新たな解釈! 新たなおもしろさ! 今見て欲しい良作リメイク映画
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grape [グレイプ] entertainment
映画は時代を超えて受け継がれるものですが、同時に時代に合わせて生まれ変わる存在でもあります。それが『リメイク映画』。
よく「オリジナルの方がよかった」といわれがちですが、先入観を外せば、傑作と呼ぶにふさわしい出来の作品も多くあります。
そんなおすすめリメイク映画を5つピックアップしました。
オリジナル版を知らなくても楽しめる! 見て損なしの良作リメイク映画
トータル・リコール
まず、紹介したいのは2012年に公開されたコリン・ファレル主演のSFサスペンス映画『トータル・リコール』です。
■『トータル・リコール』あらすじ
未来世界、低賃金の工場労働者のクエイドは、毎日に退屈しながら過ごしていました。
そんな中、クエイドは同僚からフィクションの記憶を体験できると流行中のリコール社を紹介されます。
そこで政府のスパイだったという記憶を植え付けようとした瞬間、突然の襲撃に遭うクエイド。果たしてこれは現実なのか、植え付けられた記憶なのか…。
本作は、SF小説の巨匠フィリップ・K・ディックの原作小説を、名SF映画監督の1人であるポール・バーホーベンが、主演にアーノルド・シュワルツェネッガーを迎えて映画化した1990年の傑作『トータル・リコール』のリメイクです。
今起きていることは作られたものなのか否か、現実の認識が揺らぐ原作の醍醐味はそのままに、バイオレンスマシマシの1990年代版とは一転して、スタイリッシュなアクションとテンポで全体をクールにまとめた本作。
目を見張る未来世界の驚異の作り込みは必見です!まさに眼福のSFビジュアルが楽しめる傑作といえるでしょう。
マグニフィセント・セブン
次は、2017年公開、主演デンゼル・ワシントンの痛快西部劇映画『マグニフィセント・セブン』です。
■『マグニフィセント・セブン』あらすじ
田舎町ローズ・クリークは非道な悪漢のバーソロミュー・ボーグに支配されていました。
見せしめに夫を殺されたカレンは、なけなしの金で正義の賞金稼ぎチザムを雇います。
彼は、荒野でも腕利きのガンマン、名スナイパー、ナイフ使い、お尋ね者など、癖のある達人を助っ人に引き入れ、街を守る壮絶な戦いに身を投じていき…。
1954年の歴史的大傑作、黒澤明監督の『七人の侍』、そしてそれを西部開拓時代に置き換えた、ジョン・スタージェス監督の1960年の傑作『荒野の七人』。この2つの名作を新たに描きなおしたのが本作です。
主演のデンゼル・ワシントンに加え、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンなど今を時めくスターが集結した本作。
リアルな描写と痛快な娯楽性、さらに原作への愛を迸らせた演者たちが生き生きと演じるキャラクターたちに、あっという間に心をつかまれることでしょう。
エンディングに鳴り響く『荒野の七人』のテーマを耳にした時、現代に名作が蘇った興奮に身を包まれるはずです!
リトルショップ・オブ・ホラーズ
次は、見ていると楽しい気分になること間違いなしの、1987年の愉快なモンスターミュージカルコメディ映画『リトルショップ・オブ・ホラーズ』です。
■『リトルショップ・オブ・ホラーズ』あらすじ
舞台はニューヨークのダウンタウン。売れない花屋で働く気弱な男シーモアは、ある日奇妙な鉢植えと植物を拾ってしまいます。
『オードリー2』と名付けたとの鉢植えは、なんと血を吸う吸血植物。しかも奇妙なことにそれを店頭に置いたところまさかの大盛況。
しかしシーモアは、『オードリー2』が人を食べてしまう陽気で凶悪な生き物だということを、この時は知らなかったのです…。
原作は、『B級映画界の帝王』の異名を持つロジャー・コーマン監督がたったの2日で撮りあげ、無名時代のジャック・ニコルソンが主演を務めたことでも知られる1960年の同名コメディ映画です。
主演のリック・モラニスの愛くるしいダメ男っぷりに、巨大化して饒舌に喋るようになるオードリー2のマシンガントークとその造形のすごみ、そして劇中を彩る軽快なゴスペル調の楽曲の数々は一度耳にしたら忘れられないはずです。
ちなみに本作『スター・ウォーズ』でヨーダを演じたフランク・オズが監督なんですよ。
恐怖の報酬
次は、まさに息をもつかせぬ緊迫の連続が味わえる、ロイ・シャイダー主演、1977年のスリラー映画『恐怖の報酬』です。
■『恐怖の報酬』あらすじ
蒸し暑い南米のジャングル。反政府ゲリラによって破壊され、止まることのない火災を続ける油田の火を爆破して鎮火するため、危険なニトログリセリンの輸送を高額の報酬と引き換えに引き受けた4人の男たち。
彼らの、まさに孤立無援、命がけの仕事が幕を開ける…。
本作のオリジナル版は、1952年にフランスの名匠アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督が撮り、1953年のカンヌ映画祭でグランプリを獲得した、傑作同名映画です。
現在の価格にして100億円という巨額の費用をかけたにも関わらず、興行的には失敗してしまった本作。
しかし、大雨の中ボロボロのつり橋をトラックで渡る驚愕の撮影など、緊迫感が否応なく観客の心臓をつかみます。
『お金を稼ぐということはまさに命をかけることだ』といわんばかりのメッセージが込められた傑作リメイク映画です。
ジャッジ・ドレッド
最後は、主演にカール・アーバンを迎えた、2012年の骨太なSFバイオレンスアクション映画『ジャッジ・ドレッド』です。
■『ジャッジ・ドレッド』あらすじ
近未来、巨大な都市群メガシティ・ワンは、犯罪集団による群雄割拠の世界と成り果てていました。
そんな世界で唯一、正義を貫くのが、警察・裁判所・死刑執行人を兼ねる組織『ジャッジ』。中でも抜きん出た硬い正義の意思を持つドレッドは、ママと呼ばれるギャングのボスが支配する超高層マンションにでの事件に巻き込まれていき。
原作は同名の人気アメコミシリーズであり、あのシルヴェスター・スタローン主演で巨額を投じて映画化した1995年の同名映画です。
オリジナル版は、縦横無尽に未来世界を旅するストーリーで、今でもカルト的な人気を誇っています。
1995年版の豪華絢爛さも魅力的ですが、本作は舞台をほぼビルの中に限定することで、ソリッドな空間演出と物語の目的が設定され、とても見やすくなっています。
同時に決してヘルメットを取らない原作に忠実なドレッドなど、原作愛も満載。ヒロインのオリヴィア・サールビーのキュートさも魅力的です!
新たなアイディア、新たな演出で常に蘇り続ける映画という存在。あえて昔の色眼鏡を外して、新鮮な気持ちでリメイク版を見てみるのもいいものですよ!
[文・構成/grape編集部]