスター・スタローン。
今年で御歳74歳を迎えてなお、その鋼の肉体は衰えを知りません。そんなスタローンの肉体を彼のキャリアとともに振り返りましょう。
ただのマッチョと侮るなかれ! 鋼の肉体に秘めた『ワンスアゲイン魂』
スタローンというと『豪快アクション映画の人』というイメージをしがちですが、実は苦境から成り上がった『不屈の人』なのです。
そして彼の肉体はその『不屈さの象徴』といっても過言ではないでしょう。
スタローンはニューヨークのマンハッタンでも治安の悪い、ヘルズキッチンという地区生まれ。
生まれた時に、産婦人科医の誤った施術で顔の左側に麻痺が残ってしまいました。
それが原因でいじめを受け、幼少期はスーパーヒーローコミックや映画に夢を抱き、学校の制服の下にコスチュームを着て通学していたこともあったそうです。
両親の離婚を経て不良になり、無数の学校で退学処分を受けてきたスタローン。
この頃、映画俳優のスティーブ・リーブスに憧れ、廃材から筋トレマシーンを自作して身体を鍛え、ボクシングを学び、肉体を作り上げていきます。
高校卒業後は演劇学校に通い始めますが、顔面に麻痺の影響が残る無名のスタローンに、仕事はほとんどありませんでした。
苦労したスタローンはポルノ映画に出演するなどして、極貧生活を食いつないでいきます。
そして1975年、彼が29歳の時に自身の境遇を重ねながら、わずか3日でとある脚本を書き上げました。
必死の売り込みの結果、低予算で映画製作が決定し、1977年にはわずかな館数で公開の日の目を見ます。
それこそが、あの名作『ロッキー』なのです。
公開後、その感動的な内容が口コミで評判となり、主演のスタローンは爆発的な人気を得ました。まさにアメリカン・ドリームの体現者ですね。
ちなみに自身のInstagramでスタローン本人が投稿したこの写真は、『ロッキー』が公開される1時間前のものだそう。
「たった60分後には、俺の世界はひっくり返って、元の世界には戻れなくなった。みんな、ありがとうな…」とコメントを添えています。
1980年代に入ると彼は新たな伝説を打ち立てます。
それが1982年公開のアクション映画『ランボー』です。
ベトナム戦争の英雄だったランボーが、帰国後に迫害にあい、その悲しみと怒りを爆発させる本作で、スタローンは見事な肉体と哀愁の名演技を披露。計5作作られるほどの人気シリーズとなりました。
その後、スタローンは1980年代の絢爛なアクションブームの代名詞的存在となり、その肉体もよりたくましく、ど派手なムキムキに仕上がっていきます。
当時、同じ肉体派スターとして人気を二分していたのが、永遠のライバルであり親友のアーノルド・シュワルツェネッガーなのは有名な話ですよね。
次々とヒット作を飛ばし、ハリウッドのドル箱スターとして栄光をつかんでいったスタローン。このときのマッチョで豪快なイメージが、スタローンのパブリックイメージを作ったのかもしれません。
そんなスタローンでしたが1990年代後半になるとかつてのような筋肉アクション映画ブームも下火となり、彼自身も『過去の人』というイメージがついて周り、出演作の興行もいまいちに…。
髪型もさっぱりとショートにし、SF映画やサスペンス映画に多く出演。肉体も立派な筋肉は残しつつも、幾分スレンダーなシルエットが多い印象ですね。ナイスミドルな『いぶし銀スタローン時代』という感じでしょうか。
スタローンを語る上で、この時代を推す人も少なくないのですが、本人的には不遇の時代だったようで過去の週刊朝日でのインタビューで「エージェントが持ってきた話だけでスケジュールを決めていく。気が付かないうちに8年間クズな映画に出ることになった」と語っています。
すでに十分すぎるほどの栄光を手にしていたスタローン。しかし彼の中にある『チャレンジ精神』は消えていませんでした。
なんと2000年代に入ると、60代にも関わらずハードなトレーニングを敢行。
肉体を鍛え直し、興行・批評面でも高い評価を受けた、2006年公開の映画『ロッキー・ザ・ファイナル』、2008年公開の映画『ランボー/最後の戦場』を世に送り出し、表舞台に返り咲いたのです。
その後は、1980年代のアクション映画ブームにオマージュを捧げ、同時代を駆け抜けたアクション俳優の同窓会的側面を持つ『エクスペンダブルズ』を2008年に発表。スタローンの肉体美を再び世間に見せつけました。
現在は監督プロデュース業も巧みにこなす一方で、5人の美人な愛娘達との仲睦まじい日々をSNSで公開しているスタローン。ぜひ最新作でも、その不屈の人生が刻み込まれた肉体をその目に焼き付けてみてください。
[文・構成/grape編集部]