病気で飼い主に見捨てられた子犬 獣医が治療を続けた結果、最高の結末に!
公開: 更新:
窓際が好きな柴犬 前脚をよく見ると…「声出して笑った」家の中でお気に入りの場所が決まっているというペットは多いでしょう。 柴犬のとんくんは、どうやら庭につながる窓辺がお気に入りスポットのようです。 夏には虫よけの特殊網戸を設置しても、隙間が開く位置に、とんくんが居座るため意...
「中身は小学生」といわれたハスキーの1枚 「器用だな」「笑いが止まらん」普段は、シベリアンハスキーらしくワイルドでクールな表情を見せるという、アイリスちゃん。しかし、飼い主(@irislady_husky)さんは、驚きの場所に座る姿を見て…?
2020年4月15日、アメリカ・フロリダ州で獣医をしているアリ・トンプソンさんの病院に1匹のメスの子犬が運び込まれました。
子犬は痙攣を起こしていて、四肢が伸びたまま硬直し、口もまったく開けられない状態。
アリさんは一目見てすぐにその子犬が『破傷風』を起こしていることが分かりました。
彼女は子犬の飼い主に電話をして診断結果を伝えます。
この子は助かる見込みがあります。ただし破傷風の治療は長い期間と多額の治療費がかかります。それでも助かる確率は30%から50%です。
すると飼い主は「多額の治療費を払うことができない。安楽死させてください」と答えたのです。
アリさんは心の中で「どうかお願い!治療をして!この子犬は生きられるかもしれないのよ!」と叫びながらも、そのまま電話を切るしかありませんでした。
この子犬を助けたい!獣医の決断は…
診察室に戻ったアリさんは恐怖と混乱に怯えた子犬の目を見て、「やっぱりこのかわいそうな子を安楽死させたくない」と思ったのだそう。
そしてしばらく考えた末に再び飼い主に電話をして、自分が子犬を引き取って治療をしたいということを申し出ます。
それを聞いた飼い主は彼女に感謝を伝え、子犬が助かった場合でも所有権を放棄することにも承諾しました。
しかしこれはアリさんにとって過酷な試練の始まりでした。
彼女は子犬を『バニー』と名付け自宅に連れて帰りました。光や音の刺激によって筋肉の硬直が悪化するのを防ぐため、バニーにアイマスクをつけて暗い部屋に寝かせることにします。
バニーは絶えず痙攣を繰り返し、舌を噛んで口から泡を吹いてしまうため、常に見張っている必要がありました。また2時間おきに点滴をするため、アリさんはその夜、ほとんど眠れなかったそうです。
バニーの痙攣は10日以上も続き、その姿は見ているのがつらいほどで、彼女は何度も泣きたくなったといいます。
※画像上の矢印をクリックするとほかの画像を見ることができます。
バニーの治療が始まってから7日目から10日目ぐらいに、アリさんはほんの少しですがバニーの改善の兆しを見たのだとか。
その時アリさんはすでに体力的にも精神的にも限界に来ていましたが、彼女の夫がバニーの看病を協力してくれたおかげで乗り切れたといいます。
その後も点滴や注射器による食事、温冷療法、さまざまなエクササイズとマッサージなどを続けました。
すると治療開始から18日目にバニーは一瞬だけ立ち上がり、3週間目には初めて歩いたのです。
アリさんたちの懸命な看病の甲斐あって、バニーは少しずつ、確実に回復していきました。
そして現在のバニーの姿がこちらです!
弾けるような笑顔でフロリダのビーチを全力疾走するバニー。もうすっかり元気になりました。
アリさんはInstagramにこうつづっています。
バニーがアリさんの病院に運び込まれた時、彼女はその日だけですでに2回の安楽死の処置をしていたといいます。
それもあって彼女はバニーの安楽死を「どうしてもしたくなかった」と明かしています。
また、どんなに治療をしても助からない場合があることも承知の上で、「少しでも可能性があるなら、諦めないでほしい」と伝えています。
ペットの医療費は予想以上の高額になることがあり、経済的な理由で治療を断念する飼い主がとても多いといいます。
ペットを家族に迎える人は、いざという時に愛するペットのために最善を尽くせる準備と覚悟があるかどうかを考えるべきなのでしょう。
病と勇敢に闘い、見事に克服したバニー。彼女の物語はきっと多くの飼い主に希望を与えてくれることでしょう。
[文・構成/grape編集部]